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ダウ続落一時890ドル安、米長期金利の上昇が重荷
【市況】ダウ続落一時890ドル安、米長期金利の上昇が重荷

21日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比816ドル80セント安の4万1860ドル44セントで終えた。
 
財政悪化を巡る懸念から米長期金利が一段と上昇した。金利上昇が株式の相対的な割高感を高めるとの見方から株売りが膨らんだ。ダウ平均の下げ幅は一時890ドルを超えた。
 
米財務省がこの日午後に実施した20年債入札が不調で、債券需要の不透明感が意識され、入札結果公表後に米長期金利が上昇し、一時4.60%と約3カ月ぶりの高水準を付けた。
これをきっかけに「米国売り」への警戒感が再燃する中、30年債利回りおよび10年債利回りが急上昇し、株価を圧迫した。
トランプ米大統領は20日、与党共和党の下院議員会合に参加し、看板政策である大規模減税を含む法案の可決に向けて団結するよう求めた。法案を巡っては、債務増大を懸念する財政規律派が支出削減を主張しており、法案の下院通過は見通せない情勢。米政権の高関税政策で先行き不透明感が広がる中、財政赤字や債務膨張を加速させかねないとの懸念から投資家のリスク回避姿勢に拍車が掛かっている。
 
トランプ減税の恒久化を含めた大型法案の実現に向けて、与党・共和党の調整が続いている。共和党のジョンソン下院議長は21日、高税率州選出の議員と州税・地方税の控除拡大で合意したと明らかにした。ただ、財政規律を重視する議員らは歳出の一段の削減を求めており、法案成立に向けた不透明感が根強い。
 
ダウ平均の構成銘柄ではないが、小売りのターゲットが一時7%あまり下落した。21日朝発表の2025年2〜4月期決算で売上高が市場予想を下回った。26年1月期通期の収益見通しも下方修正した。トランプ米政権の関税政策が消費の落ち込みにつながっているとの見方が改めて意識された。ダウ平均では、ナイキやアメリカン・エキスプレスなどの消費関連が下げた。

そのほかのダウ平均の構成銘柄では、ユナイテッドヘルス・グループの下げが目立った。保険支払いを抑えるために介護施設に不正な報酬を支払っていたと伝わったうえ、アナリストによる投資判断の引き下げが重荷となった。スリーエム(3M)やアップルも売られた。

ナスダック総合株価指数は続落し、前日比270.071ポイント安の1万8872.643で終えた。
 

【シカゴ日本株先物概況】

21日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比700円安の3万6920円で終えた。この日は日米で株式相場が下落し、シカゴ市場の日経平均先物にも売りが優勢となった。







【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 
21日の英FTSE100種総合株価指数は小幅ながら5日続伸し、前日比5.34ポイント(0.06%)高の8786.46で終えた。終値として3月上旬以来、約2カ月半ぶりの高値を更新した。
 
英BAEシステムズやロールス・ロイス・ホールディングスなど防衛関連の銘柄に買いが優勢だった。英アストラゼネカなど製薬株の上昇も指数を支えた。一方でエネルギーが下落。
 
FTSEの構成銘柄では、産金大手フレスニロが4.23%高、防衛大手バブコック・インターナショナル・グループが3.49%高、産金大手エンデバー・マイニングが2.85%高と買われた。他方、米関税措置による業績悪化の可能性を警告した小売り大手JDスポーツ・ファッションは10.60%安と急落。蒸気システム大手スパイラックス・サーコが2.66%安、エネルギー大手SSEが2.36%安で続いた。
 



■ドイツ・フランクフルト株価指数
21日のドイツ株価指数(DAX)は5日続伸した。終値は前日比86.29ポイント(0.35%)高の2万4122.40と最高値を更新した。半導体のインフィニオンテクノロジーズやドイツの防衛大手ラインメタルが買われ、指数を支えた。貿易摩擦の影響による世界景気の減速懸念が根強いなかで利益確定の売りも出て、指数上昇の勢いは限られた。
 
個別では、20日、米エヌビディアと共同で人工知能(AI)データセンター向けの電力供給システムを開発すると発表した半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが2.26%高、通信大手ドイツテレコムが1.81%高、コメルツ銀行が1.43%高と上昇。半面、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズは1.75%安、不動産大手ボノビアは1.70%安、ヘルスケア大手フレゼニウスは1.16%安で終了した。



■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は反落し、前日比0.40%安で終えた。