422ドル安と反落、トランプ関税懸念で
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【市況】422ドル安と反落、トランプ関税懸念で |
7日のNYダウ工業株30種平均は反落し、3連休前の3日に比べ422ドル17セント安い4万4406ドル36セントで終えた。トランプ米大統領が7日、日本と韓国に25%の関税を課すと表明した。米政権の貿易政策が世界景気の冷え込みにつながるとの懸念から主力株に売りが出た。
トランプ氏はこの日、日本と韓国からの輸入品に25%の関税を課すと発表。南アフリカやマレーシアなどにも関税率を通知した。6日には中国やロシアなどの新興国グループ「BRICS」に同調する国に対し、10%の関税を上乗せすると表明していた。世界経済の先行きへの不安から幅広い銘柄が売られた。
4月に公表した24%の対日関税とほぼ同水準になり、米国と貿易相手国の交渉次第で世界経済への悪影響が限定的になるとの楽観が後退した。関税は8月1日から適用するとした。
直近の株高を受けて利益確定の売りも入りやすかった。関税の影響で米国内で物価が上がるとの見方から米長期金利が上昇したことも株価を下押しした。
ダウ平均の下げ幅は一時668ドルに達した。
S&P500種株価指数とハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は前週末に最高値を更新していた。相場の過熱感や割高感が意識されていたところに関税のニュースが飛び込み、投資家が利益確定や持ち高調整の売りを急いだ面がある。
シャーウィン・ウィリアムズやゴールドマン・サックス、トラベラーズが下落した。アムジェンとアップルも売られた。半面、ボーイングとウォルマートは上昇した。
ナスダック総合株価指数は反落した。前営業日比188.586ポイント(0.91%)安の2万0412.515で終えた。テスラの下げが目立った。最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏が新党「アメリカ党」を立ち上げると表明し、テスラの経営がおろそかになると懸念された。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株も下げた。
S&P500種株価指数は反落し、前営業日比49.37ポイント(0.78%)安の6229.98で終えた。

7日の日経平均先物は下落した。9月物シカゴは3連休前の3日に比べ660円安の3万9460円で終えた。この日はトランプ米大統領が日韓に25%の関税を課すなど貿易相手国に新たな関税率を表明したことで世界景気の不透明感が増し、米株式相場が下落。シカゴ市場の日経平均先物にも売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
39460 ( -80 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39540 ( 0 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
7日の英FTSE100種総合株価指数は小幅に下落し、前週末比16.38ポイント安の8806.53で終えた。米政権が4月に提示した相互関税について、上乗せ分の猶予期限が9日に迫る。トランプ米大統領が7日に新たな関税率を通知する書簡を貿易相手に送る考えを示したことも重なり、投資家が警戒を強めた。
7日の欧州市場でドイツやフランスなどの株式相場が上昇したのは投資家心理を支えた。
FTSE100種指数は前週末比で上昇に転じる場面があるなど明確な方向感を欠いた。
FTSEの構成銘柄では、プライベート・エクイティ会社3i(スリーアイ)グループが3.32%高、防衛大手バブコック・インターナショナル・グループが2.61%高、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が2.37%高と上昇。一方、石油大手シェルは2.85%安、小売り大手JDスポーツ・ファッションは2.40%安、石油大手BPは1.98%安と売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
7日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前週末比286.22ポイント(1.20%)高の2万4073.67と約1カ月ぶりの高値で終えた。
米政権が4月に提示した相互関税について、上乗せ分の猶予期限が9日に迫る。投資家は警戒を強めてはいるものの、今のところ悲観に傾いているわけではない。7日発表された5月のドイツ鉱工業生産指数が市場予想を上回ったのも、投資家心理を支えた。
個別では、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズが2.94%高、防衛大手ラインメタルが2.74%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーが2.57%高と相場をけん引。半面、医薬大手メルクは1.71%安、分子診断大手キアゲンは1.26%安、電力大手RWEは1.24%安で終了した。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は反発し、前週末比0.35%高で終えた。