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146ドル高と続伸、金利上昇の一服が支え
【市況】146ドル高と続伸、金利上昇の一服が支え
29日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。前週末比146ドル43セント(0.38%)高の3万8386ドル09セントで終えた。
 
前週末に大幅上昇したマイクロソフトなどが売られた一方、最近値下がり傾向が続いていたボーイングやキャタピラーといった銘柄に買い戻しが入った。アップルは、米オープンAIと同社の生成AI(人工知能)技術利用に関し協議を再開したとの報道が好感されて買われた。
長期金利が低下し、株価を下支えした。
 
アップルが2.4%上昇して終えた。アナリストが投資判断を引き上げたほか、対話型生成人工知能(AI)「チャットGPT」を手掛けるオープンAIと技術利用に関する協議を再開したと前週末に伝わった。ダウ平均の構成銘柄ではないが、中国で運転支援機能「フルセルフドライビング」の実用化への期待が高まったテスラは15.3%高だった。
 
市場では「米長期金利の上昇が一服しており、株買いにつながっている」との指摘が聞かれた。米長期金利は前週におよそ5カ月ぶりに4.7%台まで上昇したが、29日は4.6%台前半を中心に推移した。
 
主力株への買いが一巡した後、ダウ平均は伸び悩んだ。30日にアマゾン・ドット・コム、5月2日にアップルの四半期決算の発表がある。内容を見極めたいという雰囲気があった。
 
5月1日には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表がある。政策金利を据え置く公算が大きいものの、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が記者会見で、今後の政策運営についてどのような発言をするのかに注目が集まる。週内には4月の米雇用統計など重要な経済指標の発表もあり、積極的な買いを入れる動きは限られた。
 
ダウ平均の構成銘柄では、ボーイングとアムジェン、キャタピラーが上昇した。半面、インテルやマイクロソフト、ユナイテッドヘルス・グループが安かった。
 
ナスダック総合株価指数は続伸した。前週末比55.184ポイント(0.34%)高の1万5983.084で終えた。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が買われた。半面、アルファベットとメタプラットフォームズが下落した。
 
 


【シカゴ日本株先物概況】
 
29日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前週末比40円安の3万8325円で終えた。
NYダウ平均は、翌日以降に米主要企業の決算発表や連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策決定を控える中、続伸した。
同日は米主要株価指数が上昇したものの、日経平均先物への影響は限られた。
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
38325 ( +425 )
 
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38350 ( +450 )
 
( )は大阪取引所終値比






【欧州株式市場】
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8147.03(+7.20)
 
29日のFTSE100種総合株価指数は小幅に3日続伸し、最高値を更新した。終値は前週末比7.20ポイント(0.08%)高の8147.03だった。英アングロ・アメリカン株が前週末比4%高となるなど資源株に買いが優勢となり、指数上昇に寄与した。

資源株のほか、製薬や保険株にも買いが入った。他方、エネルギー株には売りが優勢で指数の上値を抑えた。

FTSEの構成銘柄では、賭け屋大手エンテインが4.34%高と上昇率トップ。鉱業大手アングロ・アメリカンが4.05%高、米ヘッジファンドのエリオット・インベストメント・マネジメントがアングロ・アメリカン株の保有を増やしたと伝わった。オーストラリアの同業BHPグループが買収案の再提示へ向けて協議していると報じられたのも、支援材料だった。
包装資材大手DSスミスが3.41%高と続いた。
一方、小売り大手JDスポーツ・ファッションは2.95%安、建機レンタルのアシュテッド・グループは2.13%安だった。
 
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18118.32(-42.69)
 

29日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前週末比42.69ポイント(0.23%)安の1万8118.32で終えた。ドイツ銀行に売りが膨らむなど銀行株が下げ、指数の重荷となった。ソフトウエア大手SAPなどテクノロジー関連株にも売りが優勢だった。

個別では、ドイツ銀行(8.64%安)は過去に買収した傘下ポストバンクを巡る訴訟に備えた引当金の計上が2024年4〜6月期と12月通期の利益に響くとの見通しを示したことが嫌気された。高級車メーカーのポルシェ(2.81%安)、コメルツ銀行(2.59%安)が売られた半面、商用車大手ダイムラー・トラック・ホールディング(2.63%高)や電力大手RWE(2.52%高)などが買われた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 8065.15(-23.09)

フランスCAC40種指数は0.28%安だった。この日発表されたドイツのインフレ率が市場予想を上回ったことを背景に、さげた。