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524円高と続伸 米株高で、日銀緩和継続も支え
東京株式(前引け)=524円高と続伸 米株高で、日銀緩和継続も支え
 
30日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前営業日比524円25銭(1.38%)高の3万8459円01銭だった。
東京株式市場が3連休中に米株式市場が上昇したことを好感して、全体相場は買いが膨らむ展開。日経平均株価は300円超高でスタートし、その後も堅調に値を上げ、上昇幅は一時670円を超えた。半導体関連や商社株などが高い。
 
29日の米株式市場では米長期金利の上昇一服を背景にハイテク株の上げが目立ち、半導体関連を中心に主力株に買いが波及した。日銀が26日まで開いた金融政策決定会合で政策の現状維持を決め、緩和的な金融政策が続くとの見方が強まっていることも買い安心感につながった。
 
日銀の植田和男総裁は26日の会合後の記者会見でこのところの円安について「足元の基調的な物価上昇率への大きな影響はない」との判断を示した。日銀が円安に対応して早期に利上げに動くとの警戒感が後退し、日本の株式市場が祝日で休場だった29日の外国為替市場で円相場は34年ぶりに1ドル=160円台をつけた。同日午後からは日本政府・日銀が為替介入に動いたとの観測もあり、一時154円台まで急伸するなど、円相場は乱高下した。30日午前の東京市場では再び157円台まで下落するなど、円の先安観は根強く、トヨタやホンダなど主力の輸出関連株には採算改善を見込んだ買いが入った。



 
 
国内では企業の決算発表が本格化し、「主力の製造業を中心に市場予想を上回る業績見通しや株主還元策を発表するケースが増えていることも日本株を押し上げた」との声が聞かれた。午前は日立が市場予想を上回る2025年3月期の業績見通しと自社株買いなどを発表し、上場来高値をつけた。約10年ぶりの大規模な自社株買いを発表したコマツも上場来高値を更新した。
 
日本銀行が発表する当座資金の推移から実施の有無を推測することはできる。仮に介入実施ということであれば「160円以上の円安は容認しない」という意思表示と理解できる。
 
一方、介入資金は限りがあり、無尽蔵に介入を行うことが可能なわけではないので、今回の介入資金次第では、2回目、3回目という介入実施は難しい可能性もあるので、介入を巡る疑心暗鬼な状況はしばらく続くと考える。後場の東京株式市場は、為替動向を横目に、ランチタイムに決算が発表される商船三井、JPXなど個別銘柄物色中心の地合いとなりそうだ。
 
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは54.06ポイント(2.01%)高の2740.54だった。JPXプライム150指数は続伸し、26.07ポイント(2.24%)高の1191.41で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆7528億円、売買高は9億8461万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1333。値下がりは288、横ばいは29だった。
業種別株価指数(33業種)はゴム製品、機械、卸売業、電気機器、輸送用機器などが上昇した。下落は空運業など。
 
 
個別銘柄では、ファストリやソフトバンクグループ(SBG)、ダイキンなど値がさ株が上昇した。レーザーテックや東京エレクトロン、ソシオネクスト、信越化など半導体関連の一角が高い。住友商事や三菱商事、三井物産など商社株も値を上げた。日立製作所や三菱電機が急伸した。
 
半面、アドバンテストやオリエンタルランド、日東電、三井E&S、ANAホールディングス、TDK、キッコマン、デンソーが安い。