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3日ぶり反発484ドル高、大幅安受け買い戻し
【市況】3日ぶり反発484ドル高、大幅安受け買い戻し

9日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前週末比484ドル18セント(1.20%)高の4万0829ドル59セントで終えた。
 
雇用減速などに対する警戒感から、ダウの下げ幅は前週、1200ドルを超えた。大きく売られていたことから買いが入りやすい地合いだったため、金融株やハイテク株など幅広い銘柄が上伸。ダウの上げ幅は一時650ドルを超えた。
11日には8月の米消費者物価指数(CPI)の発表が控えている。引き続きインフレが緩和に向かっているかどうか見極めたいとの思惑から様子見ムードも漂ったほか、米IT大手アップル株が足かせとなり、ダウ上昇の勢いが弱まる場面があった。
 
6日発表の8月の米雇用統計は雇用者数の伸びが市場予想を下回った一方で失業率が改善するなど強弱の入り交じった内容だった。「雇用の状況はまだそれほど悪くない」との見方も根強く、投資家心理の悪化に歯止めがかかった。
 
米連邦準備理事会(FRB)は17〜18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決める公算が大きい。利下げ幅の予想は0.25%と0.5%で割れているものの、金融緩和が景気を支えるとの観測は株買いにつながった。
 
ダウ平均は買い一巡後に上げ幅を縮小した。11日には8月の米消費者物価指数(CPI)が発表される。利下げのペースを見極める上で雇用指標に並んで注目度が高く、持ち高を一方向に傾ける動きは限られた。
 
個別ではボーイングの上昇が目立った。労働組合との間で新しい労働協約に暫定合意したと8日に発表し、買い安心感が広がった。ベライゾン・コミュニケーションズやトラベラーズ、アメリカン・エキスプレスも買われた。9日午後に新型スマートフォン「iPhone16」を発表したアップルは小幅高で終えた。半面、メルクやナイキ、ユナイテッドヘルス・グループが下げた。
 
ナスダック総合株価指数は反発した。前週末比193.771ポイント(1.16%)高の1万6884.603で終えた。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株のほか、テスラが上昇した。
 
NYダウ    40829.59 ( +484.18 )
S&P500    5471.05 ( +62.63 )
NASDAQ  16884.60 ( +193.77 )
米10年債利回り  3.700 ( -0.010 )

NY(WTI)原油   68.71 ( +1.04 )
NY金      2532.7 ( +8.1 )
VIX指数    19.45 ( -2.93 )

 
 

【シカゴ日本株先物概況】
 
9日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前週末比960円高の3万6215円で終えた。
NYダウ平均は、前週に大きく値を下げた反動から買い戻しが入り、3営業日ぶりに反発した。
この日は日経平均株価が下落したものの、米株式相場の大幅上昇を背景にシカゴ市場の日経平均先物は買いが優勢となった。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て) 
36215 ( -25 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)
36230 ( -10 )

( )は大阪取引所終値比







【欧州株式市場】
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8270.84(+89.37)

 
9日のFTSE100種総合株価指数は7営業日ぶりに反発し、前週末比89.37ポイント(1.09%)高の8270.84で終えた。米経済減速への過度な懸念が後退した。米中景気の不透明感などが重荷となり、このところ進んでいた原油先物相場の下落が一服したのも投資家心理を支えた。

英HSBCホールディングスなど銀行株や、英シェルといったエネルギー株が上昇した。航空機エンジン大手ロールス・ロイス・ホールディングスをはじめとする資本財関連や、飲食料品・たばこなど幅広い業種・銘柄に買いが入った。

FTSEの構成銘柄では、9日に2024年7〜9月以降の売上高について明るい見通しを示したことが支援材料となったエンテインが5.29%高と上昇率トップ。投資会社メルローズ・インダストリーズが4.15%高、生命科学分野などの専門的商品・サービスを提供するディプロマが2.93%高と続いた。

一方、高級衣料のバーバリーが4.86%安、教育・メディア大手ピアソンが1.40%安だった。
 
 


■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18443.56(+141.66)

9日のドイツ株価指数(DAX)は5営業日ぶりに反発し、前週末比141.66ポイント(0.77%)高の1万8443.56で終えた。欧米景気の先行き不透明感などを背景に前週末までに相場水準を切り下げていたため、目先の自律反発を期待した買いが入った。市場の関心が今週後半の欧州中央銀行(ECB)理事会に移るなかで、ECBが追加利下げを決めるとの見方が支えとなった。

個別では、医療機器のザルトリウス(6.23%高)やエネルギー大手シーメンス・エナジー(3.19%高)、分子診断大手キアゲン(2.50%高)などが買われた半面、スポーツ用品大手アディダス(3.04%安)や医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズ(0.87%安)などが売られた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7425.26(+72.96)

フランスの株価指数CAC40は5営業日ぶりに反発し、前週末比0.99%高で終えた。エネルギー大手トタルエナジーズ・エナジーズや産業ガスの仏エアリキード、電機大手シュナイダー・エレクトリックが上昇した。高級ブランド「グッチ」を抱える仏ケリングなど消費関連の一角には売りが出た。