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52円安と続落、一時5万円割れ、日中関係への懸念で
東京株式(大引け)=52円安と続落、一時5万円割れ、日中関係への懸念で
【大引け概況】

17日の日経平均株価は続落し、終値は前週末比52円62銭安の5万323円91銭だった。下げ幅は500円を超え、節目の5万円を割り込む場面があった。
 
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前週末の欧米株市場の軟調な地合いを引き継ぎ、下値を探る展開となった。日経平均は朝方に500円超の下落をみせ、5万円大台を割り込む場面があったが、その後は日経平均寄与度の大きい値がさ株をはじめAI関連や半導体セクターの主力株が買われたことで下げ渋った。一時は急速に値を戻しプラス圏に切り返す場面もあったが、その後は再び上値の重い地合いとなった。中国当局が中国国民に対し日本への渡航を控えるように注意喚起を行ったことを受け、消費セクターの一角などインバウンド関連株への風当たりが強まった。
25日移動平均(前週末時点で4万9800円台半ば)近辺では押し目買いが入り、下げ渋った。
今週は19日に米半導体大手エヌビディア<NVDA>の決算発表を控えることや、国内の新発10年債利回りが17年半ぶりの高水準となったことなどを警戒する動きが買い手控えムードを助長した。
 
中国外務省は14日、中国国民に対し日本への渡航を当面控えるように注意喚起した。中国訪日客の減少や日中関係の悪化につながるとの懸念から、JALやANAHDなどの空運や三越伊勢丹などの小売り関連、資生堂など中国向けの売上高比率が高い銘柄に売りが増えた。ファーストリテイリング1銘柄で約240円、日経平均を押し下げた。木原稔官房長官は17日の記者会見で、中国側に適切な対応を求めたと説明した。
 
日経平均は小幅高に転じる場面があった。大きく下げたインバウンド関連株には、下値で個人投資家らの押し目買いが入った。前週末に下落した東京エレクトロンやアドバンテストなどの半導体関連株のほか、ソフトバンクグループ(SBG)に自律反発狙いの買いが優勢で、相場全体の支えとなった。
 
国内では高市早苗政権による財政拡張が意識されている。17日は国内長期金利が約17年半ぶりの水準に上昇しており、「株式相場は金利の上昇スピードを気にしながらの動きとなりそうだ」との声があった。「次の手掛かりは19日の米半導体大手エヌビディアの決算や、政府閉鎖の影響で遅れていた20日の米雇用統計の発表で、週前半は様子見姿勢が強まりやすい」との見方もあった。
 
日経平均はこう着感の強い展開だった。19日のエヌビディア決算を見極めたいとの見方から積極的に売り買いを仕掛ける向きは多くなく、方向感の定まらない展開だった。エヌビディアの決算については、売上高が前年同期比60%程度の増収と5-7月期と同水準の高成長が見込まれているようであり、市場予想を上回る結果となればAI関連株の出直りのきっかけになるだろう。
 
 


東証株価指数(TOPIX)は続落した。終値は12.28ポイント(0.37%)安の3347.53だった。JPXプライム150指数も続落した。
 
東証プライムの売買代金は概算で6兆1873億円、売買高は23億8547万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は932。値上がりは618、横ばいは63だった。
 
業種別株価指数(33業種)は証券・商品先物取引業、空運業、小売業などが下落。上昇は非鉄金属、電気・ガス業、情報・通信業など。
 
個別では、サンリオが大幅安。ファーストリテイリング、良品計画、FOOD & LIFE COMPANIESなど消費関連株の下げが目立った。ソニーグループ、ニデック、ダイキン、リクルート、トヨタも売りが優勢だった。ネットプロテクションズホールディングスがストップ安に売り込まれ、アドバンスクリエイト、Appier Groupなども急落。ベルーナも大きく下値を探った。
 
半面、売買代金首位のキオクシアホールディングスが大幅反発、ソフトバンクグループも押し目買いに切り返した。フジクラ、アドバンテスト、イビデンなども買いが優勢だった。三井金属が値を飛ばし、三井E&Sも物色人気。三井住友フィナンシャルグループにも投資資金が流入した。ラックランド、電気興業、Orchestra Holdingsがストップ高を演じ、メドレー、朝日インテック、FUJIなども値を飛ばした。