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NYダウ3日続落、インフレ指標発表控え様子見
【市況】NYダウ3日続落、インフレ指標発表控え様子見


9日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比152ドル68セント(0.4%)安の3万4447ドル14セントで終えた。5月7日につけた過去最高値(3万4777ドル)が近づき、高値警戒感から売りが優勢だった。
 
インフレの動向を探るため、市場は10日発表の5月の米消費者物価指数(CPI)待ちとなっている。インフレ関連指標は、雇用関連指標とともに米連邦準備制度理事会(FRB)による量的緩和策の縮小議論開始に影響を与えるとみられ、市場の注目が集まっている。
株価はこのところ、レンジ内の取引が続く。この日も新規の手掛かり材料に欠け、総じて動意に乏しい展開となった。株価が史上最高値に近づく中で高値警戒感も意識され、積極的な買いが手控えられた。
 
足元で堅調だった景気敏感株が売りに押され、航空機のボーイングや建機のキャタピラー、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスが下げた。米長期金利が一時1.47%と1カ月ぶりの低水準を付け、利ざや縮小の観測からJPモルガン・チェースなど金融株が下げた。
 
インフレが加速する中で、CPIの結果を確認したい投資家が多い。市場では「予想より上振れすれば、米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和を早期に縮小するとの観測が盛り返す可能性がある」との指摘が聞かれた。取引終了にかけ、相場は持ち高調整の売りに押された。
 
一方、長期金利の低下で高PER(株価収益率)のハイテク株の一角が買われ、相場を下支えした。ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルが小幅に上昇した。
 
 
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前日比13.161ポイント安の1万3911.750で終えた。朝方に1カ月ぶりに1万4000台に乗せたが、取引終了直前に下げに転じた。交流サイトのフェイスブックや電気自動車のテスラが下落。半導体株にも売りが目立った。             
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,447.14−152.68
S&P500種
4,219.55−7.71
ナスダック
13,911.750−13.161
NY金(ドル/トロイオンス)
1,895.50+1.10
NY原油(ドル/バレル)
69.75−0.30
円・ドル
109.62 - 109.64+0.18

 

【シカゴ日本株先物概況】


9日のシカゴ日経平均先物は続落した。6月物は前日比160円安の2万8825円で引け、9日の大取終値を15円下回った。
10日発表の5月消費者物価指数(CPI)の発表を控え、様子見姿勢が強い一日となった。ダウは高値警戒感から売り圧力が強く、景気敏感株を中心に売られた。プラスに転じる場面もあったが、引けにかけて下げ幅を拡大し、取引を終えた。CPIを見極めたい向きが多く、値動き幅は限られた。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
28825 ( -15 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28820 ( -20 )
( )は大阪取引所終値比
 




【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7081.01(−14.08)
9日のFTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反落した。前日の終値に比べ14.08ポイント安の7081.01で引けた。構成銘柄の7割近くが下落した。
10日に米消費者物価指数と欧州中央銀行(ECB)の金融政策が発表されることから、全体的に様子見気分が強かった。英国と欧州連合(EU)の北アイルランド国境問題をめぐる交渉が平行線に終わったことなどが心理的な重しとなった。
前日まで上昇基調が続いたため、売りが出やすかった。午後に時価総額の大きい石油株に買いが入り、下げ幅は縮小した。
金属相場の下落を背景に、主力の鉱業株は全銘柄が下げた。
個別銘柄では、前日に急騰した南アフリカの炭鉱会社サンジェラ・リソーシズは、利益確定の売りで9%超下げた。銀行株をはじめ金融株も売られた。
半面、航空大手のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は3.3%高と高かった。欧州諸国ではコロナ感染の規制が緩和されつつあり、渡航制限にも緩和が拡大されるとの期待が強まった。製薬大手アストラゼネカ(2.5%高)、同グラクソ・スミスクライン(2.1%高)などの製薬株が堅調と医薬品株も上げた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15581.14(−59.46)
9日のドイツ株式指数(DAX)は3日続落した。終値は前日と比べて59.46ポイント(0.4%)安の1万5581.14だった。
10日に欧州中央銀行(ECB)理事会と5月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて、買いを手控える向きが多かった。
 
個別では、素材メーカーのコベストロは前日に続き安くひけた。ドイツ銀行も売られた。欧米の長期金利低下を背景に、利ざや改善が一服するとの見方が材料になった。医薬・化学大手のメルクなど医薬、医療関連株は上昇した。
 

 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6563.45(+12.44)
欧州の主要株式市場では、フランスの株価指数CAC40は小幅ながら上昇した。