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続伸 米株高が追い風、決算銘柄の売買活発
東京株式(前引け)=続伸 米株高が追い風、決算銘柄の売買活発

 
11日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前日比219円52銭高の5万1131円28銭だった。
 
きょう前場は朝方からリスク選好の地合いとなった。前日の米国株市場では政府機関一部閉鎖の解除が近いとの思惑からハイテク株を中心に買われ、東京株式市場でもこの流れを引き継いでいる。日経平均株価は600円を超えて上昇する場面があったが、買い一巡後は国内の機関投資家からとみられる持ち高調整の売りも出て、伸び悩んだ。
 
ただ、米政府機関の閉鎖解除に関して、前日の東京市場である程度織り込みが進んでおり、きょうは日経平均やTOPIX が買い一巡後に伸び悩む展開となっている。なお、中小型株を中心に売られる銘柄も目立ち、値下がり銘柄数が1000を超えるなど値上がり銘柄数を大幅に上回っている。
 
米連邦議会上院が9日につなぎ予算を採決するための動議を可決し、近く上院で予算案が可決される見通しとなった。米下院も週内に採決すると伝わっており、上下両院でつなぎ予算案が可決される可能性が高まった。10日の米市場は政治の動きを好感する形でダウ工業株30種平均など主要3指数が上昇した。米ブルームバーグ通信は11日、「トランプ米大統領は10日、米政府閉鎖を終わらせるための超党派合意を支持すると表明した。政府機関が向こう数日以内に再開される可能性が高まった」と報じた。
 
企業の四半期決算の発表が本格化するなか、決算銘柄を売買する動きも活発だった。前日に決算を発表した菱地所が売られた一方、ディーエヌエは大きく買われた。きょうの取引時間終了後に決算を発表するソフトバンクグループ(SBG)には決算期待の先回り買いが入り、一時5%強上昇した。
 
買い一巡後は伸び悩んだ。朝方に買われたアドテストが下げに転じ、指数の重荷になった。このところの急ピッチな上昇を受けた利益確定売りが出やすかった。
東証プライムの値上がり銘柄数は540。値下がりは1007、横ばいは65だった。値下がり銘柄が多く、株高に伴い国内年金からとみられる持ち高調整の売りが膨らんだとの観測もあった。
 
後場の日経平均株価は、引き続き堅調な展開が予想される。ただし、上値では利益確定売りの圧力が意識されやすく、高値圏ではモメンタムが鈍る可能性がある。為替ではドル・円が円安寄りで推移しており、輸出関連銘柄には追い風となろう。また、今後発表予定の国内外経済指標や企業決算の内容次第で、物色の幅が拡大する可能性がある。需要・供給の面では、買い一巡後の手控えムードも念頭に置く必要があるため、後場も一進一退の展開が意識されよう。

 
 
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは5.76ポイント(0.17%)高の3323.18だった。JPXプライム150指数は続伸し、6.26ポイント(0.43%)高の1457.59で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で3兆1248億円、売買高は12億5046万株だった。
 
業種別株価指数(33業種)は医薬品、空運業、その他製品などが上昇。下落は陸運業、海運業、パルプ・紙など。
 
個別では売買代金トップとなったキオクシアホールディングスが大幅高に買われたほか、売買代金で同社に次ぐ2位となったソフトバンクグループも上昇した。レーザーテック、ファナック、イビデン、富士通も値を上げた。ファーストリテイリング、リクルートホールディングスなどが買いを集め、株価低位のユニチカが値上がり率トップに買わるなど人気化し、アイスタイルも値を飛ばした。
 
半面、アドバンテストが利食われ、ディスコも安い。IHIも売りに押された。三菱ガス化学がストップ安となり、コーセーも一時値幅制限いっぱいに売り込まれた。Link-Uグループも続急落で下値模索が続いている。富士フイルムや日産化、JR東海は下げた。