兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。

OCN版はコチラ

85円安と続落、一時300円安 円高や米株安で売り優勢
東京株式(前引け)=85円安と続落、一時300円安 円高や米株安で売り優勢
 

 
24日午前の日経平均株価は続落し、午前終値は前日比85円55銭(0.22%)安の3万9508円84銭だった。
きょう前場は方向感の定まらない展開で、日経平均は朝方安く始まった後に買い戻しが入り上昇に転じる場面もあったが、その後再びマイナス圏に沈んだ。日経平均の下げ幅は一時300円を超えた。もっとも下値では押し目買いも入り、小幅ながら上昇に転じる場面があった。前日の米国株市場ではNYダウが小幅反落し、ナスダック総合株価指数も引けにかけ軟化する展開で様子見ムードが強く、東京株式市場もリスクを積極的に取りに行く動きはみられない。外国為替市場でドル安・円高方向に振れていることも投資家心理を冷やし、輸出セクター中心に買いが手控えられている。
 
24日午前の外国為替市場で円相場は一時1ドル=155円台前半と約1カ月半ぶりの円高・ドル安水準を付けた。円相場が上げ幅を広げる場面では歩調を合わせるように、海外短期筋などから株価指数先物に売りが出て、日経平均は先物主導で下げ幅を広げた。23日の米株式市場で半導体関連の下げが目立ったほか、2024年4〜6月期決算を発表した電気自動車(EV)大手のテスラや米グーグル親会社のアルファベットが時間外取引で下落したことも重荷だった。東京株式市場でもディスコやレーザーテクなど半導体関連の一角には売りが出て、相場を下押しした。
 
日経平均は小幅ながら上昇に転じる場面もあった。前日までの5日続落で1600円あまり下げており、下値では押し目買いも入った。
 
市場では「国内企業の24年4〜6月期の決算発表シーズンが始まり、決算内容を見極めたい投資家も多いが、1株当たり利益(EPS)の伸びは続いており、下落局面は買い場になる」との声が聞かれた。
 
為替は1ドル155円20銭台、1ユーロ168円30銭台と、前日比では主要通貨に対して円は全面高となっていることから、後場の日経平均は前日終値水準をやや下回った水準でのもみ合いとなりそうだ。
 
日米中銀会合が月末に迫っていることや、11月の米大統領選に対する不透明感の高まりなどを受けて、投機筋が引き続き円売りポジションを解消しているようだ。米商品先物取引委員会(CFTC)が公表した7月16日時点の円売りポジションは、差し引き15万1072枚と、過去2番目(07年6月、ネットで18万8077枚)の円売りポジション(18万4223枚)を記録した7月2日時点よりも3.3万枚減少した。今年1月の円売りポジションが5万枚台だったことから、ポジション調整はまだ続く可能性もある。決算発表のタイミングで円高が進むことで、円安を材料とした決算への期待感は低下するだろう。日経平均の重しとなりそうな状況だろう。
 
 
東証株価指数(TOPIX)は反落した。前引けは10.48ポイント(0.37%)安の2822.91だった。JPXプライム150指数は続落した。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆8384億円、売買高は7億8334万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1194。値上がりは385、横ばいは66だった。
 
 
業種別株価指数(33業種)は不動産業、鉱業、電気・ガス業などが下落。上昇は輸送用機器、精密機器、医薬品など。
 
ファストリや富士フイルムが安い。KDDIやソフトバンクグループ(SBG)が下落した。ホンダや三菱自、SUBARUが売られた。一方、アドテストや東エレクは高い。トヨタや中外薬が上昇した。
 
個別では売買代金断トツのディスコが下値模索、レーザーテックも軟調。ファーストリテイリングも売りに押される展開。日本郵船が利食われ、低調な第1四半期決算が嫌気されて三菱自動車工業は大幅安。長期金利の指標となる10年物国債利回りが1.07%まで上昇したことから住友不動産、東急不動産HDなど不動産株の一角が弱い。KOAが急落、ヤマシンフィルタなどの下げも目立つ。このほか、いすゞ、住友化学、アマダ、日立建機、シャープがさえない。
 
半面、第1四半期営業利益が市場予想を上振れたことからニデックが大幅高、東京エレクトロン、SCREENホールディングスもしっかり。持ち合い株の解消を通じた資本効率の改善期待からトヨタ自も上昇。ローツェも買いが優勢となった。古河電池が急騰、ヨシムラ・フード・ホールディングス、サンケン電気も値を飛ばした。イーグル工業も大幅高。
このほか、中外製薬、スクリーンHD、HOYA、あおぞら銀行、村田製作所、三菱電機が買われた。