123ドル高と続伸、早期利下げ期待が後退
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【市況】123ドル高と続伸、早期利下げ期待が後退 |
11日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比123ドル24セント高の4万4593ドル65セントで終えた。
2024年10〜12月期決算を同日発表したコカ・コーラなど一部の主力株に買いが入り、指数を支えた。ただ、米国の関税政策が世界経済に悪影響を与えることへの警戒は根強く、ダウ平均は下げる場面があった。
コカ・コーラが4.7%上昇した。10〜12月期決算で売上高と特別項目を除く1株利益が市場予想を上回り、好感した買いが入った。アップルも上げた。中国のアリババ集団と提携し、中国のスマートフォン向けに人工知能(AI)サービスを提供すると伝わり、買いが入った。
午前の取引でダウ平均は150ドルほど下げる場面があった。
米政権の関税政策を巡る不透明感は引き続き相場の重荷となった。トランプ大統領は10日、米国が輸入する鉄鋼とアルミニウムに対し、25%の追加関税を課す大統領令に署名し、物価高の再燃が懸念されている。今週は12日に1月の米消費者物価指数(CPI)、13日に1月の卸売物価指数(PPI)など重要な経済指標が発表される。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は11日の米連邦議会上院での議会証言で、金融政策について「スタンスの調整を急ぐ必要はない」との見解を改めて示した。
市場では「目新しい内容はなかったが、追加利下げに慎重な姿勢を保っていることが確認された」との受け止めがあった。12日朝発表の1月の米消費者物価指数(CPI)の内容を見極めたい雰囲気もあった。
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、アナリストが投資判断を「買い」で調査を始めたIBMが上昇した。JPモルガン・チェースやベライゾン・コミュニケーションズも高かった。半面、セールスフォースとハネウェル・インターナショナルが売られた。
ナスダック総合株価指数は反落した。前日比70.414ポイント(0.35%)安の1万9643.856(速報値)で終えた。テスラが6%あまり下落した。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)による米オープンAIの買収提案が経営の混乱につながることを警戒した売りが出た。ビッグデータ分析のパランティア・テクノロジーズも売られた。一方、メタプラットフォームズは17日続伸した。

11日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比145円高の3万9070円で終えた。この日は日本の株式市場が休みだったものの、NYダウ工業株30種平均が続伸するなど米株式相場が底堅く推移し、シカゴ市場の日経平均先物には買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
39070 ( +310 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39100 ( +340 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
11日の英FTSE100種総合株価指数は小幅に続伸した。前日比9.59ポイント(0.10%)高の8777.39で終え、連日で最高値を更新した。米関税政策を巡る不透明感は根強いものの、11日の米株式市場でダウ工業株30種平均が底堅く始まり、投資家心理を支えた。
トランプ米大統領は10日、鉄鋼・アルミニウム製品の輸入に25%の追加関税を課す大統領令に署名した。3月12日から適用する。ただ市場では、カナダとメキシコを対象とする関税で米政権が発動を1カ月延期した経緯を踏まえ「交渉は可能だ」との受け止めが聞かれる。
トランプ米大統領は10日、鉄鋼・アルミニウム製品の輸入に25%の追加関税を課す大統領令に署名した。3月12日から適用する。ただ市場では、カナダとメキシコを対象とする関税で米政権が発動を1カ月延期した経緯を踏まえ「交渉は可能だ」との受け止めが聞かれる。
FTSEの構成銘柄では、品質検査会社インターテックが3.14%高、生命科学分野などの専門的商品・サービスを提供するディプロマが2.58%高、小売り大手JDスポーツ・ファッションが2.34%高と上伸。半面、経営トップの交代が伝わった賭け屋大手エンテインが11.08%安と売り込まれ、再保険大手リーガル・アンド・ゼネラルが3.20%安、資源大手グレンコアが2.73%安で続いた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
11日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前日比126.09ポイント(0.57%)高の2万2037.83で終えた。連日で最高値を更新した。11日の米株式市場でダウ工業株30種平均が底堅く始まり、投資家心理を支えた。米関税政策の不透明感やドイツの長期金利上昇は重荷で、指数上昇の勢いは限られた。
個別では、業務用ソフトウエア大手SAPが2.41%高、総合電機大手シーメンスが1.78%高、ドイツ銀行が1.53%高と買われた一方、分子診断大手キアゲンは1.76%安、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループの持ち株会社ポルシェSEは1.65%安、高級車メーカーのポルシェも1.63%安と下げた。
個別では、業務用ソフトウエア大手SAPが2.41%高、総合電機大手シーメンスが1.78%高、ドイツ銀行が1.53%高と買われた一方、分子診断大手キアゲンは1.76%安、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループの持ち株会社ポルシェSEは1.65%安、高級車メーカーのポルシェも1.63%安と下げた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は続伸し、前日比0.28%高の8028.90と2024年6月上旬以来の高値で終えた。仏ソシエテ・ジェネラルなどの金融や半導体関連が上昇した一方で、欧州鉄鋼大手アルセロール・ミタルが下落した。