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7円高と小反発、イベント前で方向感欠く
東京株式(前引け)=7円高と小反発、イベント前で方向感欠く

 
30日午前の日経平均株価は小幅に反発し、午前終値は前日比7円59銭(0.02%)高の4万0682円14銭だった。
 
きょう前場は売り買い交錯のなか、日経平均は前日終値近辺の狭いゾーンでのもみ合いに終始した。前引け間際に株価水準を切り上げ、わずかながらプラス圏で着地している。前日の米国株市場が軟調だったこともあり、買い手控えムードが強いものの、日経平均は直近3営業日で1100円以上も下落していることから、目先値ごろ感からの押し目買いを誘導している。日本時間あす未明のFOMCの結果発表とパウエルFRB議長の記者会見や、あす昼ごろに判明する日銀の金融政策決定会合の結果などを前に様子見ムードは拭えず、売買代金は盛り上がりを欠いている。
 
これまでの相場調整で短期的な過熱感がやや和らいだとの見方から買いが優勢だった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表など重要イベントを前にした持ち高整理の売りで日経平均は下げる場面も目立ち、方向感を欠いた。
 
日米関税交渉の合意を好感して日経平均は前週、大幅上昇して24年7月の最高値に接近した。その後は調整して前日までの3日間では1000円強下落していた。相場の過熱感がやや後退したとの見方から海外短期筋などの買いが入り、指数を押し上げた。
 
日本時間31日未明にFOMCの結果が公表されるのに続いて、同日には日銀の金融政策決定会合の結果も明らかになる。相場の方向性を左右しかねない重要イベントを前に前日の米株式相場も下落したとあって、東京株式市場でも投資家は積極的な運用リスクは取りづらかった。持ち高整理の売りに押されて日経平均は100円超下落する場面もあった。個別では前日の取引終了後に四半期決算を発表したアドバンテストが下落し、相場の重荷になった。
 
前日の米株式市場では特殊ガラスのコーニングがデータセンター向けの光ファイバーなどの製品需要の強さが決算で好感されて株価が急伸した。これを手掛かりに30日の東京市場ではフジクラなど電線株の上昇が目立った。
 
後場の日経平均は引き続き小動きのもみ合いが続くと予想される。重要イベントを控えた持ち高整理の売りが優勢となるという見方もあり、電線株のフジクラや東エレクなど一部銘柄に支えられるものの、リスク回避ムードは後場も強まろう。この後も個別物色が中心の展開が続く見込みだ。為替は小動きでドル・円も安定して推移しており、外国株の流れにも大きく影響されないとみられる。評価が分かれる銘柄を狙った短期売買が後場も相場を牽引しそうだ。
 
 

 

 
東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引けは前日比10.18ポイント(0.35%)高の2918.82だった。JPXプライム150指数も反発で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆1311億円、売買高は8億206万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1074と全体の約66%だった。値下がりは466、横ばいは83だった。
 
業種別では、非鉄金属、繊維製品、不動産業などが値上がり率上位、空運業、パルプ・紙、輸送用機器などが値下がり率上位に並んでいる。
 
個別では売買代金トップのフジクラが大きく上昇、古河電気工業も活況高。ディスコが堅調、東京エレクトロン、日本電気、キヤノン、日立もしっかり。ソフトバンクグループ(SBG)、TDK、日東電なども買いが優勢。川崎重工業や三菱重工業、IHIなどの防衛関連が堅調に推移。翌日の決算発表への期待が高まる住友ファーマが値上がり率トップに買われ、エクセディも急騰した。エンプラスも、GenkyDrugStores大幅高だった。
 
半面、ANAホールディングスや日本航空といった航空関連株が軟調に推移。アドバンテストが軟調、さくらインターネットも下値模索が続いた。キーエンス、小松製作所、リクルートHD、ファーストリテ、ダイキンが安く、シマノは急落した。小森、フジテックも大幅安だった。