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反落 4万円割れ、短期的な過熱感を警戒
東京株式(大引け)=反落 4万円割れ、短期的な過熱感を警戒
【大引け概況】

1日の日経平均株価は6営業日ぶりに反落し、終値は前日比501円06銭安の3万9986円33銭だった。3営業日ぶりに心理的節目の4万円を下回って終えた。
 
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きょうは利益確定の動きが顕在化し、主力株の一角に売りが目立った。前日の米国株市場ではNYダウなど主要株価指数が揃って上昇し、ナスダック総合株価指数とS&P500指数は最高値更新が続くなど、強い地合いを継続したが、東京株式市場ではこれを引き継ぐことができなかった。
前日までの5営業日で日経平均は2000円以上の上昇をみせていたことで、目先高値警戒感が重荷となった。機関投資家による益出し売りが観測されたほか、日経平均寄与度の高い値がさ株の一角にインデックス売りがかさむなど、先物絡みで下げ幅を広げている。朝方発表された6月の日銀短観は前回3月調査から改善傾向が確認されたが、これを特に好感する動きは見られなかった。日経平均は終値で500円あまりの下げとなり、フシ目の4万円大台を割り込んだ。
 
日経平均は前日までの5日続伸で、チャート上では過去25営業日の移動平均に比べ「買われすぎ」の目安となる5%を超え、短期的な過熱感が高まっていた。6月に上昇が目立った東京エレクトロンやレーザーテクなど半導体関連の一角に売りが目立った。
 
需給要因も相場の重荷だった。きょうから7月相場入りで、国内の機関投資家が四半期の初めに持ち高の評価益を実現益にする「益出しの売り」が膨らんだとの見方があった。市場では「きょうは1日かけて益出しの売りが続いた可能性がある。7月は上場投資信託(ETF)の分配金捻出に伴う換金売りも出るため、来週にかけ需給面の要因が逆風となりやすい」との指摘が聞かれた。
 
日経平均は下げ渋る場面もあった。午後に国内債券市場で長期金利が低下したことで、金利と比べた株式の割高感が薄れたことに伴い、日本株の先高観に着目した投資家からの資金が流入した。日銀が取引開始前に発表した2025年6月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)で大企業・製造業はプラス13と、前回3月調査のプラス12から改善した。日本経済の底堅さに着目した買いも入った。


 

 
東証株価指数(TOPIX)は6営業日ぶりに反落した。終値は20.77ポイント(0.73%)安の2832.07だった。JPXプライム150指数は6営業日ぶりに反落し、14.16ポイント(1.12%)安の1245.01で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で4兆6031億円、売買高は18億5133万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1094。値上がりは482、横ばいは51だった。
 
業種別株価指数(33業種)はその他製品、サービス業、医薬品、精密機器などが下落。上昇は電気・ガス業、その他金融業など。
 
個別では、売買代金首位となったレーザーテックが安く、同2位のディスコも冴えない。東京エレクトロンも売りに押された。サンリオが売られたほか、任天堂も軟調。ファーストリテイリングの下落が目立ったほか、リクルートホールディングスも大きく水準を切り下げた。また、三菱UFJFGや三井住友FGなどの金融株のほか、トヨタ自動車、ソニーグループ、サンリオ、任天堂、日立などが下落した。ほか、調査報告書受領や決算訂正を発表したACCESSが急落、GMOインターネット、gumi、ダブル・スコープなどが値下がり率上位となった。
 
 半面、フジクラが物色人気となり、アドバンテストも堅調。ソフトバンクグループは頑強な値動きで目を引いた。川崎重工業や三菱重工業、IHIなどの防衛関連の一角が堅調に推移した。良品計画、フジクラ、東京電力HD、古河電工、三菱電機などが上昇した。千葉興業銀行、日本コンセプトがストップ高に買われ、東京電力ホールディングスも物色人気となった。また、業績上方修正に加えて増配や自社株買いも発表した象印マホービンが急騰、千葉興業銀行、日本コンセプト、東洋エンジニアなどが値上がり率上位となった。