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ダウ3日連続最高値、「トランプ関税」注視
【市況】ダウ3日連続最高値、「トランプ関税」注視


26日のNYダウ工業株30種平均は5日続伸した。前日比123ドル74セント(0.27%)高の4万4860ドル31セントで終え、連日で最高値を更新した。

26日午前発表の経済指標が米景気の底堅さを示し、主力株の一角に買いが入った。半面、関税への懸念が重荷となり、ダウ平均は一時300ドル超安まで下げた。

ただ、トランプ氏は関税を各国との交渉材料に使うとみられ、「最終的には表明されているよりも低い水準で落ち着く」(日系証券)との楽観が広がったほか、関税の影響が小さいと見込まれているIT大手などに買いが入り、ダウはプラス圏で取引を終えた。

米バイオ医薬品大手アムジェンは、肥満症治療薬の治験結果が投資家の期待に届かず、4.8%安とダウで最大の下げ幅を記録した。ダウの構成銘柄ではないが、メキシコなどでの生産割合が高い米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)などが売られた。

26日午前発表の11月の米消費者信頼感指数は111.7と、10月(109.6)から改善し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(111.0)を上回った。米景気の底堅さを示したとの見方からハイテク株や景気敏感株などに買いが入った。

市場では「財務長官に指名されたスコット・ベッセント氏がトランプ氏の政策を穏健なものにするとの期待が続いている」との指摘があった。

取引開始直後は主力株に売りが先行した。トランプ氏は25日、中国からの輸入品に10%の追加関税をかけ、メキシコとカナダに対して25%の関税を課すと表明した。対象地域から部品を調達したり、製品を輸入したりしている製造業にとってはコストの増加につながる。ダウ平均の構成銘柄ではないが、メキシコなどに生産拠点を持つゼネラル・モーターズは9%安で終えた。

トランプ氏は大統領選の期間中から関税強化を主張していた。市場では「予想されていたことで大きな驚きではない」との受け止めもあり、売り一巡後は主力株に買いが優勢となった。

米連邦準備理事会(FRB)が26日午後に公表した6〜7日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、参加者が経済の見通しが想定通りに推移すれば、段階的な利下げが適切だとの考えを示した。市場では「利下げに前向きなハト派の内容だった」との指摘があり、株式相場を支えた面があった。

ダウ平均の構成銘柄では、アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトが上昇した。スリーエムとウォルマートも高い。半面、開発中の肥満治療薬候補の減量効果が市場の見込みに届かなかったアムジェンが下げた。ナイキとボーイングも売られた。

ナスダック総合株価指数は4日続伸した。前日比119.462ポイント(0.62%)高の1万9174.297で終えた。メタプラットフォームズやエヌビディアが上昇した。

S&P500種株価指数は7日続伸した。前日比34.26ポイント(0.57%)高の6021.63で終え、11日以来の最高値更新となった。



NYダウ    44860.31 ( +123.74 )
S&P500    6021.63 ( +34.26 )
NASDAQ  19174.30 ( +119.46 )
米10年債利回り  4.293 ( +0.008 )

NY(WTI)原油   68.77 ( -0.17 )
NY金      2621.3 ( +2.8 )
VIX指数    14.10 ( -0.50 )

 

【シカゴ日本株先物概況】

26日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比465円安の3万8330円で終えた。この日はNYダウ工業株30種平均が最高値を更新するなど米株式相場が上昇したものの、日経平均株価が下落したこともあり、シカゴ市場の日経平均先物には売りが優勢となった。
 

シカゴ日経225先物 (円建て)
38330 ( -160 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38355 ( -135 )

( )は大阪取引所終値比





【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

26日の英FTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前日比33.07ポイント(0.39%)安の8258.61で終えた。米国のトランプ次期大統領がメキシコとカナダ、中国に対する関税を強化する方針を示し、投資家心理を冷やした。欧州や中国の経済の先行き不透明感が意識された。

アルミニウムや銅など非鉄金属の先物相場が下落し、スイスのグレンコアや英豪リオティントといった資源株に売りが優勢だった。

FTSEの構成銘柄では、保険大手ビーズリーが3.57%安、資産運用大手インターメディエイト・キャピタル・グループが3.48%安、資源大手グレンコアが2.83%安と下げを主導。一方、一部金融機関が目標株価を引き上げたと伝わった投資会社メルローズ・インダストリーズは7.66%高、品質検査会社インターテックは3.32%高、たばこ大手インペリアル・ブランズは1.60%高と買われた。



■ドイツ・フランクフルト株価指数

26日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに反落し、前日比109.22ポイント(0.56%)安の1万9295.98で終えた。トランプ次期米大統領が25日にメキシコとカナダ、中国への関税を強化する方針を示した。今のところ欧州産の製品に対しては言及がないものの市場の警戒感は根強く、自動車・自動車部品株の売りにつながった。

個別では、商用車大手ダイムラー・トラックが6.01%安と急落し、製薬大手バイエルが5.19%安、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が2.38%安で続いた。半面、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズは1.93%高、防衛大手ラインメタルは1.44%高、通信大手ドイツテレコムは0.68%高で取引を終了した。




■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は4営業日ぶりに反落し、前日比0.86%安の7194.51と8月上旬以来、約3カ月半ぶりの安値で終えた。自動車の欧州ステランティス、欧州鉄鋼大手アルセロール・ミタルの下げが目立った。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンなど消費関連の一角は上昇した。