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349ドル安、最高値更新で利益確定売り
【市況】349ドル安、最高値更新で利益確定売り


25日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前週末比349ドル27セント安の4万5282ドル47セントで終えた。

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は22日の講演で、9月利下げの可能性に含みを持たせた。金融緩和再開によって米景気が支えられるとの期待感が広がり、同日のダウ平均終値は昨年12月以来約8カ月半ぶりに最高値を塗り替えた。今月に入ってから同日までのダウ上げ幅は1500ドルに達したことから、相場の過熱感が意識され、金融株など幅広い銘柄に売りが出やすい地合いだった。

 エヌビディアは1.0%高。27日に5~7月期決算発表を控える中、生成AI(人工知能)成長期待に伴う半導体需要が底堅いとの見方から買われた。

市場では9月に利下げが始まるとの見方が多く、同日のダウ平均は846ドル高と大きく上昇。8カ月半ぶりに最高値を更新した。25日は高値警戒感が意識され、主力株に目先の利益を確定する売りが出た。

利下げ期待が高まる一方、トランプ米大統領の関税政策が今後、本格的にインフレ圧力を高めるとの警戒は根強い。トランプ氏は22日夕、輸入家具に分野別関税をかけるための調査に着手したと発表した。ダウ平均の構成銘柄ではないが、ウェイフェアやRHなど輸入家具を販売する銘柄に売りが出て投資家心理の重荷になった。

米債券市場では金融政策の影響を受けやすい2年債の利回りが8月に入り大きく低下した一方、20年債や30年債といった年限の長い債券の利回りはほぼ横ばいとなっている。「インフレ懸念が映し出されている」との指摘がある。FRBが利下げを急ぐかどうかは今後の雇用・物価指標を見極める必要があるとの指摘もある。

ダウ平均の構成銘柄ではメルクやアムジェン、コカ・コーラが下げた。シャーウィン・ウィリアムズとプロクター・アンド・ギャンブルも下落した。半面、エヌビディアが上昇した。決算で人工知能(AI)向け半導体の販売拡大が確認できるとの期待がある一方、収益見通しを見極めたいとの声がある。ナイキも買われた。

ナスダック総合株価指数は反落した。前週末比47.243ポイント(0.21%)安の2万1449.292で終えた。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とクアルコムが下げた。

 

【シカゴ日本株先物概況】

25日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前週末比425円安の4万2540円で終えた。この日は前週末に最高値を更新した米ダウ工業株30種平均が下落するなど米株式相場が軟調に推移したため、シカゴ市場の日経平均先物には売りが優勢となった。

 

シカゴ日経225先物 (円建て)

42540 ( -230 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)

42550 ( -220 )

( )は大阪取引所終値比







【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

英国市場はサマー・バンクホリデーの祝日のため休場だった。



■ドイツ・フランクフルト株価指数

25日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反落し、前週末比89.97ポイント(0.36%)安の2万4273.12で終えた。前週末に米国の利下げ観測を背景に上昇していた後で、持ち高調整の売りが優勢となった。ドイツIfo経済研究所が25日発表した8月の独企業景況感指数は市場予想を上回ったものの、相場への影響は限られた。

DAXの構成銘柄では、医薬大手メルクが1.92%安、化学品商社ブレンタークが1.60%安、製薬大手バイエルが1.58%安と下げを主導。半面、防衛大手ラインメタルは1.69%高、ドイツ銀行は0.35%高、ドイツ取引所は0.31%高となった。

 




■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数であるCAC40は反落し、前週末比1.58%安で終えた。

CACでは、建設大手バンシが5.81%安、同業ブイグが4.50%安、保険大手アクサが3.83%安と急落。一方、半導体大手STマイクロエレクトロニクスは0.41%高、鉄鋼大手アルセロール・ミッタルは0.24%高、高級ブランド大手ケリングは0.20%高で取引を終えた。