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【市況】ベース記事 |
26日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比404ドル41セント(0.94%)高の4万3386ドル84セントで終えた。2月下旬以来の高値。中東情勢を巡る懸念が後退したことで投資家心理が改善し、主力株への買いを支えた。人工知能(AI)関連の銘柄の上昇が続いたうえ、出遅れ感のあった景気敏感株の一角にも買いが入り、相場を押し上げた。
この日発表された米雇用指標で、失業保険の継続受給者が約3年半ぶりの高水準に増加したことが示された。労働市場の弱さからFRBが早期の利下げに踏み切るとの見方が市場で強まり、買い注文が優勢となった。
トランプ米大統領がパウエルFRB議長の後任を夏から秋にかけて前倒しで発表する意向だと報じられ、FRBがトランプ氏の影響で利下げに傾きやすくなるとの臆測が広がった。最近、FRB高官から「トランプ政権の高関税政策による物価への影響は『一時的だ』という発言が相次いでいる」(日系証券)ことも、市場の利下げ期待を支えた。
イスラエルとイランの停戦が維持され、中東情勢の混乱に歯止めがかかっている。市場では「これまで守りの姿勢に入っていた投資家が買いに動きやすくなった」との声が聞かれた。四半期末を控え、運用成績をよく見せるための機関投資家による「お化粧買い」などが入ったとの指摘もあった。
AI関連の強い需要が業績の追い風になるとの見方から、半導体やハイテク株の一角への買いが続いた。前日夕に市場予想を上回る四半期決算と収益見通しを発表したマイクロン・テクノロジーは利益確定売りに押されたものの、AI向けの成長期待を高めた。エヌビディアとマイクロソフトは連日で上場来高値を更新した。
FRBは25日、米銀大手の自己資本規制の一部を緩める案を公表した。規制緩和に向けた動きを好感した買いも誘った。7月9日には米国による相互関税の上乗せ措置の適用を猶予する期限を迎えるなか、ホワイトハウスのレビット報道官は26日の記者会見で「期限は重要ではない」と話した。市場では貿易相手との交渉進展への期待が根強いことも、相場を支えた。
個別銘柄ではナイキやキャタピラー、ゴールドマン・サックス、ハネウェル・インターナショナルが買われた。アマゾン・ドット・コムも高い。半面、ウォルマートやメルク、シャーウィン・ウィリアムズは売られた。
ナスダック総合株価指数は4日続伸した。前日比194.361ポイント(0.97%)高の2万0167.913(速報値)で終え、年初来高値を更新。取引時間中には2024年12月に付けた最高値(2万0173)を上回る場面があった。メタプラットフォームズやネットフリックス、ブロードコムが買われた。
S&P500種株価指数は前日比48.86ポイント(0.80%)高の6141.02で終えた。取引時間中には2月に付けた最高値(6144.15)を上回る場面があった。
NYダウ 43386.84 ( +404.41 )
S&P500 6141.02 ( +48.86 )
NASDAQ 20167.91 ( +194.36 )
米10年債利回り 4.240 ( -0.052 )
NY(WTI)原油 65.24 ( +0.32 )
NY金 3348.0 ( +4.9 )
VIX指数 16.59 ( -0.17 )
S&P500 6141.02 ( +48.86 )
NASDAQ 20167.91 ( +194.36 )
米10年債利回り 4.240 ( -0.052 )
NY(WTI)原油 65.24 ( +0.32 )
NY金 3348.0 ( +4.9 )
VIX指数 16.59 ( -0.17 )

26日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比820円高の3万9745円で終えた。この日は日経平均株価が5か月ぶりの高値で終え、米ダウ工業株30種平均は4カ月ぶりの高水準で終えるなど米株式相場も上昇したため、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
39745 ( +245 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39835 ( +335 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
26日の英FTSE100種総合株価指数は反発し、前日比16.85ポイント(0.19%)高の8735.60で終えた。イスラエルとイランで停戦状態が保たれていることを背景に、投資家心理が改善した。一方で外国為替市場でのポンド高・ドル安進行を受け、多国籍企業の収益に逆風になるとの見方は同指数の上値を抑えた。
中型株で構成し、内需株の比率が高いFTSE250種株価指数は反発し、前日比0.82%高の2万1474.66と2024年7月末以来およそ11カ月ぶりの高値で終えた。
FTSEの構成銘柄では、鉱業大手アングロ・アメリカンが6.88%高、産銅大手アントファガスタが6.03%高、資源大手グレンコアが5.45%高と急伸。一方、日用品・食品大手ユニリーバは2.53%安、たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコは2.10%安、製薬会社ヒクマ・ファーマシューティカルズは1.82%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
26日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比150.97ポイント(0.64%)高の2万3649.30で終えた。中東情勢を巡る懸念が後退し、投資家心理が改善した。欧州で国防費増額や関連投資が進むとの期待も支えとなった。
個別では、防衛大手ラインメタルが7.28%高、分子診断大手キアゲンが2.74%高、航空機大手エアバスが2.56%高と相場をけん引。半面、スポーツ用品大手アディダスは2.49%安、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は1.50%安、同業メルセデス・ベンツは1.44%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は前日比0.01%安と横ばい圏で終えた。