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続伸、米ハイテク株高に追随し3万9000円台回復
東京株式(前引け)=続伸、米ハイテク株高に追随し3万9000円台回復

 
26日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前日比407円78銭高の3万9349円85銭だった。
 
きょうは朝方から買い優勢で始まり、日経平均が寄り付きに3万9000円台を回復した後も次第高の展開となった。海外短期筋が株価指数先物への買いの勢いを強めると上げ幅は一時450円以上水準を切り上げ3万9400円台に乗せる場面があった。
前日の欧州株市場は総じて軟調だったが、米国株市場がハイテク株中心に強さを発揮したことを受け市場センチメントが強気に傾いた。エヌビディア<NVDA>が最高値に買われたことを受け、東京株式市場でも半導体関連が全体相場を牽引している。ただ、一部の日経平均寄与度の高い値がさ株が指数押し上げ効果をもたらしており、TOPIXの上昇率は0.2%台にとどまるなど日経平均とはパフォーマンスにカイ離がみられた。
 
25日の米株式市場では半導体のエヌビディア株が大幅高となり、約5カ月半ぶりに最高値を更新した。AI半導体の需要の伸びに期待した買いが入り、ナスダック総合株価指数と主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が上昇した。
 
東京株式市場ではアドテストが上場来高値を更新したほか、東京エレクやソフトバンクグループ(SBG)、フジクラといった関連株が大きく上昇し、日経平均を押し上げた。りそなホールディングスの武居大暉ストラテジストは日米のハイテク株高について「『ディープシーク・ショック』の調整からフェアバリュー(適正価格)に回帰する過程で、過熱感があるわけではない」と指摘した。
 
一方、トヨタやホンダといった主力の自動車株はさえなかった。赤沢亮正経済財政・再生相は26日、日米関税交渉のため米首都ワシントンへ向かった。出発前の羽田空港で記者団に対し「期限を切って交渉しないが、(相互関税の上乗せ措置の猶予期限である7月9日を)念頭に置きながら交渉していく」と答えた。両国はいまだ具体的な合意に至っておらず、不透明感を嫌気した売りが出た。
 
後場の日経平均は高値圏でもみ合う展開が継続か。株主総会の集中日を迎えており、ネガティブな材料が顕在化しにくいほか、6月末中間配当権利落ちの先物再投資(2300億円程度との観測)など需給面もフォローとなり底堅い動きを続けている可能性がある。また、心理的節目となる3万9000円を上回り、戻り売りも出にくい状況になっているようだ。ただ、トランプ米大統領が米連邦準備制度理事会(FRB)議長の早期指名を検討すると報道を受けて為替市場では円高が進んでおり、輸出関連株にとっては重石となろう。
 


 

東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは7.76ポイント(0.28%)高の2790.00だった。JPXプライム150指数は続伸し、4.14ポイント(0.34%)高の1226.05で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆2311億円、売買高は7億8589万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1065。値下がりは497、横ばいは66だった。
 
業種別では、非鉄金属、ガラス・土石製品、卸売業などが値上がり率上位、精密機器、医薬品、銀行業などが値下がり率上位に並んでいる。
 
個別では、売買代金首位となっているレーザーテックが上値指向を継続しているほか、ディスコ、アドバンテスト、フジクラなど半導体やデータセンター関連株への物色意欲が活発。ソフトバンクグループも活況高。三菱重工業も上昇した。ファーストリテイリングが大きく水準を切り上げ、キーエンスも値を上げた。ほか、TOB期間延長で価格引き上げへの期待も高まったメドピアが大幅高、武蔵精密工業、荏原製作所、サイボウズなどが値上がり率上位となった。
 
一方、川崎重工業やIHIなど一部の防衛関連が軟調に推移。また、三井住友、日立製作所、トヨタ自動車、JT、良品計画、HOYAなどが下落した。ほか、5月の月次データをネガティブ視されたヤクルト本社が大幅安、ルネサスエレクトロニクス、リズム、ギフトホールディングスなどが値下がり率上位となった。