兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。

OCN版はコチラ

314ドル高と4日続伸、感謝祭の休場を控え買い優勢
【市況】314ドル高と4日続伸、感謝祭の休場を控え買い優勢

26日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸し、終値は前日比314ドル67セント(0.66%)高の4万7427ドル12セントだった。

最近のFRB高官の発言や米経済指標を受け、市場で利下げ期待が強まっている。金利低下により景気が押し上げられるとの見方から、この日は金融や住宅、小売りなど幅広い銘柄が買われた。先週、人工知能(AI)に対する過剰投資懸念で急落したIT大手株の買い戻しも進んだ。

低調な米経済指標を受けて、米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げ観測が改めて意識されて投資家心理が改善した。上げ幅は一時400ドルあまりとなる場面があった。

26日に発表された11月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)は前月比7.5ポイント低い36.3となり、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(45.5)を下回った。同日発表の週間の新規失業保険申請件数は21万6000件と市場予想よりも少なかったが、総受給者は196万人と高水準が続いた。

FRBは26日午後、米地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表した。経済活動は前回報告時から「ほぼ変化しなかった」と総括した。雇用情勢については全12地区中、ほぼ半数で需要が鈍化したと報告された。

市場では「26日発表の米経済指標は景気や雇用情勢の減速を示し、FRBが利下げに踏み切る余地があるとの見方を強めた」との声があった。米金利先物市場ではFRBが12月に0.25%の利下げを決める確率が8割あまりと引き続き優勢で、相場の支えとなった。

ただ、買い一巡後は一進一退の展開となった。27日は感謝祭の祝日で全ての市場が休場となる。休み明けの28日は株式と債券市場が短縮取引となる。休暇に入っている市場参加者が多く、朝高後は膠着感が強かった。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、パソコンやサーバーのデル・テクノロジーズの上昇が目立った。人工知能(AI)サーバーの販売好調を背景に、2026年1月期の業績見通しを引き上げたのを好感した買いが入った。

ダウ平均の構成銘柄ではボーイングやウォルマート、マイクロソフトが上昇した。ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株も買われた。エヌビディアやキャタピラーも高かった。半面、セールスフォースやメルク、ハネウェル・インターナショナルは下落した。

ナスダック総合株価指数は4日続伸した。終値は前日比189.099ポイント高の2万3214.690だった。米利下げ観測を背景にハイテク株への買いも優勢だった。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やブロードコム、アプライドマテリアルズなど半導体関連株に買いが集まった。一方、アルファベットは4営業日ぶりに反落した。



 

【シカゴ日本株先物概況】


26日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比965円高の5万0110円で終えた。同日は日米で株式相場が上昇し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが活発となった。


シカゴ日経225先物 (円建て)
50110 ( +430 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)
50135 ( +455 )

( )は大阪取引所終値比




【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

26日の英FTSE100種総合株価指数は続伸し、前日比82.05ポイント(0.85%)高の9691.58で終えた。26日にリーブス英財務相が提示した秋季予算案は増税策を含む内容で、英国財政が悪化に向かうとの懸念がひとまず和らいだ。

債券市場の参加者が英国債買い(金利低下)で反応したことも、投資家の安心感につながった。英ロイズ・バンキング・グループやバークレイズを中心とする銀行株や、不動産投資信託(REIT)が買われた。金など貴金属の相場上昇を背景に資源株が買われたほか公益、石油株が上昇した。一方で住宅建設、IT(情報技術)関連の一角や日用品の英ユニリーバ、蒸留酒大手の英ディアジオが下げた。

FTSEの構成銘柄では、保険会社セント・ジェームズ・プレイスが5.30%高、産金大手フレスニロが5.17%高、同業エンデバー・マイニングが4.78%高と相場をけん引。一方、住宅大手バークリー・グループは2.97%安、製薬会社ヒクマ・ファーマシューティカルズは2.50%安、ホームセンター大手キングフィッシャーは2.16%安と売られた。






■ドイツ・フランクフルト株価指数

26日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸し、前日比261.59ポイント(1.11%)高の2万3726.22で終えた。米国で年内に追加利下げがあるとの期待が続いた。26日の米株式相場の上昇も、ドイツ株式の買いを後押しした。

個別では、コメルツ銀行が5.65%高、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが3.99%高、一部金融機関が目標株価を引き上げたエネルギー大手シーメンス・エナジーが3.74%高と急伸した。
半面、製薬大手バイエルは1.31%安、人工透析製品・サービスのフレゼニウスメディカルケアは1.18%安、化学品商社ブレンタークは1.15%安となった。




■フランス・パリ株価指数

欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は続伸し、前日比0.88%高で終えた。