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140円高、米中協議の進展期待で株価指数先物に買い
東京株式(大引け)=140円高、米中協議の進展期待で株価指数先物に買い
【大引け概況】

12日の日経平均株価は3日続伸した。終値は前週末比140円93銭高の3万7644円26銭で、3月27日以来の高値となった。
 
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米中の関税協議の進展に期待して株価指数先物に買いが入った。協議の詳細公表を12日に控え、上値追いの勢いは限られた。
 
きょうはリスク選好の地合いとなり、前場は日経平均が上値の重い展開だったものの、後場寄りマイナス圏でスタートした後は流れが変わり、再浮上する格好に。スイスで行われていた米中協議で「大きな進展があった」とベッセント米財務長官が語り、現地時間12日に共同声明を発表する見通しとなったことで、投資家心理が改善した。
これ以上の米中対立の先鋭化が避けられるとの見方から、半導体関連や機械株などに買いが向かい全体相場を押し上げた。一方、トランプ米大統領が自身のSNSで米国での薬価を大きく引き下げる大統領令に署名することを明らかにしたことを受け、医薬品セクターが売り込まれるなど明暗を分けている。
 
東証株価指数(TOPIX)は12日続伸し、2017年10月の12日続伸の記録に並んだ。終値は8.59ポイント(0.31%)高の2742.08と、3月28日以来の高値だった。
 
日経平均とTOPIXはこれまでの急ピッチな上昇で短期的な過熱感が意識され、下げに転じる場面があった。トランプ氏が米国の医薬品の価格を大幅に引き下げる大統領令に署名すると表明したのを受け、収益の下押し懸念で武田やアステラス、大塚HDなどの医薬品株が軒並み下げた。企業の決算発表シーズンが続き、前週末の発表でスマートフォン向け人気ゲームの伸び悩みが意識されたディー・エヌ・エーが売られた。




 

東京株式市場はトランプ関税に対する過度な懸念が大きく薄れ日経平均が3月高値にじわりと接近する展開となっている。さすがに短期的な過熱感から買い方も慎重にはなってくるが、売り物が出尽くしており下値を積極的に売る主体もほとんど見当たらない。4月は米国から逃避した資金が大量に日本株・債券を買い越したようで、この点も需給的な安定感を呼んでいるようだ。
 
JPXプライム150指数は続伸し、0.99ポイント(0.08%)高の1210.73で終えた。東証プライムの売買代金は概算で4兆8542億円、売買高は21億5238万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1116。値下がりは476、横ばいは42だった。
 
業種別株価指数(33業種)は倉庫・運輸関連業、証券・商品先物取引業、海運業、鉱業などが上昇。医薬品、鉄鋼などは下落。
 
個別では、断トツの売買代金をこなした川崎重工業が大幅高、ディスコ、アドバンテスト、レーザーテック、スクリーンHD、ソシオネクストなど半導体製造装置関連の上げ足が目立つ。フジクラ、シャープ、日野自動車、アマダ、安川電機、住友重機械が堅調、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクがしっかり、トヨタ自動車も堅調。また、ストップ高銘柄が相次いでおり、アネスト岩田、クレスコ、三十三フィナンシャルグループ、秋田銀行、日新、IMAGICA GROUP、IBJなどが値幅制限いっぱいに買われた。
 
一方、米国での薬価引き下げを懸念して武田薬品工業や中外製薬、第一三共、大塚HD、塩野義製薬などの医薬品株が軟調。また、第4四半期は市場予想下振れ着地で出尽くし感が先行したディー・エヌ・エーが大幅安となったほか、任天堂、日立、パナHD、リクルートHD、IHIなどが下落した。ゲオホールディングス、ツムラ、コーセー、クオールホールディングスなどが値下がり率上位となった。