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反発も米関税への警戒は重荷
東京株式(大引け)=反発も米関税への警戒は重荷
【大引け概況】
 
10日の日経平均株価は反発し、終値は前週末比14円15銭高の3万8801円17銭だった。
 
 
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前週末の欧米株市場がほぼ全面安となったことを受け、先物主導でリスクオフ一色となるかと思いきや、日経平均は底堅さを発揮した。米国では1月の米雇用統計やミシガン大学消費者態度指数などの経済指標を受け米長期金利が上昇したことが嫌気されたが、東京株式市場への影響は限定的だった。
注目された石破首相とトランプ米大統領による日米首脳会談は友好的なムードで、関税政策の発動などの強硬策がなかったことで過度な不安心理が後退。ただ、買い手掛かり材料にも乏しいなか、日経平均3万8800円台では戻り売りニーズも強く、結局前週末終値近辺で引けている。値上がり銘柄数と値下がり銘柄数は拮抗しており、やや値上がりが多いものの、TOPIXはわずかに安く引けている。
 
値がさの東エレクやアドテストなど半導体関連株が朝安後に持ち直し、日経平均を押し上げた。
決算発表を手掛かりに好業績の銘柄にも買いが向かった。前週末7日に今期の上方修正を発表した太陽誘電や24年4〜12月期決算が好調だったディーエヌエは制限値幅の上限(ストップ高水準)まで買われた。午後の取引時間中に今期の上方修正を発表した大林組とフジクラは一段高となった。

午後に上げ幅は一時100円を超えたが、積極的に上値を追う雰囲気は乏しかった。トランプ米大統領は日本時間10日朝、米国に輸入される鉄鋼・アルミ製品に25%の関税を課すと明らかにした。トランプ氏は貿易の相手国が米国製品にかけている関税を米国側も同じように課す「相互関税」の導入も検討しているとされる。
 
市場では「米国の関税政策への警戒に加え、国内金利が上昇傾向にあり、日銀が早期に追加利上げを決めるとの観測が強まっているのも株買いの勢いを鈍らせている」との見方があった。
東証株価指数(TOPIX)は続落した。終値は4.22ポイント(0.15%)安の2733.01だった。JPXプライム150指数は続落し、3.24ポイント(0.27%)安の1201.38で終えた。

東証プライムの売買代金は概算で4兆2299億円、売買高は19億9483万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は812。値下がりは778、横ばいは50だった。

 
業種別株価指数(33業種)は鉱業、パルプ・紙、非鉄金属などが上昇。繊維製品、卸売業、不動産業などが下落した。
 
個別では、フジクラ、SUMCOが上昇したほか、証券会社のポジティブなレポートを受けて、川崎重工が上昇。また、10-12月期は期待以上の収益水準になったDeNAがストップ高、第3四半期大幅増益決算を高評価されたぐるなびが急騰。村田製やSUMCOが上げた。このほか、太陽誘電、東亜建、日本シイエムケイなどが値上がり率上位となった。
 
一方、ホンダ、SUBARUなど一部の自動車関連は軟調に推移したほか、大成建設、第一三共、三菱重工、OLCなどが下落した。このほか、第3四半期累計2ケタ超の営業減益決算となった円谷フィHDや特別調査委員会の調査報告書を受領したサンウェルズが急落。鳥居薬品、メガチップス、高速などが値下がり率上位となった。シュッピン、プレミアグループなどの下げも目立った。