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NYダウは201ドル安、ハイテク株に売り、金利上昇も重荷 ?
【市況】NYダウは201ドル安、ハイテク株に売り、金利上昇も重荷 ?

20日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比201ドル95セント安の2万4462ドル94セントで終えた。
 
主要経済指標の発表に乏しく、寄付き後は小動き。トランプ大統領がOPEC(石油輸出国機構)を批判し、一時的に原油相場が下落したほか、昨日に続いてスマートフォン需要の鈍化懸念からハイテク株に売りが広がり、終日軟調推移となった。
一時は下げ幅を290ドル近くに広げた。
 
アップルは複数のアナリストから、1~3月期決算にあわせて会社が示す4~6月期のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の販売見通しが市場予想を下回るとの指摘が相次いだ。株価は終値で4.1%下げ、1銘柄でダウ平均を48ドル強押し下げた。
 
19日に半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が売上高の見通しを下方修正。半導体需要が減少するとの懸念からインテルのほか、IBMやマイクロソフト、シスコシステムズなどIT関連株が軒並み売られ、相場を押し下げた。
 
午後には米債券市場で長期金利が一時2.96%と、2014年1月以来の水準に上昇した。株式の相対的な割高感が警戒され、売りを誘った。
 
来週はアルファベット(グーグル)やアマゾン・ドット・コム、フェイスブックなどの主力ハイテク企業のほか、建機のキャタピラーや航空機のボーイングなど主力企業が四半期決算を発表する。重要日程を前に積極的な買いが限られ、ダウ平均は取引終了にかけて徐々に下げ幅を広げた。
 
主要企業の1〜3月期決算は全体では大幅な増収増益が予想されている。20日朝方はゼネラル・エレクトリック(GE)が市場予想を上回る決算を発表したのが好感され、ダウ平均を小幅に押し上げる場面があった。
 
ナスダック総合株価指数は続落し、前日比91.930ポイント低い7146.126で終えた。アマゾンなど主力株が総じて売られたほか、ブロードコムなど半導体株の一角に売りが膨らんだ。
 
セクター別では、銀行や保険が上昇する一方でテクノロジー・ハード・機器や家庭用品・パーソナル用品が下落した。
 
個別では、前日夕に最高経営責任者(CEO)の交代を発表した玩具のマテルに売りが続いた。米信託銀行大手のステート・ストリートは急落した。朝方発表した1~3月期決算で、新規事業などにかかった費用の伸びが同業を大きく上回ったのが嫌気された。
検索大手のアルファベット(GOOGL)、ソフトウェアのマイクロソフト(MSFT)、ネット小売のアマゾン(AMZN)など主要ハイテク株も軟調推移した。
 
一方で、GE傘下で石油サービス会社のベーカー・ヒューズは上昇。朝方発表した1〜3月期決算で特別項目を除いた1株利益が市場予想を上回った。
短文投稿サイトのツイッター(TWTR)は、一部アナリストによる投資判断引き上げを受け、堅調推移となった。
金融のウェルズ・ファーゴも買われた。過去にローンに絡む不正があったとして、米当局が約10億ドルの罰金を検討していると伝わった。ただ株価は直近で下げていたため悪材料が出尽くしたとみた買いが入ったようだ。
 
 
VIX指数は16.88と前日から上昇(前営業日15.96)。アップルの続落や、トランプ米大統領の発言を受けた原油の下落を嫌気したエネルギー関連株などの下落で米株が続落し、VIX指数は3日連続で上昇した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,462.94−201.95
S&P500種
2,670.14−22.99
ナスダック
7,146.126−91.930
 
米10年債利回り(%)
2.9602 +0.046
米2年債利回り(%)
2.4615 +0.026
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,338.30−10.50
NY原油(ドル/バレル)
68.26−0.03
円・ドル
107.59 - 107.60   +0.31


 

【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅続落した。
6月物は前日比65円安の2万2075円で終え、大阪取引所の終値を85円下回った米長期金利が約4年ぶりの水準まで上昇を続けたのが嫌気され、米株式相場が下落した。
日経平均先物にも売りが波及した。

6月物の安値は2万2045円、高値は2万2260円
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
22075 ( -85 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
22100 ( -60 )
( )は大阪取引所終値比







【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は4日続伸した。前日19日の終値に比べ39.25ポイント高の7368.17で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。
週末を控え足元の利益確定を目的とした売りなどで鉱業株や保険株の一角が下落に転じたものの、ポンド安を背景に大型株のたばこ株など海外で収益を得る銘柄が買われ、指数をけん引した。
 
個別では、ポンド安による収益の押し上げを期待した買いで時価総額の大きいたばこ株が上昇。同様に医療のメディクリニック・インターナショナルやファッションのバーバリー・グループも上げた。石油株は原油相場の下落に連れて、午後に一時売りに転じる局面があったが、結局全銘柄が上昇して引けた。
最高経営責任者(CEO)が自社株買いを検討しているようだと伝わった建設資材のCRHが高くなった。
銀行株が軒並み上がった。なかでもスタンダードチャータード銀行や、年次総会後に複数の役員が退職することを発表したHSBCホールディングスの上げが目立った。
 
半面、午前は全面高で推移していた鉱業株の半数が売りに転じた。アヴィヴァなど保険株の一角も下げた。週末を控えて、足元の利益を確定する目的の売りが出た。
四半期の売り上げが市場予想に達しなかった日用品のレキット・ベンキーザーが4%近く下げた。一時は約9%下落する場面があった。
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は続落。終値は前日19日と比べて26.92ポイント安の12540.50だった。午前は買いが先行していたが、電力株が下落し、指数を押し下げた。構成銘柄の約7割が下落した。
 
個別では、電力のRWEが安くなった。同業のエーオンも下げた。航空のルフトハンザや半導体のインフィニオンテクノロジーズなども下落した。自動車株も軟調だった。
一方でアナリストが目標株価を引き上げたアディダスが上げた。


■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)5,412.83 +21.19