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52円安、ファストリ大幅安が相場押し下げる
東京株式(前引け)=52円安、ファストリ大幅安が相場押し下げる
 

11日午前の日経平均株価は小幅続落し、午前終値は前日比52円52銭安の3万9593円84銭だった。
 
前日の米株式市場は、NYダウは192ドル高と続伸し、ナスダック指数やS&P500種指数は最高値を更新した。米経済指標や企業業績などが好感された。これを受け、東京市場も値を上げてスタートし、日経平均株価は朝方には一時300円を超える上昇となった。半導体関連株などが買われた。ただ、買い一巡後は一転して売りに押され、午前9時20分過ぎにはマイナス圏に転じた。日経平均株価への寄与度の高いファーストリテイリングが前日発表の決算内容が嫌気されて大幅安となったことも相場を押し下げた。
ただ、日経平均株価の3万9500円近辺では下値を拾う動きが強まり、その後は前日終値を巡る一進一退となった。
 
なお、日経平均先物ミニ・オプション7月物の特別清算指数(SQ)値は4万4円61銭だったとみられている。
 
10日の米株式市場ではS&P500種株価指数とナスダック総合株価指数がともに最高値を更新。主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)も0.74%高となった。11日の東京株式市場ではレーザーテクやディスコや東京エレクトロンなどは上昇したものの、アドバンテストは、朝方に株式分割考慮ベースで連日最高値を更新した後に売りに押された。
 
トランプ米大統領が10日にカナダからの輸入品に8月1日から35%の関税をかけると表明するなど、米国の関税政策の警戒は強い。日本では20日に投開票の参院選後の政治情勢や日米の関税交渉の先行きが見通せず、戻り待ちの売りが出やすかった。
 
一方、東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引けは20.73ポイント(0.74%)高の2833.07だった。JPXプライム150指数も反発し、5.99ポイント(0.49%)高の1234.10で前場を終えた。
 
後場の日経平均株価は、もみ合い展開が継続か。前場時点のプライム市場の値上がり銘柄数は81.6%、値下がり銘柄数は16.5%と幅広い銘柄が上昇しており、TOPIX(東証株価指数)は0.74%高と堅調に推移。
日経平均株価の下落はファーストリテイリングの寄与が大きく、ここから売りが広がる動きは想定しにくい。ただ、引き続きトランプ米政権の関税政策の不透明感が重しとなるなか、20日に投開票予定の参院選で政権与党の苦戦も一部で伝えられており、投資家心理を慎重にさせている。週末要因も相まって積極的に買い進む動きは限定的となりそうで、こう着感の強い値動きを想定しておきたい。
 


 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆4361億円、売買高は9億6566万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は269、値上がりは1327。横ばいは30だった。市場では「東証プライム市場に上場する銘柄の8割が上昇していることから実態は強い。信用で取引する個人の手の内は良好といえ、投資意欲は強い」との指摘があった。
 
業種別株価指数(33業種)は非鉄金属、小売業などが下落。銀行業、鉄鋼、証券・商品先物取引業、輸送用機器などが上昇した。
 
 
個別では、三菱重工業や川崎重工業、IHIなどの防衛関連株が軟調に推移。また、ファーストリテイリングのほか、フジクラ、アドバンテスト、ソフトバンクグループ(SBG)、リクルートHD、バンナムHD、ソシオネクスト、日立、古河電工などが下落した。ほか、3-5月期は市場コンセンサスを下振れたUNEXTが大幅安、ベルク、クリーク・アンド・リバー社、コジマなどが値下がり率上位となった。
 
 一方、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友などの一部の金融株やディスコやレーザーテックなどの一部の半導体関連株が堅調に推移。また、ダイキン、トヨタ自動車などが上昇した。ほか、前期業績の大幅上振れ着地を好感された三光合成がストップ高、セレス、GMOインターネット、大阪有機化学工業などが値上がり率上位となった。