兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。

OCN版はコチラ

77円安と続落、高値警戒感から売り
東証プライム市場(前引け)=77円安と続落、高値警戒感から売り

 
28日午前の日経平均株価は続落し、前日比77円27銭(0.23%)安の3万3370円40銭で前場を終えた。
 
27日の米株式市場はNYダウが前週末比56.68ドル安と3営業日ぶりに反落した。相場が高値圏にあるなか、主力株を中心に目先の利益確定目的の売りに押される形となった。外国為替市場ではドル円相場が一時1ドル=148円ちょうど近辺まで軟化。米国株の下落と円高が相場の重荷となり、日経平均は小高く始まった後に下げに転じた。下げ幅は一時100円を超えたものの、米金利の低下を支えに、下値を模索する姿勢は限られた。
 
日本株が上値を追う材料に欠くなか、年初来高値圏で推移する足元の相場の高値警戒感も意識されやすかった。今週は相場の方向性を左右するイベントが少なく、国内機関投資家などによる利益確定売りがやや強まったことで日経平均は下げ幅を140円程度まで広げる場面もあった。
 
ただ、一方的な下値模索とはならなかった。市場では「海外勢による日本株の買い意欲は根強い」という見方もあった。
 
「日銀は春季労使交渉や個人消費などの動向を見極め、早ければ2024年前半にも(マイナス金利政策の)解除を判断する」と28日に日本経済新聞電子版が伝えた。24年前半の解除判断は市場のコンセンサスに沿った内容で売り材料視する動きは限られた半面、ニトリHDに代表される円高メリット銘柄の一角に買いが集まった。
 
後場も手掛かりが少なく、こう着感の強い展開が続きそうだ。本日は配当権利付き最終日となっており、人気の株主優待銘柄を見直すのも一手ではないだろうか。
また、米国では11月CB消費者信頼感指数が控えている。11月については金利上昇や政治情勢の悪化などの影響が残されており、信頼感指数が低下する可能性もあるため、これを見極めたいとする向きもあるだろう。
 
 
東証株価指数(TOPIX)は10.63ポイント安の2371.13とJPXプライム150指数は続落した。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆6158億円、売買高は6億1608万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は793と、全体の約48%だった。値上がりは799銘柄、変わらずは66銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は空運業、海運業、証券・商品先物取引業、保険業などが下落。上昇はパルプ・紙、鉱業など。
 
 
個別では、トヨタ自動車やデンソーが売られ、ダイキン、TDK、日立製作所、ファナック、資生堂が軟調推移。LINEヤフーが続落。アシックスが水準を切り下げ、シャープの下げが目立つ。
 
半面、レーザーテック、アドバンテスト、ファストリ、スクリンが底堅く、ニトリホールディングスと日本製紙がしっかり。双日とさくらインターネットが急伸した。