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NYダウ30ドル高、米中貿易摩擦解消への期待
【市況】NYダウ30ドル高、米中貿易摩擦解消への期待

5日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比30ドル52セント高の2万7492ドル63セントと連日で過去最高値を更新した。
米中の貿易交渉が進展するとの期待感に加え、景気指標の改善を好感した買いも入った。ただ、高値警戒感から利益確定売りも出やすく、引けにかけて伸び悩んだ。
 
英フィナンシャル・タイムズ(FT)が5日、米政権が米中貿易交渉の「第1段階」の合意実現に向けて、9月に中国製品に課した制裁関税の取り下げを検討していると報じた。合意に至れば、米が12月15日に予定している制裁関税「第4弾」の発動も見送られる可能性がある。中国の知的財産権保護など未解決の問題もあるが、市場では米中関係が改善に向かっていると受け止められた。
 
また、午前に発表された米サプライ管理協会(ISM)の10月非製造業景況指数が市場予想を上回る堅調な結果だったことも相場の安心材料となった。前週末発表の米雇用統計が予想外に好調だったことを受け、米景気の後退局面入りへの不安は大きく後退する中、「米中貿易戦争の悪影響は非製造業に大きく広がっていない」と受け止められた。
 
航空機のボーイングが上昇し、ダウ平均を押し上げた。2度の墜落事故への対応などを巡り、取締役会がデニス・ミューレンバーグ最高経営責任者(CEO)への信頼を示したと伝わった。経営体制への不透明感が薄れ、買いを誘った。非上場化を検討していると報じられたドラッグストア大手のウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスも上昇した。
 
米長期金利が上昇し、利ざや拡大観測からJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスも買われた。
 
セクター別では、食品・生活必需品小売や消費者・サービスが上昇する一方で不動産や商業・専門サービスが下落した。
 
ナスダック総合株価指数も小幅に3日続伸し、同1.480ポイント高の8434.680と最高値で終えた。アルファベットなどが買われた。S&P500種株価指数は3営業日ぶりに反落した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
27,492.63+30.52
S&P500種
3,074.62−3.65
ナスダック
8,434.680+1.480
NY金(ドル/トロイオンス)
1,511.10−0.30
NY原油(ドル/バレル)
57.22+0.68
円・ドル
109.16 - 109.17+0.38

 

【シカゴ日本株先物概況】


シカゴ日経平均先物は続伸した。
12月物は前日比205円高の2万3335円で引け、大取終値を15円上回った。米中貿易協議の進展期待で米株が上昇し、日経平均先物にも買いが広がった。
今月中に部分合意を目指す米中貿易交渉を巡り、米政権が9月に発動済みの対中制裁関税の一部撤廃を検討していると伝わり、貿易摩擦に対する懸念が後退した。
5日発表の10月の米サプライマネジメント協会(ISM)の非製造業景況感指数が市場予想を上回る強い内容となったことも好感され、NYダウ工業株30種平均は連日で史上最高値を更新した。
 
この日の12月物高値は2万3385円、安値は2万3105円。


シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23335 ( +15 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23345 ( +25 )
( )は大阪取引所終値比



【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7388.08(+18.39)
FTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前日の終値に比べ18.39ポイント高の7388.08で引けた。
米中貿易協議の進展期待などを背景に、米国株が史上最高値を更新する中、英国株も堅調に推移した。ただ、上げ幅は小幅にとどまった。指数構成銘柄全体の約6割が上昇した。
 
主な個別銘柄では、衣料小売りと食品事業のアソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズは、衣料部門などの堅調な業績により通期の利益が増加したと発表し、5%超上昇した。航空機エンジンのロールス・ロイスも4%超の上昇と目立った。金融株も上がるなか、スタンダードチャータード銀行は複数のアナリストによる株価目標引き上げが好感された。
 
半面、アストラゼネカなど医薬品株は売られた。金価格の下落を背景に、ロシアの金銀生産大手のポリメタル・インターナショナルと金関連のフレスニージョの下落も目立った。産業用ソフトウエアのアヴィバグループは大幅安だった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13148.50(+12.22)
ドイツ株式指数(DAX)は3日続伸した。終値は前日と比べて12.22ポイント(0.09%)高の13148.50と、終値ベースで前日に引き続き2018年5月以来、約1年5カ月ぶりの高値水準で引けた。ただ、日中を通して前日の終値付近の狭い範囲で推移した。
 
個別銘柄では、中国市場への参入を発表したオンライン決済サービスのワイヤーカードが3%高となった。タイヤのコンチネンタルも上昇した。
半面、1〜9月期の業績を発表した不動産のボノビアは売られた。電力のRWEも下がった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5846.89(+22.59)
フランスの株価指数CAC40は続伸し、終値ベースで12年ぶり、約1年5カ月ぶりの高値水準を更新した。