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40ドル高と反発、アマゾンけん引、ナスダック上昇
【市況】40ドル高と反発、アマゾンけん引、ナスダック上昇


31日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比40ドル高の4万7562ドルで取引を終えた。

 

アマゾンは9.6%上昇した。前日の取引終了後に発表した2025年7〜9月期決算は増収増益となり、クラウド事業が堅調だった。一方で前日決算を発表したアップルは0.4%安だった。エヌビディアは0.2%安。

 米連邦準備制度理事会(FRB)が次回12月の金融政策会合で追加利下げを決定するとの観測が後退しており、相場の重荷となっている。

 経済情報会社MNIインディケーターズが午前発表した10月のシカゴ景況指数(PMI、季節調整済み)は43.8となり、前月の40.6から上昇。市場予想(ロイター通信調べ)の42.3も上回った。発表後、市場は買いで反応した。

 

米S&P500種株価指数は前日比0.3%、ナスダック総合株価指数は0.6%それぞれ上昇して終えた。

AI関連銘柄の一部にも買いが波及した。データ分析サービスを手がける米パランティア・テクノロジーズが3%高、米ソフトウエア大手オラクルが2%高となった。その他、米ネット証券ロビンフッド・マーケッツが6%高、仮想通貨交換所大手コインベース・グローバルが5%高と高かった。

 

「決算シーズンの終盤でサプライズが出にくくなっており、加えて年内の追加利下げ観測もやや後退している」との見方から、相場全体の上値は限られた。

 

月間を通して、ダウ平均は1164ドル上昇した。S&P500のセクター別で見ると、月間で最も大きく上昇したのはIT(情報技術)だった。アマゾンは月間では11%高となり、29日発表の25年7〜9月期決算で売上高が市場予想を上回ったアルファベットも同16%高となった。

 

一方で設備投資額の大幅増を示したマイクロソフトは横ばい、四半期決算の発表と併せて25年12月期通期の設備投資計画を引き上げたメタプラットフォームズは12%安となり明暗が分かれた。

 

米中の通商問題で進展があったとの見方も支えとなった。トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は30日、韓国で会談した。中国が合成麻薬フェンタニルの対策を講じる代わりに、米国は対中関税を10%引き下げる。中国はレアアース(希土類)の新たな輸出規制の導入を1年延期する。

 

調査会社は「両国の緊張緩和により大幅な関税引き上げという差し迫った脅威がなくなり、短期的にマイナス要因が排除された」と指摘した。

 

利下げ期待も、終始米株式相場を支えた。米連邦準備理事会(FRB)は29日開いたFOMCで、政策金利を0.25%引き下げた。2会合連続の利下げとなった。

 

半面、パウエルFRB議長は記者会見で政府閉鎖により十分なデータが無い中で利下げを続けることにためらいを見せた。足元では金融政策の先行きを巡る不透明感が高まっている。

 

【シカゴ日本株先物概況】

10月31日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比965円高の5万2295円で終えた。同日の東京株式市場で日経平均株価が大幅に上昇し、連日で最高値を更新した。米株式市場では主要3株価指数が上昇し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが広がった。






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 

10月31日の英FTSE100種総合株価指数は10営業日ぶりに反落し、前日比42.81ポイント安の9717.25で終えた。同指数は前日までの9営業日で計4%あまり上げていたとあって、週末入りを前に利益確定や持ち高調整を目的とした売りが出た。

 

好業績を発表した銘柄への買いや英国での利下げ観測、米中貿易協議への期待などを支えに、FTSE100種指数はこのところ上昇の勢いを強めていた。31日も取引時間中に、30日に付けた最高値を小幅に上回る場面があった。

 

同指数への寄与度が大きい英シェル、英BPといった石油株が下げた。住宅建設のほか小売り・消費関連、公益、資源など幅広い業種で売りが優勢となった。蒸留酒大手ディアジオや空運株、防衛関連の一部銘柄が上昇した。

 

FTSEの構成銘柄では、広告大手WPPが4.96%安、中古車販売サイトのオートトレーダー・グループが3.51%安、高級衣料のバーバリーが3.32%安と下げを主導。一方、医療機器大手スミス・アンド・ネフューは2.78%高、産業・エネルギー会社のメトレン・エナジー・アンド・メタルズは2.08%高、通信大手BTは1.28%高となった。



■ドイツ・フランクフルト株価指数
 

10月31日のドイツ株価指数(DAX)は4日続落し、前日比160.59ポイント(0.66%)安の2万3958.30で終えた。米国で年内に追加利下げがあるとの観測後退や、前日の米国株相場の下落を背景に、投資家がリスク資産への買いにやや慎重になった。週末入りを前に持ち高調整などの売りも出た。

 

個別では、香料大手シムライズが2.26%安、保険大手アリアンツが2.22%安、スポーツ用品大手アディダスが2.18%安と売られた半面、エネルギー大手シーメンス・エナジーは1.13%高、分子診断大手キアゲンは0.90%高、医薬大手メルクとコメルツ銀行は0.80%高で取引を終えた。






■フランス・パリ株価指数

欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は4日続落し、前日比0.44%安で終えた。