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77円高と反発、4万円接近も上値重く
東京株式(前引け)=77円高と反発、4万円接近も上値重く
 
23日午前の日経平均株価は反発し、午前終値は前日比77円34銭(0.20%)高の3万9676円34銭だった。
 
きょう前場は広範囲に買い戻しの動きが表面化し日経平均株価は5日ぶりに切り返す展開となった。前日の欧州株市場が総じて高かったほか、米国株市場でも半導体関連がリバウンドに転じたことで、朝方はこの流れに追随してリスク選好の地合いを鮮明とした。しかし、買い一巡後は大型株中心に上値の重い展開を強いられている。半導体主力銘柄の一角が値を消し、投資家心理を冷やしている。
 
前日の米株式市場ではダウ工業株30種平均やナスダック総合株価指数など主要指数が反発した。バイデン米大統領が大統領選から撤退し、後継候補としてハリス副大統領を支持する意向を示した。共和党候補のトランプ前大統領の優位が揺らぐ可能性があり、トランプ氏の政策を巡る懸念が後退した。東京株式市場では直近の下げを主導していた東京エレクトロンやアドバンテストなどが上昇した。日経平均は前日に約1カ月ぶりの安値を付けており、自律反発を狙った買いも入りやすかった。
 
買い一巡後は伸び悩んだ。自民党幹部などから日銀の政策正常化に前向きな発言が出ており、日銀による追加利上げの思惑が相場の重荷となった。来週30〜31日に日銀の金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、政策発表を見極めたいとの雰囲気も強く、上値を追う動きは限られた。
 
為替は1ドル156円60銭台と朝方比では40銭ほど円高ドル安に振れている。月末に控えている日本銀行の金融政策決定会合に対する思惑で、長期金利の指標となる10年国債利回りは1.065%まで上昇。自民党の茂木幹事長が「段階的な利上げの検討も含めて金融政策を正常化する方針をもっと明確に打ち出す必要がある」と語ったと伝わった。岸田首相も「金融政策の正常化が経済ステージの移行を後押しする」と述べたもよう。与党幹部や首相の発言を受けて、月末の日銀会合に対する利上げ実施期待が高まった。後場も金融株中心にしっかりの展開となれば、半導体関連銘柄が高安まちまちでも日経平均は前日終値水準よりプラスを維持できると考える。
 
 

 
東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引けは12.99ポイント(0.46%)高の2840.52だった。JPXプライム150指数は反発した。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆7669億円、売買高は7億1346万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1219。値下がりは360、横ばいは67だった。
 
業種別では、海運業、銀行業、ゴム製品、不動産業、その他金融業などが上昇した一方、精密機器、電気・ガス業、鉱業、その他製品、食料品などが下落した。
 
個別では、今期純利益見通しの上方修正を発表した日本郵船、川崎汽船、商船三井など海運株が大きく買われた。また、金利上昇を受けて、三井住友トラストHD、T&Dホールディングス、みずほ、第一生命HDなど金融株が買われた。東京エレクトロン、KOKUSAI ELECTRICなどが上昇、ティーガイアが続急騰、ジャムコも大幅高。横浜ゴム、住友ファーマ、三井金が上昇。武蔵精密工業も値を飛ばした。
 
半面、レーザーテックが7日続落で年初来安値を連日で更新したほか、ローツェも安い。ソフトバンクグループも冴えない値動き。FPパートナーが大幅安となり、北越コーポレーションの下げも目立つ。コスモス薬品も利食われた。ルネサスエレクトロニクス、スクリーンHDなど半導体関連の一角も弱い。また、前日に続きHOYA、キーエンスがさえない。このほか、TOTO、オリンパス、日立造船、テルモが売られた。