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7日ぶり反発63ドル高、企業決算を好感
【市況】7日ぶり反発63ドル高、企業決算を好感

16日のNYダウ工業株30種平均は7営業日ぶりに反発し、前日比63ドル86セント(0.16%)高の3万7798ドル97セントで終えた。
前日まで下げが続いた後で、主力株の一部に押し目買いが入った。もっとも、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が高インフレの継続に懸念を示し、市場では利下げが遅れるとの見方が広がり、ダウ平均の上値は重かった。
 
ダウ平均は前日までの6営業日で1168ドル下落し、15日には1月以来の安値を付けていた。16日は短期的に下げすぎとみた買いが主力株の一部で優勢となった。
 
米医療保険大手ユナイテッドヘルス・グループの1〜3月期決算は市場予想を上回る内容で、5.2%上昇した。ダウ平均への影響が最も大きい銘柄の一つで、全体をけん引した。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言や米経済指標を背景に早期の利下げ期待が後退したことが重荷となり、上値は限られた。
 
FRBのパウエル議長は16日にシンクタンク主催の討論会に参加し、最近の労働指標の強さなどを踏まえ「今年は今のところ、インフレ率が目標の2%に回帰することにおいてさらなる進展を欠いている」と述べた。金融政策について「必要な限り現在の制限的な水準を維持できる」との考えも示した。
 
市場では「FRBが利下げを急いでいないということを示す、かなりタカ派的な発言だった」との声が聞かれた。米債券市場では長期金利が4.6%台後半に上昇(前日終値は4.60%)した。金利と比べた株式の相対的な割高感が意識されたのもダウ平均の上値を抑えた。
 
セールスフォースやボーイング、IBMが上昇した。半面、ジョンソン・エンド・ジョンソンやアップルが下げた。
 
ナスダック総合株価指数は3日続落した。前日比19.768ポイント(0.12%)安の1万5865.251で終えた。テスラが下げた半面、エヌビディアが上昇した。
 
 

【シカゴ日本株先物概況】
 
16日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比240円安の3万8465円で終えた。同日は米利下げ観測の後退で米ダウ工業株30種平均の上値が重かった。ただ、この日発表された企業の決算内容が好感されて7営業日ぶりに反発した。
日本株が下落したことも投資家心理を冷やし、日経平均先物にも売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38465 ( +75 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38495 ( +105 )
 
( )は大阪取引所終値比





【欧州株式市場】
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7820.36(-145.17)
 
16日のFTSE100種総合株価指数は続落し、前日比145.17ポイント(1.82%)安の7820.36で終えた。終値として3月20日以来、約1カ月ぶりの低水準となった。同日の下落率は2023年7月以来、約9カ月ぶりの大きさだった。

欧米の金利上昇や、中東情勢を巡る懸念が投資家心理を冷やした。前日の米国株相場の下落に続き、16日の欧州市場でも英国を含む主要な株式相場が軒並み下落した。ロンドン株式市場では英HSBCホールディングスなど銀行株が下げた。エネルギーや資源、医薬品、日用品と幅広い業種・銘柄に売りが広がった。

FTSEの構成銘柄では9割超が下落。オンライン食品販売大手オカド・グループは5.77%安と下落率トップとなり、保険大手フェニックス・グループ・ホールディングスが4.66%安、金融大手スタンダード・チャータードが4.45%安と続いた。一方、特殊化学品大手クローダ・インターナショナルが1.28%高、医療器機大手スミス・アンド・ネフューが0.35%高だった。

 
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 17766.23(-260.35)
 
 
16日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日比260.35ポイント(1.44%)安の1万7766.23で終えた。終値として3月11日以来、約1カ月ぶりの低水準。前日比の下落率は2023年10月以来、約半年ぶりの大きさとなった。

米欧の長期金利が足元で水準を切り上げていることや、前日の米国株安が投資家心理の重荷となった。中東情勢に不透明感が強いことも背景に、株式には売りが優勢だった。

DAXを構成する40銘柄のうち36銘柄が下げた。DAXでも9割が下落。

個別では、航空機大手エアバス(3.17%安)や高級車メーカーのポルシェ(3.09%安)、自動車大手BMW(3.05%安)が売られた半面、ヘルスケア大手フレゼニウス(4.56%高)や化粧品大手バイヤスドルフ(1.10%高)などが買われた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7932.61(-112.50)

欧州株式市場で、フランスの代表的な株価指数であるCAC40が前日比1.39%安、イタリアのFTSE・MIBは同1.65%安などとなった。