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続落 一時3万7000円割れ 、米株安や権利落ちで
東京株式(前引け)=続落 一時3万7000円割れ 、米株安や権利落ちで
28日午前の日経平均株価は大幅に続落し、前引けは前日比788円31銭安の3万7011円66銭だった。下げ幅は800円を超え、取引時間中では14日以来2週間ぶりに節目の3万7000円を下回る場面があった。
 
トランプ米政権が輸入自動車に対する25%の追加関税を発表したことに対する影響が懸念されているほか、きょうは配当権利落ち日で日経平均株価は300円あまり押し下げられている。自動車株や半導体関連株などが安く、東証33業種全てが下落している。
 
トランプ米大統領は26日夕に輸入自動車への25%の追加関税を発表した。関税政策を巡る不透明感や貿易戦争への警戒もあり、27日の米株式市場で主要株価指数はそろって下落した。米自動車株の一角が大幅に下落し、すでに前日の取引で自動車の追加関税を織り込んでいたトヨタやホンダなど自動車株にも売りが続いた。米半導体株の下落を受けて値がさの東エレクやアドテストが売られたことも日経平均を押し下げた。
 
きょうは3月期末の配当の権利落ち日にあたる。QUICKの試算によると、配当権利落ちによってきょうの日経平均は300円あまりの下押し要因となる見通し。郵船やJFEなど高配当銘柄は権利を確保した投資家の換金売りも出た。東証の業種別株価指数は全ての業種が下落し、配当利回りの高い銘柄が多い「証券商品先物」や「鉄鋼」、「海運」の下げが大きかった。
 
総務省が朝方に発表した3月の東京都区部の消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除く総合指数の前年同月比の伸び率が市場予想を上回った。日銀は18〜19日に開いた金融政策決定会合での「主な意見」を公表し、政策委員からは「金融政策の姿勢を従来の緩和から中立に転換させる点も含めて検討していく必要性がある」との意見も示された。市場の一部で日銀の早期利上げの思惑が強まり、株売りに拍車をかけたとの見方もあった。
 
配当落ちに絡んだ225先物とTOPIX先物買いは合計で1兆8000億円ほど入るとの観測があるため、大引けにかけて日経平均やTOPIXは下げ幅を縮小する可能性はある。
 
一方、総務省が28日朝方に発表した3月の東京都区部の消費者物価指数では、生鮮食品を除く総合指数の前年同月比の伸び率が2.4%と市場予想(2.2%)を上回った。この結果を受けて、市場では日銀が利上げ姿勢を強める可能性があるとの声も浮上。国内金利の先高観が株の売り圧力を強める可能性もある。需給では下げ幅を縮小しそうな日経平均だが、押し目を狙うような積極的な買いは入りにくいと考える。

 
 
東証株価指数(TOPIX)は反落した。前引けは61.64ポイント(2.19%)安の2753.83だった。JPXプライム150指数は続落し、25.04ポイント(2.06%)安の1191.75で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆9345億円、売買高は8億3666万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1404。値上がりは176、横ばいは30だった。
 
全業種が下落したなか、証券・商品先物取引、海運、輸送用機器、鉄鋼、非鉄金属の下落が目立った。
 
個別銘柄では、米追加関税発動に伴い国内車産業が最大13兆円ほどの打撃をこうむると報じられたことも影響し、ホンダ、トヨタ自動車、マツダ、SUBARUなど自動車株が総じて下落したほか、日本郵船、川崎汽船、商船三井など海運株も弱い。ディスコやアドバンテスト、東京エレクトロンが安く、三菱UFJフィナンシャル・グループも軟調。このほか、野村、日本取引所グループ、大和証G、JFEホールディングス、三菱重工業、日本製鉄などが下落した。
 
一方、大塚ホールディングス、良品計画、イオン、JTなど権利取りが影響しないディフェンシブ銘柄の一角がしっかり。また、ネクソン、東宝、ディー・エヌ・エー、サンリオが高くなどエンタメ系銘柄も買われた。
他では、ベイカレントやトリドールホールディングスがしっかり。フジ・メディア・ホールディングスは大幅高となった。