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229ドル高と続伸、米経済指標が改善
【市況】229ドル高と続伸、米経済指標が改善

17日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比229ドル71セント(0.51%)高の4万4484ドル49セントで終えた。
朝方発表の米経済指標が改善し、米景気の底堅さを示した。ダウ平均の構成銘柄ではないが半導体受託生産の台湾積体電路製造(TSMC)が好決算を発表し、半導体株などハイテク株の一部に買いが広がった。 
 
この日発表された6月の米小売売上高は前月比0.6%増加し、5月の0.9%減少から大幅に持ち直した。市場予想の0.1%増を上回った。また、7月のフィラデルフィア連銀の製造業景況指数は15.9と前月のマイナス4.0から改善し、週間の米新規失業保険申請件数は5週連続で減少した。関税引き上げなどの影響で米経済が急激に冷え込むとの過度の懸念が後退した。
雇用関連指標も国内経済の底堅さを示し、相場を下支えした。12日までの週の新規失業保険申請は前週比7000件減の22万1000件と、5週連続で改善した。
 トランプ米政権の高関税政策が及ぼす景気への打撃が警戒されているが、市場では「最近発表された主要企業の決算は当初懸念されていたよりも悪い内容ではなかった」(日系証券筋)との声も聞かれた。
 
TSMC決算でAI投資の勢いが確認され、エヌビディアが上場来高値を更新した。データセンター需要への期待からマイクロソフトも買われ、高値を更新した。TSMCの米国預託証券(ADR)は時価総額が1兆ドルを超えた。
 
ダウ平均の構成銘柄では四半期決算を発表したトラベラーズの上昇が目立った。ウォルト・ディズニーやコカ・コーラ、キャタピラー、JPモルガン・チェースなども買われた。一方、ユナイテッドヘルス・グループやメルクなどディフェンシブ株の一角が下げた。
 
ナスダック総合株価指数は4日続伸した。前日比153.777ポイント(0.74%)高の2万0884.268で終え、連日で過去最高値を更新した。パランティア・テクノロジーズが上昇した。一方、マイクロン・テクノロジーは下げた。
 
S&P500種株価指数は続伸した。前日比33.66ポイント(0.53%)高の6297.36と1週間ぶりに高値を更新した。
 
 

【シカゴ日本株先物概況】

17日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比480円高の4万0045円で終えた。この日は日経平均株価が上昇した。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数が最高値を更新するなど米株式相場も堅調だったため、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが活発となった。


シカゴ日経225先物 (円建て)

40045 ( +115 )


シカゴ日経225先物 (ドル建て)

40095 ( +165 )

( )は大阪取引所終値比









【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
17日の英FTSE100種総合株価指数は3日ぶりに反発し、前日比46.09ポイント(0.51%)高の8972.64で終えた。17日発表された英雇用統計が賃金上昇率の鈍化などを示し、英イングランド銀行(中央銀行)が利下げを進める余地が残るとの見方につながった。
 
FTSEの構成銘柄では、生命科学分野などの専門的商品・サービスを提供するディプロマが6.44%高と急伸。ホテル大手ウィットブレッドが3.21%高、建機レンタルのアシュテッド・グループが3.12%高で続いた。一方、格安航空大手イージージェットは4.91%安、産金大手エンデバー・マイニングは2.69%安、たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコは1.55%安と売られた。
 



■ドイツ・フランクフルト株価指数
 
17日のドイツ株価指数(DAX)は6営業日ぶりに反発し、前日比361.55ポイント(1.50%)高の2万4370.93で終えた。一部の主要企業が公表した直近四半期の業績が好調で、投資家心理の支えとなった。株式相場が前日までに水準を切り下げていたため、値ごろ感からの買いも入った。
 
個別では、スイスの重電大手ABBが市場予想を上回る四半期決算を公表したことが支援材料となりエネルギー大手シーメンス・エナジーが4.15%高、総合電機大手シーメンスが3.87%高、業務用ソフトウエア大手SAPが2.24%高と相場をけん引。半面、エネルギー大手イーオンは0.56%安、ドイツ取引所は0.49%安、電力大手RWEは0.32%安で取引を終えた。
 




■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は5営業日ぶりに反発し、前日比1.29%高で終えた。電機大手シュナイダー・エレクトリックの上昇が目立った。他方、広告大手ピュブリシス・グループが下げたほか、自動車のルノーに売りが続いた。