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215円安と続落、円高で輸出関連株に売り優勢
東証プライム市場(前引け)=215円安と続落、円高で輸出関連株に売り優勢

4日午前の日経平均株価は続落し、前週末比215円46銭(0.64%)安の3万3216円05銭で前場を終えた。
 
きょう前場は売り優勢の地合いとなった。前週末の欧州株市場が全面高に買われたほか、米国株市場でも主要株価指数が揃って上昇、NYダウは連日で年初来高値を更新するなど好調だった。しかし、米長期金利低下を背景に外国為替市場でドル安・円高が進行し、東京株式市場では自動車をはじめ輸出セクター中心に向かい風となった。日経平均の下げ幅は朝方に一時400円を上回る場面もあったがその後は下げ渋った。
 
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は1日に米大学のイベントであいさつし、政策運営を慎重に進める姿勢を示した。これを受けて利上げ局面の終了観測が一段と強まり、同日の米債券市場で長期金利は4.19%と、3カ月ぶりの低水準をつけた。週明けの東京外国為替市場では日米金利差の縮小を意識した円高・ドル安が進み、円は1ドル=146円台前半と約3カ月ぶりの高値をつけた。トヨタやデンソー、ホンダなどに売りが優勢となり、日経平均を押し下げた。日産自やマツダの下げも目立った。
 
日経平均が節目の3万3000円に接近する場面では押し目買いも入りやすく、株価指数先物主導で下げ幅を縮小する場面もみられた。金利低下を追い風にレーザーテクが上昇したほか、円高メリット銘柄であるニトリHDも買われた。
 
後場の日経平均も軟調推移が続くか。東京証券取引所が11月30日に発表した11月第4週(11月20-24日)の投資部門別売買動向では、海外投資家は現物で5週ぶりに売り越しに転じた。日経平均先物ベースでも3週ぶり、TOPIX先物でも4週ぶりの売り越しとなっており、日本株に対するアプローチが後退していることも懸念されている。
 

 
東証株価指数(TOPIX)は18.60ポイント安の2363.92と、反落して午前の取引を終えた。JPXプライム150指数も反落した。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆8152億円、売買高は6億8623万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は881と、全体の約53%だった。値上がりは722、変わらずは55銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は輸送用機器、鉱業、銀行業、パルプ・紙などが下落。上昇は海運業、不動産業など。
 
個別ではトヨタ自動車が軟調、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも値を下げた。東京エレクトロン、アドバンテストなども売りに押された。ダイキン、第一三共が下落した。このほか、日東紡績、サイバーエージェントなどの下げが目立つ。
 
半面、レーザーテックが高く、川崎汽船など海運株の上昇が顕著に。SCREENホールディングスも高い。トレンドマイクロが物色人気となり、セレス、バリューコマースが大幅高に買われた。TDK、クレセゾンが上昇した。