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ダウ3日ぶり反発、ナスダックは安い
【市況】ダウ3日ぶり反発、ナスダックは安い

25日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比81ドル20セント(0.20%)高の3万9935ドル07セントで終えた。
ダウ平均は前日に504.22ドル安、ナスダックは654.94ポイント安と急落。この日は幅広い銘柄に押し目買いが入った。米商務省が朝方発表した4〜6月期の実質GDP(国内総生産)速報値が景気の底堅さを示す内容だったことも、投資家に買い安心感を与えた。
 
4〜6月期のGDPは前期比年率2.8%増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(2.1%増)を上回った。「GDPの上振れで米景気後退への警戒感が薄れ、米経済がソフトランディング(軟着陸)できるとの安心感が広がった」との声があった。相対的に出遅れ感のある景気敏感株や一部のハイテク株に買いが入った。
 
一方、ハイテク銘柄は引き続きさえない展開だった。今週テスラやグーグルの親会社アルファベットが発表した4〜6月期決算をきっかけに、人工知能(AI)に対する市場の期待が過剰となっている可能性が意識されるようになり、IT大手や半導体関連が売られた。

ダウ平均は600ドル近く上昇する場面があった。ハイテク株の売りが膨らんだ前日に500ドルあまり下げていた。米連邦準備理事会(FRB)が重視するPCE物価指数の発表を控えて持ち高を中立に傾ける動きがあった。ただ、様子見姿勢が広がったこともあり、引けにかけては上げ幅を縮小した。

ダウ平均では前日夕に市場予想を上回る決算を発表したIBMが4%上昇した。セールスフォースも高かった。ボーイングやキャタピラーも上げた。一方、25日に決算とあわせて発表した見通しが慎重と受け止められたハネウェル・インターナショナルは5%安だった。マイクロソフトも売られた。

ナスダック総合株価指数は3日続落した。前日比160.688ポイント(0.92%)安の1万7181.725で終えた。ダウ平均につれて上昇する場面があったが、主要なハイテク株への利益確定売りが続いた。アルファベットやエヌビディアが下げた。一方、前日に大幅安となったテスラは上昇した。
 
 
NYダウ    39935.07 ( +81.20 )
S&P500    5399.22 ( -27.91 )
NASDAQ  17181.72 ( -160.68 )
米10年債利回り  4.243 ( -0.045 )

NY(WTI)原油   78.28 ( +0.69 )
NY金      2353.5 ( -62.2 )
VIX指数    18.46 ( +0.42 )
 

【シカゴ日本株先物概況】
 
25日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比345円安の3万7770円で終えた。
NYダウ平均は、前日の急落を受けて安値拾いの買いが優勢となり、3日ぶりに反発した。
この日は米市場でナスダック総合株価指数が下落した。日経平均株価が今年最大の下げ幅となったこともあり、シカゴ市場で先物に売りが広がった。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て) 
37770 ( +40 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)
37840 ( +110 )

( )は大阪取引所終値比
 





【欧州株式市場】
 
 
■イギリス・ロンドン株価指数
 FTSE100 8186.35(+32.66)
 
25日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比32.66ポイント(0.40%)高の8186.35で終えた。好決算を公表した日用品大手の英ユニリーバ株が大幅高となり、指数を支えた。前日までに相場水準が切り下がっていたため、目先の自律反発を期待した買いも入った。

FTSEの構成銘柄では、ユニリーバ6.23%高、25日公表した2024年1〜6月期決算は、売上高が市場予想を上回った。同社は四半期配当の引き上げも決めた。同日に24年1〜6月期決算を公表したたばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコが5.32%高、格安航空大手イージージェットが3.86%高と相場をけん引した。一方、エネルギー小売り大手セントリカは9.93%安と急落。通信大手エアテル・アフリカと産金大手エンデバー・マイニングもそれぞれ7.04%安、6.98%安と売り込まれた。

 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18298.72(-88.74)

25日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比88.74ポイント(0.48%)安の1万8298.72で終えた。ドイツ以外の欧州市場でスイスのSTマイクロエレクトロニクスなど低調な決算を公表した一部の半導体関連銘柄が大幅に下落。独インフィニオンテクノロジーズ株に売りが膨らみ、DAXの重荷となった。

25日の米株式市場で主要な3指数が上昇幅を広げたのは投資家心理を支え、DAXも次第に下げ幅を縮小した。

個別では、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが6.47%安と下げを主導し、防衛大手ラインメタルが4.96%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーが3.30%安で続いた。

半面、製薬大手バイエルは2.06%高、ヘルスケア大手フレゼニウスは1.27%高、分子診断大手キアゲンも1.27%高となった。

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7427.02(-86.71)

フランスの株価指数CAC40は3日続落し、前日比1.15%安の7427.02と1月下旬以来、約半年ぶりの安値で終えた。パリ市場に上場するSTマイクロエレクトロニクスや自動車の欧州ステランティス、仏ルノーの株価下落が目立った。高級ブランド「グッチ」を傘下に持つ仏ケリングや、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン株に売りが続いた。