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76円高、円安に加え値頃感の買いで反発
東京株式(前引け)=76円高、円安に加え値頃感の買いで反発

 
20日午前の日経平均株価は反発し、午前終値は前日比76円37銭高の3万8889円95銭だった。
 
前日のNYダウは15ドル高と小幅だが11日ぶりに上昇に転じた。また、足もとで円安が進行していることも好感された。為替相場は一時1ドル=157円90銭台と7月中旬以来、5カ月ぶりのドル高・円安水準をつけた。日経平均株価は前日まで5日続落し値頃感も台頭していたことから底堅く推移し一時3万9000円台を回復する場面があった。自動車や不動産、石油株などが高い。
 
日銀は19日まで開いた金融政策決定会合で、政策金利を0.25%程度に据え置くと決め、植田和男総裁は会合後の記者会見で「利上げ判断に至るには、もう1ノッチ(段階)ほしい」と述べた。日銀が追加利上げに慎重になっているとの見方が強まり、円売り・ドル買いが進んだ。海外事業比率の高い銘柄の業績上振れが意識され、 トヨタやTDK、ソニーGなど外需関連株の一部に買いが入った。日銀の追加利上げの思惑が後退し、住友不や菱地所など不動産株の上昇も目立った。
 
前日までの5日続落で1000円あまり下落していたとあって、自律反発を見込んだ買いも入りやすかった。このところ下げが目立っていた東エレクは朝安後に上昇に転じた。もっとも、前日の半導体株安が重荷となってアドテストやディスコは朝方から安く、日経平均の重荷となった。ソフトバンクグループ(SBG)も下落し、日経平均は小幅ながら下げに転じる場面もあった。
 
為替は1ドル157円台と円安ドル高推移が強まっていたが、朝方、加藤財務大臣による軽い口先介入を受けて円安基調は一服した。日米中銀会合を通過するなど重要イベントをこなしたこともあり、東京市場は商いが徐々に減少しそうだ。海外の機関投資家はクリスマス休暇入りしていることから、後場の日経平均は前日終値水準で方向感に乏しい展開となると考える。

 
 
東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引けは3.07ポイント(0.11%)高の2716.90だった。JPXプライム150指数は反発し、4.36ポイント(0.36%)高の1208.01で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆1923億円、売買高は11億509万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は945。値下がりは628、横ばいは67だった。
 
 
業種別では、不動産業、石油・石炭、輸送用機器、建設、サービスなどが上昇した一方、銀行、その他製品、空運、精密機器、電気・ガスなどが下落した。
 
個別銘柄では、日銀の「ハト派」方針を材料に、住友不動産、三菱地所、東急不HD、三井不動産など不動産株の上げが目立ったほか、KADOKAWAの株を10%保有する筆頭株主となると発表したソニーグループは買われた。トヨタ自動車やホンダが高く、川崎重工業や東京エレクトロン、ソニーグループが値を上げた。ENEOSホールディングスが買われた。
 
半面、ディスコや三菱重工業、アドバンテストが値を下げた。ソフトバンクグループやセブン&アイ・ホールディングスも安い。KADOKAWAは買収プレミアムがはく落しストップ安売り気配。りそなHD、三菱UFJ、コンコルディア、みずほ、ふくおか、三井住友など銀行株の下げが目立ったほか、第一生命HDも売られた。このほか、TOPPANホールディングス、HOYA、IHI、資生堂なども下落した。