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365円安と続落 インバウンド関連に売り
東京株式(前引け)=365円安と続落 インバウンド関連に売り

 
17日午前の日経平均株価は続落し、午前終値は前週末比365円安の5万0011円53銭だった。下げ幅は一時500円を超え、節目の5万円を割り込んだ。
 
きょう前場の東京株式市場は、これまで売られていた半導体やAI関連の主力どころは強かった一方で、内需の消費関連株などに大きく値を下げるものが目立ち、日経平均は前週末に続き下値を探る展開を強いられた。一時フシ目の5万円大台を割り込む場面もあった。その後は下げ渋りいったんプラス圏に浮上したものの、買いは続かず前引けにかけて売り直された。米国での追加利下げ期待がひと頃より後退するなか、前週末のNYダウの下落に追随する展開になった。
 
中国外務省が中国国民に対し日本への渡航を控えるよう呼びかけたのをきっかけに、インバウンド(訪日観光客)関連銘柄に売りが膨らんだ。ファーストリテイリングが1銘柄で約270円、日経平均を押し下げた。
 
中国外務省は14日、中国国民に対し日本への渡航を当面控えるように注意喚起した。高市早苗首相が7日、台湾への武力攻撃が起こった際に「存立危機事態になり得る」と答弁したことに対する反発とみられている。中国訪日客の減少につながるとの懸念から、JALやANAHDなどの空運、良品計画や三越伊勢丹などの小売り関連株に売りが出た。
 
日経平均は小幅高に転じる場面もあった。節目の5万円近辺で押し目買いが入りやすかった。前週末に大きく下げたソフトバンクグループ(SBG)や東京エレクトロン、アドバンテストなどの半導体関連銘柄に買い戻しが入り、指数を支えた。
 

 
後場の日経平均株価は、下げ幅をさらに拡大する可能性が意識される。米国の利下げ観測の後退を受けたリスク回避ムード、さらに円高の進行が買い手を慎重にさせる環境が継続しそうだ。テクニカル面では、5万円付近が心理的な節目として意識されており、この水準を明確に下回ると下値を探る展開につながるとの見方がある。需給面では、寄付き後の売り先行の流れが残存しており、買い戻しが追いついていない状況も確認されており、これらを踏まえれば日中の反発には限界があるとの見方が浮上しよう。
 
東証株価指数(TOPIX)は続落した。前引けは27.20ポイント(0.81%)安の3332.61だった。JPXプライム150指数は続落した。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で3兆1697億円、売買高は12億2975万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1115。値上がりは439、横ばいは57だった。
 
 
個別ではサンリオが大幅安、ファーストリテイリングの下げもきつい。ニデック、ソニーグループ、ダイキン、ファナック、資生堂も売りに押された。良品計画、FOOD & LIFE COMPANIESも大幅安。ネットプロテクションズホールディングスがストップ安、Appier Group、CKDなども急落した。
 
半面、売買代金首位のキオクシアホールディングスが大幅高、ソフトバンクグループ、フジクラなども買いを集めた。今期見通しの上方修正を発表した三井住友FGは上げた。三井金属が値を上げ、三菱重工業、中外製薬もしっかり。三井E&Sが物色人気となった。電気興業が値上がり率首位となり、朝日インテック、メドレーなども値を飛ばした。