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ダウ続落309ドル安、利下げ観測が後退
【市況】ダウ続落309ドル安、利下げ観測が後退


14日のNYダウ工業株30種平均は続落し、終値は前日比309ドル74セント安の4万7147ドル48セントだった。

 

複数の米連邦準備制度理事会(FRB)高官は、12月の追加利下げについて慎重な姿勢を示しており、市場で早期利下げ期待が低下する中、この日はゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースといった金融株が売られた。

 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁は14日の講演で、インフレ率の高さに対する懸念を示し、12月の金融政策会合での利下げ決定に懐疑的な見解を示した。

 前日下げていたエヌビディアなどハイテク関連株には買い戻しが入った。

ただ人工知能(AI)関連株の高値警戒感が依然くすぶる中、日系証券筋は「来週発表されるエヌビディアの決算に注目が集まっている」と指摘した。

 

米短期金利先物の値動きから市場が織り込む政策金利予想を算出する「フェドウオッチ」によると、12月のFOMCで政策金利を0.25%引き下げる確率は14日午後時点で約46%と、前週末(67%)から低下している。「0.25%利下げへの期待が大きかっただけに、失望売りが出やすい」として、ダウ平均は寄り付き直後に600ドル近く下落する場面があった。

 

米連邦政府機関の一部閉鎖は終了したが、発表が見送られている主要な経済指標は依然として公表されていない。「足元の経済状況を見極める材料が限られており、不透明感は根強い」との声が聞かれた。

 

ただ、朝方に売りが膨らんだハイテク株が急速に下げ渋り、相場全体を支えた。米国とスイスは14日午前、関税交渉で合意したと明らかにした。米国はスイスに対し39%の相互関税を課していたが、15%に引き下げる。スイスは米国からの輸入品に対する税率を引き下げるほか、2000億ドル規模の対米投資を計画していると発表した。

 

米国と貿易相手国との通商交渉に進展が見られ、投資家心理が改善した。株価指標の面で割高感が強い人工知能(AI)関連銘柄など、このところ下げが目立っていた銘柄の買いが優勢になった。「短期的に売られすぎたと受け止めた投資家がハイテク株を買う動きがあった」との指摘が出ていた。

 

ダウ平均の構成銘柄ではナイキやユナイテッドヘルス・グループに売りが出た。アメリカン・エキスプレスやJPモルガン・チェースなど銀行株の一角も下げた。半面、エヌビディアが上げた。シェブロンやシスコシステムズも高かった。ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)にも買いが入った。

 

ナスダック総合株価指数は4日ぶりに反発した。終値は前日比30.234ポイント(0.13%)高の2万2900.589だった。マイクロン・テクノロジーやテスラが買われた。AI関連銘柄とされるパランティア・テクノロジーズも上げた。

 

【シカゴ日本株先物概況】
 


14日の日経平均先物は上昇した。12月物は前日比335円高の5万0430円で終えた。前日にかけて相場の重荷となっていたハイテク株の一角が持ち直し、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が上昇した。前日に大幅に下げた後で、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢になった。




シカゴ日経225先物 (円建て)  50430 ( +100 )

 

シカゴ日経225先物 (ドル建て) 50490 ( +160 )

 

( )は大阪取引所終値比






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 

14日の英FTSE100種総合株価指数は続落し、前日比109.31ポイント(1.11%)安の9698.37で終えた。英国の財政悪化への不安が再燃し、金融や不動産関連の銘柄を中心に幅広い業種・銘柄で売りが広がった。ハイテク株を中心とした前日の米国株安も投資家心理の重荷だった。

 

英国の財政不安は、秋季予算案について英フィナンシャル・タイムズ(FT)が、スターマー首相とリーブス財務相が所得税の増税計画を断念したと報じたことがきっかけとなった。報道を受けた英国債利回りの上昇(価格は下落)も嫌気された。

 

英FTSE100種を構成する100銘柄のうち下げ銘柄数は90を超えた。

 

FTSEの構成銘柄では、産業・エネルギー会社のメトレン・エナジー・アンド・メタルズが6.08%安、商業用不動産大手ランド・セキュリティーズが5.26%安、ホームセンター大手キングフィッシャーが4.03%安と下げを主導。一方、複合企業DCCは1.66%高、広告大手WPPは0.63%高、一部金融機関が目標株価を引き上げた高級衣料のバーバリーは0.33%高となった。

 



■ドイツ・フランクフルト株価指数
 

14日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比165.07ポイント(0.68%)安の2万3876.55で終えた。前日の米国株安や、米国での追加利下げ観測後退を背景に、投資家がリスク回避姿勢を強めた。

 

14日の米株式市場でナスダック総合株価指数が上昇に転じると投資家心理がやや上向き、DAXは下げ幅を縮小した。半導体の独インフィニオンテクノロジーズ、ソフトウエアの独SAPに売りが膨らんだ。

 

個別では、製薬大手バイエルが5.11%安、コメルツ銀行が3.34%安、通販大手ザランドが3.29%安と下落。半面、復配や中期業績見通しの引き上げを発表したエネルギー大手シーメンス・エナジーは9.35%高と急反発し、総合電機大手シーメンスと医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズもそれぞれ1.48%高、1.27%高で取引を終えた。


■フランス・パリ株価指数

欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は続落し、前日比0.75%安で終えた。