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反落125ドル安、利益確定売り優勢
【市況】反落125ドル安、利益確定売り優勢


6日のNYダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落し、前日比125ドル65セント(0.28%)安の4万4747ドル63セントで終えた。

7日に1月の米雇用統計が発表されるのを控え、主力株に利益確定売りが出た。決算を発表した一部銘柄に売りが膨らみ、米株相場の重荷となった。

1月の米雇用統計は、非農業部門就業者数が前月比17万人増と予想されており、伸びが減速する見通し。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策を占う指標の内容を見極めたいとの思惑から、積極的な取引が手控えられた。
トランプ米政権によるメキシコ・カナダからの輸入品への関税発動は先送りされたが、依然として先行きに不透明感がくすぶっている。市場参加者は「関税以外にも不確定要素が多いが、景気や企業業績も悪くないので、大きく売り込むような状況ではない」(日系証券)と分析する。

ダウ平均は取引開始直後に4万4966ドルに上昇し、昨年12月に付けた最高値(4万5014ドル)に接近した。その後は一転して利益確定や持ち高調整を目的とした売りが主力株に広がった。今回の雇用統計は米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースを見極める上で「重要な試金石になる」とされ、様子見の投資家が多かった。

個別ではハネウェル・インターナショナルが5%あまり下げて終えた。6日発表の2024年10〜12月期決算と同時に示した収益見通しがさえなかったうえ、会社分割の計画も公表した。ダウ平均の構成銘柄ではないが、決算を発表した英半導体設計のアーム・ホールディングスと半導体のクアルコムの下げも目立った。

ただ、ダウ平均は下値の堅さも意識された。英イングランド銀行(中央銀行)が6日に利下げを決めたことなどを背景に欧州主要国の株式相場が軒並み上昇した。これが投資家心理の悪化に歯止めをかけ、主力株への買いを誘った面がある。

ダウ平均の構成銘柄ではセールスフォースやIBM、ナイキのほかアムジェンにも売りが出た。半面、アナリストが買いの好機だと指摘したエヌビディアは上昇。JPモルガン・チェースとゴールドマン・サックスにも買いが入った。

ナスダック総合株価指数は3日続伸した。前日比99.661ポイント(0.50%)高の1万9791.991(速報値)で終えた。ビッグデータ分析のパランティア・テクノロジーズが上昇した。

 

 

【シカゴ日本株先物概況】

6日のシカゴ日経平均先物は小幅ながら上昇した。3月物は前日比15円高の3万8970円で終えた。この日は米株式相場が方向感を欠く展開だった一方で日経平均株価が上昇したため、シカゴ市場の日経平均先物にも買いがやや優勢となった。

シカゴ日経225先物 (円建て) 

38970 ( -120 )
 

シカゴ日経225先物 (ドル建て)

 39010 ( -80 )
 

( )は大阪取引所終値比







【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

6日の英FTSE100種総合株価指数は続伸した。終値は前日比103.99ポイント(1.20%)高の8727.28と、4営業日ぶりに最高値を更新した。

同日に英イングランド銀行(中央銀行)が公表した金融政策委員会の結果を受け、段階的ながら利下げが進むとの観測が広がったのも投資家心理を支えた。外国為替市場で英ポンドが対ドルなどで下げ幅を広げる場面があり、ポンド安が収益の追い風となる銘柄の買いにつながった面もあった。

FTSEの構成銘柄では、2024年10〜12月期の売上高が市場予想を上回った製薬大手アストラゼネカが5.93%高、産銅大手アントファガスタが5.22%高、鉱業大手アングロ・アメリカンが5.06%高と大きく上昇。他方、エネルギー大手SSEは3.27%安、エネルギー小売り大手セントリカは2.85%安、ロンドン証券取引所グループは2.77%安となった。




■ドイツ・フランクフルト株価指数

6日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸し、前日比316.49ポイント(1.46%)高の2万1902.42と4営業日ぶりに最高値を更新して終えた。欧州の主要企業の決算発表が相次ぐなか、個別の材料がある銘柄に買いが入った。フランスなど欧州の他の主要な株式相場の上昇とともに、ドイツ株にも買いが優勢となった。

個別では、化学大手BASFが7.24%高、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズが5.27%高、同社が6日発表した2024年10〜12月期決算は、売上高が市場予想を上回った。半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが5.10%高と相場をけん引。半面、防衛大手ラインメタルは5.66%安、分子診断大手キアゲンは3.21%安、電力大手RWEは2.20%安で引けた。





■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は反発し、前日比1.46%高で終えた。6日に24年10〜12月期決算を公表した欧州鉄鋼大手アルセロール・ミタルと仏金融大手ソシエテ・ジェネラルがともに前日比13%高となった。一方で仏電子機器大手タレス、電力大手エンジーが下げた。