147ドル高と反発、割安銘柄に物色
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【市況】147ドル高と反発、割安銘柄に物色 |
27日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比147ドル16セント(0.32%)高の4万5565ドル23セントで終えた。早期の米利下げ観測が意識されるなか、相場全体に比べて出遅れ感のある相対的に割安な銘柄などが買われた。通常取引終了後にエヌビディアが発表する四半期決算を見極めたい参加者が多く、方向感には乏しかった。
5年物米国債の入札で底堅い需要が示され、債券買いが加速して長期金利が低下。幅広い銘柄で買いが先行した。連邦準備制度理事会(FRB)が9月に利下げに踏み切るとの期待も引き続き投資家心理の支えとなった。ただ、取引終了後に米半導体大手エヌビディアの決算発表を控え、値動きは限られた。
トランプ米大統領が今週表明したクックFRB理事解任が実現すれば、より利下げに前向きな人物が後任に据えられるとの思惑が長期金利低下に影響した。ニューヨーク連邦準備銀行のウィリアムズ総裁がこの日のインタビューで、現在の金融政策は「やや引き締め的だ」と述べ、市場でハト派的な発言と受け止められた。
ダウ平均の構成銘柄ではセールスフォースやユナイテッドヘルス・グループが上げた。ともに前日時点で株価が昨年末を大幅に下回っており、値ごろ感が意識されやすい。原油相場の上昇を受けてシェブロンも買われた。
エヌビディアは横ばい圏で推移する場面が目立った。27日夕発表の2025年5〜7月期決算と8〜10月期の見通しのほか、決算説明会で人工知能(AI)関連需要や中国事業の先行きを探りたい市場参加者が多かった。
エヌビディアの収益はAI投資需要を映すとされ、時価総額の大きさから決算後の株価の動きは投資家心理や相場全体に影響する可能性が高い。決算発表後のエヌビディアの値動きに追随しやすいとされる半導体株などは売り買いともに低調だった。
その他のダウ平均の構成銘柄ではIBMやマイクロソフト、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などが高い。一方、メルクやナイキ、アムジェン、ハネウェル・インターナショナルなどが売られた。
ナスダック総合株価指数は続伸した。前日比45.870ポイント(0.21%)高の2万1590.140(速報値)で終えた。インテルが高い。一方、データ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズが下げた。
S&P500種株価指数は続伸した。前日比15.46ポイント(0.23%)高の6481.40で終え、14日以来、約2週間ぶりに過去最高値を更新した。

27日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比60円高の4万2565円で終えた。この日は日経平均株価と米主要株価指数がともに上昇し、シカゴ市場の日経平均先物には買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
42565 ( +65 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
42580 ( +80 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
27日の英FTSE100種総合株価指数は小幅に続落し、前日比10.30ポイント(0.11%)安の9255.50で終えた。最高値圏での推移が続いており、主力株を中心に利益確定の売りが出た。
米連邦準備理事会(FRB)の独立性を巡る懸念は、ひとまず落ち着きつつある。FTSE100種指数は前日終値を上回る場面があるなど、明確な方向感を欠いた。27日に米半導体大手のエヌビディアが公表する四半期決算の内容を見極めたいとの空気も出ている。
FTSEの構成銘柄では、小売り大手JDスポーツ・ファッションが3.55%高、通信大手エアテル・アフリカが3.05%高、賭け屋大手エンテインが1.84%高と上昇。他方、格安航空大手イージージェットは3.12%安、金融大手ナットウエストは2.54%安、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は2.04%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
27日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落し、前日比106.66ポイント(0.44%)安の2万4046.21で終えた。フランスの政治・財政への不安や、米連邦準備理事会(FRB)の独立性を巡る懸念を材料とした売りは、ひとまず落ち着きつつある。27日に米半導体大手エヌビディアが四半期決算を公表するのを前に様子見の空気があるなか、利益確定などを目的とした売りが出た。
個別では、業務用ソフトウエア大手SAPが1.96%高、エネルギー大手イーオンが0.67%高、高級車メーカーのポルシェが0.65%高と買われた半面、コメルツ銀行は4.98%安、ドイツ銀行は3.36%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーは2.71%安と大きく下げた。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場でフランスの株価指数であるCAC40は3営業日ぶりに反発し、前日比0.44%高で終えた。仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンやエルメス・インターナショナル、化粧品大手ロレアルといった時価総額が大きい消費関連の銘柄が買われた。前日に下げが目立っていたインフラ運営大手バンシが上げた。
フランスで政局が不安定さを増せば、財政再建が進まなくなるとの警戒感は根強い。仏金融大手BNPパリバとクレディ・アグリコルはともに続落した。金融大手ソシエテ・ジェネラルは前日比安く推移する場面もあったものの午後にかけて下げ渋り、同横ばいで終えた。