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531円安と反落 米ハイテク株安と戻り待ちの売りで
東京株式(前引け)=531円安と反落 米ハイテク株安と戻り待ちの売りで

 
8日午前の日経平均株価は反落し、午前終値は前日比531円71銭(1.37%)安の3万8303円39銭だった。
 
きょう前場は主力株をはじめ広範囲に売り優勢の地合いとなった。日経平均は朝方軟調にスタートした後も下げ幅を広げ、取引終盤の午前11時過ぎに改めて売り直され、この日の安値圏で前場の取引を終えている。前日の米国株市場が上昇一服となったことを受けて実需の買いが入りにくく、日経平均は前日の上昇分の大半を吐き出す形となっている。半導体関連など値がさハイテク株の下げが目立っている。
日経平均は前日に600円近く上昇しており、戻り待ちの売りが出たことも重荷となった。
 
7日の米株式市場ではナスダック総合株価指数が4営業日ぶりに反落し、主要な半導体株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は0.73%下げた。東京株式市場でも東エレクやソニーG、ファナックなどハイテクの主力株が下落した。業種別では輸送用機器、証券、保険業などが軟調だった。
 
日銀の植田和男総裁は8日、衆院財務金融委員会に出席し足元の為替の円安に対し、「これまでのところ基調的物価に大きな影響はなかった」とした上で「今後影響するリスクは注意深く見ていく」と語った。同日午前の外国為替市場では円安・ドル高が進んだが、「円安進行が日本政府・日銀による円買い介入につながるとの思惑から警戒感が高まり、むしろ売り材料になった」との見方があった。
 
 
為替は1ドル155円20銭台で推移している。3日の米雇用統計発表直後の151円台からじりじりと反発。政府・日本銀行による円買い介入観測は引き続き残るなか、あっさりと155円台を回復した。取引量が多い東京市場での介入は資金を多く使うため、日中は介入実施しないといった思惑も影響しているもよう。後場は為替を睨みつつ、決算発表銘柄に注目が集まるだろう。
 
東証株価指数(TOPIX)は反落し、前引けは33.52ポイント(1.22%)安の2712.70だった。JPXプライム150指数も反落し、15.82ポイント(1.32%)安の1183.71で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆571億円、売買高は7億1557万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1132。値上がりは474、横ばいは44だった。
 
業種別株価指数は保険業、輸送用機器、電気機器、銀行業など全33業種で下落。
 
 
個別では、ディスコが軟調、トヨタ自動車が値を下げ、前日に2024年3月期決算を発表した任天堂も大きく売りに押される展開になった。ソニーグループも下値を探る動き。ファーストリテイリングも安い。リコーが大幅安、JMDCの下げ、日立、伊藤忠、野村、第一生命HDなども売られた。
 
半面、ソシオネクストが逆行高、霞ヶ関キャピタルも急速に上値を追った。オリエンタルランドが高く、ローツェも買われた。インソースはストップ高に買われる人気。ユニチャーム、ベイカレントは高い。チャーム・ケア・コーポレーション、横河電機なども大幅高だった。