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反落45ドル安、半導体やハイテク株に売り
【市況】反落45ドル安、半導体やハイテク株に売り

17日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比45ドル66セント(0.12%)安の3万7753ドル31セントで終えた。
 
米長期金利の上昇が一服したため、ダウは値を上げて取引を開始した。ただ、決算内容が振るわなかったオランダの半導体製造装置大手ASMLが急落。インテルやエヌビディアなど他の半導体銘柄にも売りが波及し、相場は軟調に推移した。
 
米長期金利の低下を受けてダウはプラス圏に浮上する場面があった。一方、インフレの根強さを背景に米利下げの開始時期が遅れるとの観測や、決算内容が予想を下回った米保険大手トラベラーズの売りが膨らんだことも重荷となり、引けにかけて値を下げた。
 
トラベラーズが7%安となり、指数を下押しした。17日に発表した2024年1〜3月期決算で1株利益が市場予想に届かなかった。来週から再来週には大手ハイテク企業の決算発表が相次ぐ。ダウ平均の構成銘柄では、アマゾン・ドット・コムやアップル、マイクロソフトなど主力ハイテク株が下げ、相場の重荷となった。
 
インテルも安い。オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングが17日に発表した24年1〜3月期決算で受注額が市場予想に届かず、半導体関連株に売りが波及した。ダウ平均の構成銘柄ではないが、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)といった半導体株が軒並み下げ、投資家心理の悪化につながった面もある。
 
米国のインフレ鈍化に一服感が出ており、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始が想定よりも遅れるとの観測が強まっていることも買い手控えにつながったとの見方があった。FRBが17日午後に公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、物価上昇は「平均して緩やかで、(3月に公表された)前回の報告とほぼ同じペースだった」と指摘した。
 
米国の利下げ観測が後退するなか、市場では「米長期金利が足元で急速に上昇して不安定な動きへの警戒が残っている。来週以降にヤマ場を迎える決算発表前に買われすぎの水準にある銘柄には利益確定の売りが出やすい」との声が聞かれた。
 
ダウ平均は高く始まり、上げ幅は200ドルを超える場面があった。前月末に比べ2000ドルほど安い水準にあり、一部の主力株には押し目買いが入った。今週決算を発表したユナイテッドヘルス・グループとゴールドマン・サックスがそれぞれ2%前後上昇した。マクドナルドとナイキも高い。
 
ナスダック総合株価指数は4日続落した。前日比181.878ポイント(1.14%)安の1万5683.373と、約2カ月ぶりの安値で終えた。半導体関連株の下げが目立った。メタプラットフォームズやテスラも売られた。
 
 

【シカゴ日本株先物概況】
 
17日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比685円安の3万7780円で終えた。この日は半導体関連などハイテク銘柄に売りが出たことで日米の株式相場が下げ、シカゴ市場でも日経平均先物の売りを促した。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
37780 ( -60 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)
37810 ( -30 )
 
( )は大阪取引所終値比







【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7847.99(+27.63)
 
17日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比27.63ポイント(0.35%)高の7847.99で終えた。前日に下げが目立っていた英HSBCホールディングスなど銀行株や、英アングロ・アメリカンといった資源株が買われ、指数を支えた。

飲食料品・たばこやエネルギー株にも買いが優勢だった。一方、英GSKなどの製薬株や日用品関連の銘柄には売りが出た。 

FTSEの構成銘柄では、鉱業大手アングロ・アメリカン(3.51%高)や産金大手フレスニロ(2.91%高)、産銅大手アントファガスタ(2.76%高)が買われた一方、物流施設大手セグロ(2.04%安)や保険大手フェニックス・グループ・ホールディングス(1.82%安)などが売られた。
 
 
 
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 17770.02(+3.79)

17日のドイツ株価指数(DAX)は小幅に反発し、前日比3.79ポイント(0.02%)高の1万7770.02で終えた。日用品のヘンケル株も上げるなど、消費関連の銘柄に買いが入った。銀行株にも買いが優勢だった。ただ、17日の米株式市場で主要指数が伸び悩むと、DAXも上げ幅を縮めた。

個別では、業績見通しを上方修正したスポーツ用品大手アディダスが8.64%高で2年ぶりの高値水準。エネルギー大手シーメンス・エナジーが1.98%高、コメルツ銀行が1.88%高だった。

他方、16日公表した24年1〜3月期の売上高(速報値)が98億ユーロ程度と市場予想を下回った自動車部品大手コンチネンタルが5.47%安、製薬大手メルクが2.58%安だった。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7981.51(+48.90)

フランスCAC40種指数は0.62%高だった。