アフターランチ
「厄介なもの」
月末の株価にかかわらず月初日高というのが過去13日月のアノマリー。
月の第1営業日の日経平均は昨年7月以降13カ月連続で上昇している。
大和のレポートなどでの指摘は「日本市場の毎月初。
アセット・アロケーションの変更等によって、債券から株式に資金シフトが行われているように見える。
企業が四半期業績発表を終えた11月・2月・5月の翌月初には日経平均は200円を超える上昇」。
この月初高アノマリーが続くとすれば月末安は良い買い場ということになろうか。
これを見えにくくしているのが東芝。
明日からセイコーエプソンと225採用が入れ替わる予定。
日経平均連動型の投資信託や裁定取引の市場残高は約13兆円。
50円額面なら1銘柄あたり等しく約2500万株の保有残高がある計
東芝株を約2500万株売却してもおおよそ67億円の売却代金。
セイコーエプソンを買うだけの資金に足りない。
しかもセイコーエプソン株は過去の分割の影響で25円がみなし額面。
2倍の約5000万株(約1330億円)を買う必要がある。
差額の約1263 億円の資金を捻出するために、残りの日経平均採用224銘柄を広く薄く売る必要がある。
この指摘ももっとも。
大引けに荒れるのかどうかが課題の月末。
企業の本質に全く関係のないところで、繰り広げられる需給的不毛ではあるが・・・。
過去50年での平均パフォーマンスがマイナスというのがNYの8月。
東京もワーストパフォーマンスだ。
「夏枯れ」と一言で片付けていいものかどうかは疑問。
「過去の大幅下落からほぼ9年。そろそろ」なんて免罪符も聞こえている。
ネガが心地よく響くようなポジなマインドは、塩漬けがなくなれば来るのだろう。
いつも「下げるなら買い場」という境地を邪魔するのが過去の実績。
確かに市場には無尽蔵にお金がある訳ではない。
とはいえ、週末の名古屋のセミナーで質問してみた。
「買いたいけど思うほど下がっていないと思う人」。
これがかなり多い数。
そして「下がったら買いたい人」は圧倒的な数。
待ち望んでいた買い場が来るのならそれはそれでいいのかも知れない。
ただ、そうは言いながら下落局面で実際に買う人は挙手した方の半分もいない可能性も多い。
株価は逃げ水。
下げれば逃げるし、上げても逃げる。
本当に厄介な物である。
先週末。
金曜は伊勢の桑名のゴルフ場隣接のホテルでけばけばしいネオンに囲まれた。
夜が明けたらTV中継で見慣れた18番ホールとボートが浮かんだバブリーな池。
そして孔雀と鶏の大合唱。
それはそれで面白かった。
酷暑の中たどり着いた美濃。
漆黒の畑の中に、ポツンと黄色いネオンに「焼肉」。
受付で聞いたら「カードは使えません」。
知人が同伴していなかったらそのまま帰ったに違いない。
しかし、牛タンステーキに始まり塩ロース、そしてハラミ。
全部量が多くしかも絶品。
聞けば名古屋のプロ球団の隠れ家的存在だという。
確かに壁の周りにサインボールとユニフォーム。
どこに何があるかはわからないもの。
ひょっとすると成長株探しというのも漆黒の闇の中のしょぼいサインを探す作業なのかも知れない。
(櫻井)