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反発49ドル高、ハイテク株高が支pえ
【市況】反発49ドル高、ハイテク株高が支pえ

15日のNYダウ工業株30種平均は小幅に反発し、前週末比49ドル23セント(0.10%)高の4万5883ドル45セントで終えた。
米国と中国が15日まで開いた閣僚級会議や米国の利下げ観測が株買いを誘った。一方、主要株価指数が高値圏で推移するなか、主力株の一部には利益を確定する売りも出てダウ平均の上値を抑えた。
 
米連邦準備理事会(FRB)は6会合ぶりに利下げ再開に踏み切ることが確実視されている。利下げが景気浮揚につながるとの見方が根強い一方、FRBが会合後に示す経済見通しの内容などを見極めたいとの思惑から、ダウは売り買いが交錯した。
トランプ米大統領はこの日、中国の習近平国家主席と19日に会談すると表明した。米中貿易協議が進展するとの期待感が広がったことが相場の下値を支えた。
IT大手グーグルの親会社アルファベットは4.5%高で引け、時価総額が3兆ドル(約440兆円)に達した。人工知能(AI)の成長見通しやグーグルの事業解体が事実上避けられた司法判断などが追い風となり、ナスダックが押し上げられた。投資家が重視するS&P500種株価指数も最高値を塗り替えて取引を終えた。
 
米中両政府は14〜15日にスペインで4回目の閣僚級会合を開いた。中国発の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業の売却などについて議論した。ベッセント米財務長官は会合後に記者団に対し、売却を巡って「合意の枠組みが整った」と明らかにした。トランプ米大統領は自身のSNSで会合がうまくいったと投稿し、19日に習近平国家主席と直接話すという。
 
主力ハイテク株への買いが目立ったことも市場心理を支えた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、テスラが一時7%あまり上昇した。米証券取引委員会(SEC)への届け出でイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が12日にテスラ株をあわせて約10億ドル相当取得したことが明らかになり、材料視された。
 
ただ、ダウ平均は小幅に下げる場面もあった。FOMC後に公表される参加者の政策金利見通し(ドットチャート)のほか、パウエル議長の記者会見が注目されている。「今回の会合での利下げは織り込まれているが、今後のペースを見極めたい」との雰囲気は強い。主要株価指数が高値圏にあるなか、主力株の一角には持ち高調整や利益確定売りも出て指数の重荷となった。
 
ダウ平均の構成銘柄ではアマゾン・ドット・コムやアップル、マイクロソフトが上昇した。IBMやキャタピラー、ゴールドマン・サックスも高い。半面、メルクやマクドナルド、シャーウィン・ウィリアムズは売られた。エヌビディアはわずかに下げた。中国当局が15日に同社の過去のイスラエル企業の買収が独占禁止法などに違反したと発表。初期段階の調査に基づいた判断で、さらに調査を進めるという。
 
ナスダック総合株価指数は6日続伸した。前週末比207.647ポイント(0.93%)高の2万2348.750で終え、6営業日連続で最高値を更新した。メタプラットフォームズやブロードコムなども買われた。
 
S&P500種株価指数は反発し、前週末比30.99ポイント(0.47%)高の6615.28で終えた。初めて6600台で取引を終え、11日以来となる最高値を更新した。
 
 
 

【シカゴ日本株先物概況】
15日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前週末比210円高の4万4635円で終えた。この日は東京市場が祝日で休みだった一方で米株式相場がハイテク株主導で上昇したため、シカゴ市場の日経平均先物には買いが優勢となった。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
44635 ( +155 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)
44740 ( +260 )

( )は大阪取引所終値比
 






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 
15日の英FTSE100種総合株価指数は前週末比横ばい圏で終えた。終値は同6.26ポイント(0.06%)安の9277.03だった。18日にイングランド銀行(中央銀行)が金融政策委員会の結果を公表する。16〜17日に英国の労働市場や物価に関連する指標が発表されるほか、17日には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表も控える。相次ぐ重要材料の内容を見極めたいと様子見の空気が広がった。
 
FTSEの構成銘柄では、エネルギー小売り大手セントリカが4.08%高、流通大手セインズベリーが3.45%高、物流施設大手セグロが3.38%高と買われた。他方、製薬大手アストラゼネカは3.22%安、通信大手エアテル・アフリカは2.01%安、通信大手BTは1.90%安となった。


■ドイツ・フランクフルト株価指数
 
15日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前週末比50.71ポイント(0.21%)高の2万3748.86で終えた。16〜17日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが決まるとの期待が、投資家心理を支えた。ただし10月以降の米金融政策を予想するうえで今週発表される内容を慎重に見極めたいとする投資家も多く、DAXが上値を追う勢いは限られた。
 
個別では、防衛大手ラインメタルと半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが2.82%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーが2.77%高、医療機器のザルトリウスが2.70%高と上昇。半面、業務用ソフトウエア大手SAPは2.83%安、製薬大手バイエルは2.03%安、香料大手シムライズは1.42%安と売られた。




■フランス・パリ株価指数

欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は6日続伸し、終値は前週末比0.91%高の7896.93と8月22日以来、約3週間ぶりの高値で終えた。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンを含む高級ブランドや、仏ソシエテ・ジェネラルなど金融株が買われた。他方、製薬のサノフィやコンサルティング会社キャップジェミニが売られた。