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【市況】ダウ反発74ドル高、米政府閉鎖解除に向けた動き |
7日のNYダウ工業株30種平均は反発し、終値は前日比74ドル80セント高の4万6987ドル10セントだった。米連邦政府の一部機関閉鎖の解除に向けた動きが進展するとの思惑が浮上した。週末を前に主力株の一角を買い直す動きにつながった。
AI成長拡大見通しで急伸したハイテク株の割高感が引き続き意識され、IBMなどの売りが先行。AI投資の過熱感や人員削減の動きも相まって、ダウの下げ幅は一時400ドルを超えた。
一方、米政府機関の一部閉鎖を巡り、野党民主党上院トップのシューマー院内総務はこの日、年末に失効する医療保険制度(オバマケア)への補助を1年延長することをつなぎ予算案に盛り込むことを提案した。政府再開への期待感から、ダウはプラス圏に切り返した。
景況感悪化も相場の上値を抑えた。ミシガン大が発表した消費者調査によると、11月の景況感指数(暫定値)は50.3と、前月確報値の53.6から低下。1年先の期待インフレ率(同)は4.7%と、前月確報値から0.1ポイント上昇し、投資家心理を圧迫した。
米政府機関の一部閉鎖は38日目に入り、過去最長を記録している。政府職員の一時帰休や無給勤務の長期化、米国版の生活保護にあたる食料支援プログラムの中断、航空便の遅延と減便など次第に国民生活への影響が大きくなっている。
午後に野党の米民主党が米政府のつなぎ予算成立に向けて歩み寄りを提案したとロイター通信などが報じた。オバマケアと呼ばれる公的医療保険の補助金の1年間延長以外の要求を撤回する案を提示したという。共和党からは反発があるとみられるが、与野党の交渉再開で閉鎖解除に向けた協議が進むとの期待につながった。
米連邦準備理事会(FRB)高官からは追加利下げに慎重な発言が増えている。金融政策の先行きが見通しにくくなっていることも投資家心理に影響している。
ダウ平均ではコカ・コーラやシェブロン、シャーウィン・ウィリアムズなどが上昇した。中国事業の不透明感が意識されたエヌビディアは一時5%近く下げたものの、上げに転じて終えた。一方、IBMやナイキ、キャタピラーなどが売られた。
ナスダック総合株価指数は続落した。終値は前日比49.455ポイント(0.21%)安の2万3004.538(速報値)だった。週間の下落率は3.03%と、トランプ米大統領が相互関税を発表した4月上旬以来の大きさだった。
テスラが安い。定時株主総会でイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の1兆ドル規模の報酬案が承認されたものの、材料出尽くし感から売りが出た。半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やブロードコムには売りが続いた。一方、データ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズは4日ぶりに反発した。
【シカゴ日本株先物概況】7日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比190円高の5万410円で終えた。同日の米株式市場でNYダウ工業株30種平均が小幅に上昇した。ハイテク株も引けにかけて下げ幅を縮めたことから、日経平均先物にも買いが入った。
シカゴ日経225先物 (円建て) 50410 ( +100 ) シカゴ日経225先物 (ドル建て) 50490 ( +180 ) ( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
7日の英FTSE100種総合株価指数は続落し、前日比53.21ポイント(0.54%)安の9682.57で終えた。四半期業績を公表した一部銘柄に売りが膨らんだ。同指数は5日に最高値を更新しており、利益確定や持ち高調整の売りも出やすかった。
銀行を中心に金融株に売りが優勢だったほか、資源株が下げた。製薬のアストラゼネカなどヘルスケア関連の一角や、蒸留酒大手ディアジオが買われた。
FTSE100種指数の構成銘柄以外では、メディアの英ITV株が急伸した。テレビ放送事業を、米コムキャスト子会社の英スカイに売却する可能性について協議していると7日公表した。
FTSEの構成銘柄では、2025年7〜9月期の売上高が市場予想ほど伸びなかったことが材料視された。来期(26年12月期)について、実質の営業利益の伸び率が鈍化するとの見通しを公表した不動産サイト大手ライトムーブが12.48%安、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が11.57%安と急落し、中古車販売サイトのオートトレーダー・グループも5.94%安と売られた。一方、製薬会社ヒクマ・ファーマシューティカルズは3.94%高、飲料大手コカ・コーラ・ユーロパシフィック・パートナーズは3.58%高、広告大手WPPは3.26%高となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
7日のドイツ株価指数(DAX)は続落した。終値は前日比164.06ポイント(0.69%)安の2万3569.96と9月25日以来、約1カ月半ぶりの安値となった。7日の米市場で主要な株価指数が下げ幅を広げる場面があり、投資家心理の重荷となった。
個別では、通販大手ザランドが7.87%安、不動産検索サイト大手スカウト24が4.89%安、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが3.52%安と下げを主導。半面、防衛大手ラインメタルは2.40%高、自動車大手BMWは2.18%高、高級車メーカーのポルシェは1.72%高と買われた。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は続落し、前日比0.18%安で終えた。










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