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778円安と大幅続落、米景気減速懸念で
東京株式(前引け)=778円安と大幅続落、米景気減速懸念で

 
9日午前の日経平均株価は大幅に続落し、午前終値は前週末に比べ778円15銭(2.14%)安の3万5613円32銭だった。
 
きょう前場はリスク回避の流れが強まった。前週末の米国株市場では8月の米雇用統計を受け売り優勢となり、ハイテク株中心に売り込まれナスダック総合株価指数の下げが目立った。東京株式市場でも幅広い銘柄で売りが優勢となった。日経平均の下げ幅は一時1100円を超えた。取引時間中としては約1カ月ぶりに3万5000円台となった。
 
前週末6日の米株式市場ではこの日発表の8月の米雇用統計が労働市場の軟化を示す内容と受け止められて、米景気減速への懸念からダウ工業株30種平均が続落。ハイテク株中心のナスダック総合株価指数は2.5%、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)も4.5%を超えてそれぞれ下落した。きょうの東京市場でもアドバンテストなど半導体関連株が軒並み売られた。値がさの東京エレクトロンは年初来安値を更新し、日経平均を押し下げた。
 
ただ、前引けにかけて日経平均は下げ幅を縮小した。東京外国為替市場で円相場が1ドル=142円台後半まで下落したことで、投資家心理がやや改善した。市場では「日経平均は前週に約6%下落しており、下げ方が急だったので、きょうは下げ幅が縮小する可能性もあるのではないか」との指摘があった。
 
日経平均を対象としたオプション価格から算出する日経平均ボラティリティーインデックス(VI)は一時、41まで上昇し、投資家の不安心理が高まる目安とされる20を大幅に上回った。市場では「目先は上下ともにボラティリティー(変動率)の高い展開が続きそう」との声もあった。
 
後場の東京株式市場は、売り手優位の状況が続きそうで、日経平均も軟調な展開を想定しておきたい。米国の弱めの雇用統計を受けて景気減速懸念が再燃しているほか、中国の景気減速懸念も重石となっている。中国で本日発表された物価指標では、8月の消費者物価指数(CPI)の伸びが加速する一方で、生産者物価指数(PPI)は引き続き下落した。アジア市況もさえない値動きで、為替の円高基調を受けて積極的に買い戻す動きは想定しにくく、後場の日経平均はマイナス圏での推移が継続しそうだ。
 
 
 

 
東証株価指数(TOPIX)は続落した。前引けは51.78ポイント(1.99%)安の2545.64だった。JPXプライム150指数も続落し、23.07ポイント(1.99%)安の1134.51で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆331億円、売買高は9億4614万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1326。値上がりは282、横ばいは36だった。
 
業種別では、輸送用機器、保険業、銀行業、鉱業などを筆頭に東証33業種全てが下落した。
 
個別では売買代金上位3傑を占めているレーザーテック、ディスコ、東京エレクトロンなど半導体製造装置大手が軒並み大きく株価水準を切り下げている。
また、トヨタ自やホンダなどの自動車関連株、三菱商事や三井物産などの商社株、川崎船や日本郵船などの海運株も軒並み下落。三菱重工業が安く、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクも値を下げた。ファーストリテイリングも下値を探る展開に。シュッピンが急落、レノバの下げも目立つ。ソフトバンクG、ソニーG、リクルートHDなども下落した。ほか、8月の月次増収率鈍化をマイナス視されたシュッピンが急落、フクシマガリレイ、エイチームなどが値下がり率上位となった。
 
半面、メルカリが堅調、セブン&アイ・ホールディングスも買いが優勢だった。さくらインターネットがしっかり。ミガロホールディングスが大幅高、日本駐車場開発も商いを伴い上昇した。MonotaROなどが上昇した。ほか、第1四半期の営業利益が前年同期比で倍増した日本ハウスHD、大幅増配計画などをポジティブ視された日本駐車場開発、オアシスが大株主に浮上したセーレンなどが大幅高、能美防災などが値上がり率上位となった。