兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。

OCN版はコチラ

続落410ドル安、米景気に警戒感
【市況】続落410ドル安、米景気に警戒感

6日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比410ドル34セント(1.00%)安の4万0345ドル41セントで終えた。週間では1217ドル安と、2023年3月上旬以来の下落幅となった。

米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事はこの日、今月に政策金利の引き下げを始めるだけでなく、それ以降も連続して利下げを行うことが適切との見方を示した。この発言を受け、市場では「利下げが進まなければ景気が悪化するかもしれない」(日系証券)との懸念が高まり、ハイテク株をはじめ幅広い銘柄が売られた。
 
同日発表された8月の米雇用統計は、失業率が前月からやや改善。ただ、非農業部門の就業者数が市場予想を下回ったほか、過去の数値が下方修正され、まちまちな内容となった。発表直後に市場では今月FRBが実施する利下げ幅が0.50%になるとの観測が高まったが、徐々に0.25%の予想が強まった。

8月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比14万2000人増だった。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(16万1000人増)に届かなかった。6月と7月はいずれも下方修正し、雇用拡大のペースが鈍化していることを示した。

一方、失業率は前月の4.3%から4.2%に低下し、市場予想に並んだ。平均時給は前月比の上昇率が0.4%と、市場予想(0.3%)以上だった。市場では、「労働市場が正常化しているだけなのか、または減速傾向が強いのかという疑問をもたらした」との見方があり、強弱入り交じる内容が売りを誘った。

市場では米連邦準備理事会(FRB)が17〜18日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに踏み切るとの見方が根強い。FRBのウォラー理事も6日の講演で、「次回会合で政策金利を引き下げる時が来たと考える」と語った。このところ米労働市場の減速を示す指標が相次いでおり、市場では通常より大きい0.5%の利下げをするとの観測も根強く残っている。

個別では、アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトなどハイテク株に売りが出た。アメリカン・エキスプレスやボーイング、キャタピラーも下げた。半面、トラベラーズやマクドナルド、ビザなどは買われた。

ナスダック総合株価指数は反落した。前日比436.829ポイント(2.55%)安の1万6690.832で終えた。週間の下落率は5.7%と、22年1月中旬以来の下落幅となった。前日夕に四半期決算を発表したブロードコムが10.3%安で終えた。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)といった半導体株が軒並み下落した。アルファベットやテスラの下げも目立った。
 
 
 
 
 

【シカゴ日本株先物概況】
6日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比1755円安の3万5255円で終えた。
NYダウ平均は、米景気への警戒感から高リスクの株を手放す動きが広がり、続落した。同日の米株式相場がハイテク株を中心に大きく下げ、日経平均先物にも売りが及んだ。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て) 
35255 ( -1105 )
 
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
35280 ( -1080 )

( )は大阪取引所終値比






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

6日のFTSE100種総合株価指数は6日続落した。前日比60.24ポイント(0.73%)安の8181.47と、約1カ月ぶりの安値で終えた。英国時間午後に原油先物相場が急速に水準を切り下げるとシェルなどエネルギー株が下げ幅を広げ、指数を下押しした。

原油の国際指標のひとつである北海ブレント原油先物(11月物)は一時1バレル70ドル台と期近物としては2023年3月以来の安値をつけた。米中の景気減速などを背景に需給が緩むとの見方が出ていたところに、サウジアラビアがアジア向けの原油販売価格を引き下げるとの報道が重なった。

英バークレイズなど銀行株が売られたほか、資源や資本財の関連銘柄に売りが優勢だった。英アストラゼネカなど製薬株には買いが入った。

FTSEの構成銘柄では、住宅大手ビストリー・グループが6.29%安、高級衣料のバーバリーが5.18%安、産銅大手アントファガスタが3.76%安と下げを主導。一方、水道大手セバーン・トレントは1.50%高、医療機器のスミス・アンド・ネフューは1.40%高、水道サービス会社ユナイテッド・ユーティリティーズは1.14%高と買われた。
 
 


■ドイツ・フランクフルト株価指数

6日のドイツ株価指数(DAX)は4日続落し、前日比274.60ポイント(1.47%)安の1万8301.90と約3週間ぶりの安値で終えた。同日発表された4〜6月期のユーロ圏実質域内総生産(GDP)改定値が速報値から下方修正されるなど、欧州経済の不透明感が意識されたのが重荷となった。

欧州時間6日午後に発表された8月の米雇用統計が、市場の一部で警戒されていたほど大幅には悪化せず、DAXは上昇に転じる場面があった。ただその後に米株式市場で主要な株価指数が下げ幅を広げると投資家心理を冷やし、DAXも再び水準を切り下げた。

個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが6.69%安と急落し、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが3.54%安、ミュンヘン再保険が3.32%安で続いた。

半面、ドイツ取引所は1.33%高、エネルギー大手イーオンは0.95%高、医療機器のザルトリウスは0.85%高で取引を終えた。



■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は前日比1.07%下げ、約3週間ぶりの安値で終えた。