兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。

OCN版はコチラ

148円高、円安進行を好感して反発
東京株式(前引け)=148円高、円安進行を好感して反発
24日午前の日経平均株価は3営業日ぶりに反発し、前日比148円49銭高の2万2236円53銭で前引けを迎えた。
 
朝方は買いが先行した。寄り付きの取引が一段落すると上げ幅を縮小する銘柄が多かったが、前場後半には再び買いが強まった。
外国為替市場で円相場が1ドル=108円台後半まで円安方向に振れ、日本企業の輸出採算が悪化するとの懸念が後退。自動車や機械など大型輸出株を中心に買いが広がった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も反発した。
 
23日の米国債市場で、長期金利の指標とされる10年物国債利回りが心理的な節目である3%に迫った。
米長期金利の上昇で運用環境が改善するとして、銀行や保険など金融株にも値上がりする銘柄が目立った。第一生命HDやT&Dが上昇。金融の三菱UFJや三井住友FG、みずほFGも上げた。
 
ただ、米長期債の利回り上昇が続けば、債券の投資価値が高まり、株式市場から資金が流出しやすくなる。このため、市場では「きょうは米長期金利が買い材料視されたが、金利上昇で米国株が急落するリスクが増した」と警戒する声が聞かれた。
また、24日取引終了後の日電産を皮切りに、主要企業の2018年3月期決算の発表が本格化する。その内容を見極めたいとして「様子見ムードがある」という。
 
前引けの東証1部の売買代金は概算で1兆1287億円、売買高は7億3749万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1476と、全体の7割を占めた。
値下がりは498、変わらずは108銘柄だった。
 
業種別株価指数(全33業種)は銀行業、輸送用機器、情報・通信業などが上昇し、非鉄金属と水産・農林業は下落した。
 
個別では三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクの上値追い継続、トヨタ自動車など自動車株も買われた。マネックスが上昇。Gブイ・テクノロジー高く、日立製作所も堅調。宮越ホールディングスが続急伸、タカラレーベンも買われた。
 
半面、任天堂も売りに押された。米財務省が対ロ制裁の一部猶予を発表したことを受け、アルミニウムなどの価格が下落。市況悪化への警戒感から非鉄金属の一角が下げた。住友金属鉱山が大幅安となり、花王も冴えない。コクヨが急落、しまむら、大阪チタニウムテクノロジーズなども大きく値を下げた。
 
東証2部株価指数は前日比24.27ポイント高の7077.50ポイントと3日続伸した。
出来高4982万株。値上がり銘柄数は269、値下がり銘柄数は159となった。
 
個別では、大和自動車交通がストップ高。魚喜、三光マーケティングフーズ、セイヒョー、ビューティ花壇、東亜石油は年初来高値を更新。インスペック、ASTI、マルマエ、富士通コンポーネント、FDKが買われた。
 
一方、アイケイ、サンコーテクノ、朝日印刷、ササクラ、RVHなど7銘柄が年初来安値を更新。金下建設、アイスタディ、パーカーコーポレーション、セントラル総合開発、図研エルミックが売られた。