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毎日コラム 2015年06月26日
夏の風物詩 蚊取り線香の雑学!!
昭和の何年頃までだったのだろう。
どこの家でも日が暮れると蚊取り線香をたき、夜は蚊帳を吊って眠っていたのは…。
夏の風物詩とも言える蚊取り線香

蚊取り線入れ なぜ豚なのでしょう!

蚊取り線香を入れる陶器等の器を蚊遣りといい、中でもブタの形をしたものを蚊遣り(かやり)ブタといいます。
蚊取り線香の名前もその昔は「蚊遣火」(かやりび)とい名称でした。
蚊遣り木 (マツ、スギ、カヤなど)を燻していました。蚊遣火には殺虫効果はなく、蚊を追い払うのみ。

その後、除虫菊の有効成分(ピレトリン)や類似のピレスロイド系成分を含む線香が殺虫剤として現れ、蚊を取る(駆除)ところから「蚊取り線香」と呼ばれる様になったと思われます。

現在、私達は蚊遣りに蚊取り線香を入れて燃やしますが、蚊取り線香が発明されたのは明治時代。海外から除虫菊が移入されて後です。

蚊取りブタの由来は?

何故ブタなのでしょう?

江戸時代の末期頃、現在の東京の新宿に、内藤新宿という宿場町があり、その場所を発掘していたら蚊遣り豚が出土しました。 その時代には、殺虫効果がある線香などもありませんし、蚊遣り木を燻し、蚊を追い払っていました。 今のように真ん丸とした形ではなく、細身で豚というより猪の様な形でした。


画像は江戸時代の蚊遣り豚

現在の蚊遣りブタは鼻の方も大きく開いていますが、当時の蚊遣りブタの鼻はビンの口のようにきゅっと閉じています。

そう、まるでとっくりやビンを横にしたような形です。

草などを燃やして蚊を追い遣る煙を出すために、一升瓶やとっくりの底を抜いて横にし、利用したところ、ブタの形に似ていた。

このことから蚊遣りブタが作られるようになった、というのが有力な説のようです。

最近は駆虫剤も多くあって、蚊取り線香ひいては蚊遣りブタを使う場面は少なくなりましたが、インテリアとしての人気があるようで、ブタのみならず、蚊遣り犬だの蚊遣り羊だの、種類も沢山あるようです。

昔の人のちょっとしたちゃめっ気から生まれた蚊遣りブタ。夏の風情と実益を兼ねて、これからも使っていきたいものですね。
次回は6月27日(土)更新!!