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NYダウ反発91ドル高 景気回復期待
【市況】NYダウ反発91ドル高 景気回復期待

1日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発した。前週末比91ドル91セント高の2万5475ドル02セントで終えた。
米経済活動の正常化への期待から、金融株など景気敏感株が買われた。ただ、白人警官による黒人暴行死への抗議デモが全米で広がっており、経済再開に水を差すとの見方は相場の重荷となった。
 
全米各州が経済活動を段階的に再開し、米景気の回復期待が根強い。米サプライ管理協会(ISM)が1日発表した5月の米製造業景況指数は43.1と、2009年4月以来11年ぶりの低水準だった前月(39.9)から上昇した。景気拡大と縮小の節目とされる50を3カ月連続で下回ったが、市場は「より良い方向への第一歩」(米エコノミスト)と評価。中国や欧州でも製造業の持ち直しを示す統計が発表されたため、世界経済が回復に向かっているとの楽観的なムードが広がった。
 
シティグループが3%高となるなど、業績が景気の影響を受けやすい金融株が軒並み上昇した。クレジットカードのアメリカン・エキスプレス(アメックス)や石油のエクソンモービルなどへの買いも目立った。旅客需要の回復期待でユナイテッド航空ホールディングスなど空運株も大幅高となり、航空機のボーイングは4%近く上昇した。
 
 
一方、米中関係の悪化懸念も相場の重荷となった。米メディアは1日、中国政府が国営企業に対して大豆や豚肉など米国産農産品の輸入を一時停止するように命じたと伝えた。米政権が関税など香港への優遇措置を取り消す考えを示したことに対する対抗措置という。
 
また、米中西部ミネソタ州で黒人男性が白人警官による拘束時に死亡した事件をめぐり、人種差別への抗議デモが全米各地に広がっていることも投資家心理の重しとなった。
首都ワシントンやサンフランシスコなど40を超える都市で夜間外出禁止令が出された。小売りのウォルマートやターゲットなどは店舗の一時閉鎖や営業時間の短縮を迫られた。抗議デモが長期化すれば米景気の足を引っ張りかねないと警戒された。
ダウは朝方に一時162ドル安まで売られ、プラス圏に浮上した後も上値は重かった。
 
セクター別では、自動車・自動車部品や不動産が上昇、一方、医薬品・バイオテクが下落した。
 
ナスダック総合株価指数は続伸し、前週末比62.18ポイント高の9552.05と、2月下旬以来約3カ月ぶりの高値で終えた。アナリストが目標株価を引き上げた通販のアマゾン・ドット・コムが上昇。SNS(交流サイト)のフェイスブックやスマートフォンのアップルも高い。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,475.02+91.91
S&P500種
3,055.73+11.42
ナスダック
9,552.049+62.176
NY金(ドル/トロイオンス)
1,750.30−1.40
NY原油(ドル/バレル)
35.63+0.19
円・ドル
107.57 - 107.59+0.05


 

【シカゴ日本株先物概況】

 
1日のシカゴ日経平均先物は6営業日続伸した。6月物は前週末比270円高の2万2220円で引けた。1日の大取終値を100円上回った。
米景気回復への期待から日経平均先物は米株とともに買い進まれた。
米サプライマネジメント協会(ISM)が1日発表した5月の製造業景況感指数は前月比上昇し、景気改善を示した。
ただ、白人警官の暴行による黒人死亡事件への人種問題を巡る全米抗議デモが全米に広がっており、経済再開の遅れに対する警戒感も強まった。米中関係悪化への懸念も上値を抑えた。
 
この日の6月物高値は2万2240円、安値は2万1750円。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
22220 ( +100 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
22230 ( +110 )
( )は大阪取引所終値比






【欧州株式市場】
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6166.42(+89.82)
1日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前週末の終値に比べ89.82ポイント(1.5%)高の6166.42で引けた。経済再開の動きが広がり、景気回復への期待が追い風となった。
 
トランプ米大統領が5月29日の演説で香港への優遇措置を見直すと表明した一方、警戒されていた中国との貿易合意撤回や追加関税などには言及しなかった。
対中姿勢が予想したほど強硬ではなかったと受け止められたのも買い戻しを促した。
一部報道で、トランプ氏の演説を受け、中国政府が国営企業に対して米国からの大豆や豚肉の輸入を一時的に停止するように指示したようだと伝わったが、1日時点の英株式市場で材料視する動きは限られた。
指数構成銘柄全体の約8割が上昇した。金融、観光など幅広い銘柄が買われる一方、製薬株の一角が売られた。
 
個別では、食品・衣料小売りのアソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズ(ABF)が8%高と大幅上昇した。傘下の格安衣料品店「プライマーク」について、英政府の方針に従い、15日から営業を再開すると発表したのが好感された。英国では1日から屋外市場や自動車ディーラーのショールーム営業が再開した。政府は15日から百貨店などの小売店の営業も許可するとしている。
金融大手スタンダード・チャータードが8.7%の大幅高。同業のバークレイズ(4.8%高)、HSBCホールディングス(2.8%高)など銀行株の値上がりも目立った。
 
半面、製薬大手ヒクマ・ファーマシューティカルズが3.0%安。同業のグラクソ・スミスクラインも0.5%安と軟調だった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
休場
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4762.78(+67.34)