NYダウ182ドル安と続落、米中対立の激化懸念
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【市況】NYダウ182ドル安と続落、米中対立の激化懸念 |
24日のNYダウ工業株30種平均は前日比182ドル44セント安の2万6469ドル89セントと続落で終えた。前日夕に四半期決算と同時に最先端半導体の発売の遅れを発表した半導体のインテルが急落し、相場の重荷になった。米中関係の悪化への懸念が強まったのも投資家心理を冷やした。
中国政府は24日、米国に対し、四川省成都にある総領事館の設立許可を取り消すと通告した。米国がテキサス州の中国総領事館の閉鎖を要請したことへの報復措置。米側は中国への批判を強めており、報復の連鎖による米中対立の激化への懸念から、投資家がリスク回避姿勢を強めた。
高度な製造プロセスを利用する半導体チップの投入が想定より半年遅れるとの見通しを発表したインテルはアナリストによる投資判断や目標株価の引き下げが相次ぎ、16%下落。1銘柄でダウ平均を67ドルあまり押し下げた。同業のマイクロン・テクノロジーや半導体メモリーのウエスタンデジタルなど半導体関連株の一角が連れ安した。
ネットワーク機器シスコシステムズが売られ、来週に決算発表を控えるスマートフォンのアップルや交流サイト(SNS)のフェイスブックなど主力ハイテク株が総じて下げた。トランプ米大統領が24日にも薬価引き下げを含む大統領令に署名すると伝わり、製薬のファイザーなどヘルスケア関連株への売りも目立った。ダウ平均は一時249ドル安を付けた。
一方、証券会社が目標株価を引き上げた建機のキャタピラーが上げた。決算で携帯電話の契約者数が増えた通信大手のベライゾン・コミュニケーションズも買われた。ニューヨーク金先物が一時1トロイオンス1900ドルを越え、過去最高値に迫った。これを好感しニューモントなど金鉱株が上げた。
セクター別では、半導体・同製造装置、医薬品・バイオテクが下落した一方で、小売りが上昇。
ナスダック総合株価指数は同98.24ポイント安の1万0363.18で終えた。主力ハイテク株に加え、電気自動車(EV)のテスラも下げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,469.89−182.44
S&P500種
3,215.63−20.03
ナスダック
10,363.177−98.240
NY金(ドル/トロイオンス)
1,897.50+7.50
NY原油(ドル/バレル)
41.34+0.27
円・ドル
106.04 - 106.06−0.82

24日のシカゴ日経平均先物は続落した。9月物は前日比200円安の2万2340円で引け、22日の大取終値を410円下回った。
米国政府がテキサス州ヒューストンの中国総領事館の閉鎖を命じた報復措置として、中国政府も成都の米国総領事館閉鎖を要求し、米中対立深刻化で投資家心理が悪化し下落で寄り付いた。ハイテク株の売りも続き引けにかけて下げ幅を拡大した。
円高進行も弱材料になった。この日の9月物安値は2万2250円、高値は2万2620円
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22340 ( -410 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22355 ( -395 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
24日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前日の終値に比べ87.62ポイント安の6123.82で引けた。中国外務省は24日、四川省成都市の米総領事館を閉鎖するよう通知した。米中対立の先鋭化で24日に中国株が急落し、欧州市場にも売りが広がった。
指数構成銘柄の約8割が値下がりした。
IHSマークイットが24日発表した7月の英購買担当者景気指数(PMI)速報値は製造業とサービス業を合わせた総合で57.1と6月から9.4ポイント改善し、2015年6月以来5年1カ月ぶりの高水準となった。市場予想も上回ったが、米中関係の悪化を嫌気した売りが優勢だった。
個別銘柄では、英金融大手M&Gが5.9%安。英通信大手ボーダフォンは5.2%安、欧州航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は4.8%安の下げが目立った。
一方、英流通大手テスコは2.2%高、同業モリソンズは1.8%高、配管・暖房流通大手ファーガソン(旧ウルズリー)は1.7%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
24日のドイツ株式指数(DAX)は3日続落した。終値は前日と比べて265.33ポイント(2.0%)安の1万2838.06だった。米中対立の激化で世界景気が悪化しかねないとの懸念から売りが出た。
■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)4,956.43 -77.33