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ダウは400ドル高、大型減税案の上院可決を好感
【市況】ダウは400ドル高、大型減税案の上院可決を好感

1日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸した。前日比400ドル17セント(0.90%)高の4万4494ドル94セントと2月中旬以来の高値で終えた。製薬や保険などこのところ株価の動きがさえなかった銘柄に買いが入り、相場を押し上げた。半面、ハイテク株には利益確定の売りが出やすかった。
 
この日は製薬大手が堅調でアムジェンは4%超、メルクは3%超それぞれ上伸。ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は2%超高となった。医療保険大手ユナイテッドヘルス・グループは4.5%高で引けた。日系証券筋は「このところ製薬株などはさえなかったが、新たな四半期を迎えて持ち高調整の買いが入った」と指摘した。
一方でエヌビディアは3%近く下げた。マイクロソフトは1%超安だった。ダウ構成銘柄以外では、テスラは5%超安と下げが目立った。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がトランプ米大統領の大型減税関連法案を再び批判し、憤慨したトランプ氏がマスク氏の手掛ける事業について、政府補助金を打ち切る可能性を示唆したことが重荷となった。
米労働省がこの日発表した5月の雇用動態調査(JOLTS)は、非農業部門の求人数が前月比37万4000件増の776万9000件となった。市場予想(730万件=同)を上回り、景気の先行きを巡る過度の懸念が和らいだ。
米上院は1日、大型減税を盛り込んだ法案を賛成51票、反対50票の賛成多数で可決した。下院で再び可決する必要があり、今後の動向が注目される。

米連邦議会上院は1日、トランプ減税の延長を柱とする減税・歳出法案を可決した。成立までは難航が想定されるものの、法案を巡る不透明感がひとまず後退したことは投資家心理を下支えした。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は1日に欧州中央銀行(ECB)主催の討論会に参加し、トランプ米大統領による関税政策の影響を見極めつつ慎重に利下げ時期を判断する考えを改めて示した。これまでの発言に沿った内容で、株式市場で材料視する動きは限られた。

メルクやナイキ、シャーウィン・ウィリアムズ、ジョンソン・エンド・ジョンソンも買われた。半面、IBMとウォルト・ディズニーは下げた。

ナスダック総合株価指数は7営業日ぶりに反落した。前日比166.844ポイント(0.81%)安の2万0202.889(速報値)で終えた。テスラの下げが目立った。最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏に対してトランプ氏が補助金の打ち切りを示唆し、事業の不透明感が意識された。

S&P500種株価指数は4営業日ぶりに反落し、前日比6.94ポイント(0.11%)安の6198.01で終えた。
 
 
 

【シカゴ日本株先物概況】
 
1日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比635円安の3万9660円で終えた。この日は日経平均株価が下落し、ハイテク株の比率が高い米ナスダック総合株価指数も下げたとあって、シカゴ市場の日経平均先物にも売りが優勢となった。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
 39660 ( -230 )
 
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39750 ( -140 )

( )は大阪取引所終値比








【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 
1日の英FTSE100種総合株価指数は反発し、前日比24.37ポイント(0.27%)高の8785.33で終えた。午後に製薬大手アストラゼネカ株が水準を急速に切り上げ、指数上昇に貢献した。素材や小売り関連に買いが優勢だった。
 
アストラゼネカ株の上昇は、同社の最高経営責任者(CEO)が上場先を米国に移したいと考えていると英タイムズ紙が報じたのがきっかけとなった。そのほか蒸留酒大手ディアジオが上昇。通信や公益に買いが入った。一方で米関税政策の成り行きを見極めたいとする投資家の慎重姿勢は根強く、相場の上値を抑えた。防衛関連や金融の一角が下げた。
 
FTSEの構成銘柄では、酒造大手ディアジオが3.75%高、ホテル大手ウィットブレッドが3.37%高、小売り大手JDスポーツ・ファッションが2.88%高と相場をけん引。一方、医療機器のコンバテックは5.69%安、航空機エンジン大手ロールス・ロイスは2.89%安、防衛大手バブコック・インターナショナル・グループは2.53%安と大きく下げた。




■ドイツ・フランクフルト株価指数
 
1日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比236.32ポイント(0.98%)安の2万3673.29で終えた。欧州市場では米関税政策の成り行きを見極めたいとする投資家の慎重姿勢が根強い。米国における減税・歳出法案の成立までの道のりが順調ではなさそうだとの見方も、投資家心理の重荷となった。
 
個別では、スポーツ用品大手アディダスが4.17%高、通販大手ザランドが4.04%高、製薬大手バイエルが3.62%高と上昇。半面、エネルギー大手シーメンス・エナジーは5.79%安、防衛大手ラインメタルは5.26%安、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズは4.19%安と売り込まれた。
 



■フランス・パリ株価指数
 
フランスの株価指数CAC40は小幅に続落し、前日比0.04%安で終えた。