兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。

OCN版はコチラ

5日ぶり反落42ドル安、米金利上昇が重荷
【市況】5日ぶり反落42ドル安、米金利上昇が重荷

24日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前日比42ドル77セント(0.11%)安の3万8460ドル92セントで終えた。
中東情勢の不透明感から原油先物相場の高止まり状態などが続く中、「インフレが簡単に収まらない」(市場参加者)との観測が改めて意識され、序盤に米長期金利が上昇。アマゾン・ドット・コムやエヌビディアなどハイテク株が値を下げたほか、赤字決算だった米航空機大手ボーイングの売りが膨らみ相場の足かせとなった。
ダウの下げ幅は一時200ドルに迫った。ただ、発表が本格化している企業決算への期待感などが支えとなり、終盤にかけて下げ幅は縮小した。
 
米長期金利は4.6%台後半に上昇する場面があり、前日終値(4.60%)を上回って推移した。朝発表の3月の米耐久財受注額は前月比2.6%増と市場予想と一致したものの、下方修正された2月分(0.7%増)から伸びが加速した。インフレの根強さが意識されやすいなか、25日発表の1〜3月期の実質国内総生産(GDP)速報値や26日発表の3月の個人消費支出(PCE)物価指数を見極めたい雰囲気があった。
 
25日にはアルファベットとマイクロソフトの決算発表がある。米連邦準備理事会(FRB)による利下げが遅れ、高金利環境が長引く可能性が意識されるなか「巨大ハイテク企業を中心に今後も株価の上昇を支える業績見通しが示されるか注目している」との声が聞かれた。
 
ボーイングが3%近く下げた。2024年1〜3月期決算が市場予想ほど悪化せず、買いが先行したものの、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがシニア無担保社債を格下げしたことが重荷となった。ホーム・デポやアマゾン・ドット・コム、スリーエムも安い。
 
ダウ平均は小幅に上昇する場面もあった。ダウ平均の構成銘柄ではないが、テスラが12%高となり、市場心理の改善につながった。前日夕発表の24年1〜3月期決算は減収減益となったものの、説明会で新モデルの生産を25年前半にも始める考えを示した。
 
前日夕に決算を発表した半導体のテキサス・インスルメンツが上昇し、ダウ平均の構成銘柄では同業のインテルが買われた。前日夕に決算を発表したビザも高い。アップルやコカ・コーラ、ウォルマートも上昇して終えた。
 
ナスダック総合株価指数は小幅に3日続伸した。前日比16.109ポイント(0.10%)高の1万5712.749で終えた。テスラが指数を支えた半面、エヌビディアは3%安だった。
 
 

【シカゴ日本株先物概況】
 
24日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比270円高の3万8185円で終えた。
NYダウ平均は、根強いインフレを背景とした米長期金利上昇が重荷となり、5営業日ぶりに反落した。
この日、米株式相場が方向感に欠けたものの、日経平均株価が大幅高で終えており、シカゴ市場では日経平均先物に買いが優勢となった。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
38185 ( -255 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38225 ( -215 )
 
( )は大阪取引所終値比




【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8040.38(-4.43)

24日のFTSE100種総合株価指数は6営業日ぶりに小幅に反落し、前日比4.43ポイント(0.05%)安の8040.38で終えた。英イングランド銀行(中央銀行)による利下げ開始時期が遅れる可能性が意識され、投資家心理の重荷となった。指数は取引時間中には前日につけた最高値(終値で8044.81)を上回る場面があるなど、下値は限られた。

FTSEの構成銘柄では、特殊化学品大手クローダ・インターナショナルが4.79%安と最も大きく売られた、2024年1〜3月期が前年同期比で2ケタ減収になったと24日に公表したことが売り材料となった。オンライン食品販売大手オカド・グループが3.49%安、賭け屋大手エンテインが3.31%安で続いた。

一方、鉱業大手アングロ・アメリカンは4.45%高、生活用品大手レキット・ベンキーザーは2.92%高、資源大手リオティントは2.50%高だった。

 

 


■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18088.70(-48.95)

24日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反落し、前日比48.95ポイント(0.26%)安の1万8088.70で終えた。アリアンツなど保険株が下げた。ドイツ取引所の株価下落が目立ったほか、ドイツ長期金利の上昇を背景に不動産関連の銘柄にも売りが出た。

個別では、ドイツ取引所が4.01%安、通販大手ザランドが3.97%安、不動産大手ボノビアが1.67%安と売られた半面、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは5.45%高、防衛大手ラインメタルは1.17%高、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズは1.15%高で取引を終えた。


 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 8091.86(-13.92)

フランスCAC40種指数は0.17%安だった。さえない決算や業績見通しを発表した銘柄を中心に売りが優勢となった。