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NYダウ反発 115ドル高 短期の戻り期待の買い
【市況】NYダウ反発 115ドル高 短期の戻り期待の買い
15日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発した。前日比115ドル54セント高の2万4873ドル66セントで終えた。
トランプ米政権の保護主義的な通商政策に対する懸念などを背景に、前日まで3日で577ドル下げている。この日は反動から値頃感の出たキャタピラーなどの工業株を中心に買い戻され、ダウは午前中に一時295ドル高まで値を上げた。朝方に発表された米経済指標がおおむね堅調だったことも支援材料となった。
 
朝方発表の週間の新規失業保険申請件数は前週から減った。NY連銀とフィラデルフィア連銀が発表した3月の製造業景況指数は市場予想を上回った。前日発表の2月の米小売売上高を受けて米地区連銀などが米実質経済成長率の予想を引き下げた後とあって「投資家心理が持ち直した」との指摘があった。
 
 
ただ、ダウ平均は午後にかけて伸び悩んだ。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが15日、トランプ米政権が対中貿易で最低でも300億ドルの輸入関税を検討していると報じた。米中貿易摩擦が激化するとの警戒感が根強かった。
 
ナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比15.069ポイント安の7481.742で終了した。フェイスブックやアマゾン・ドット・コムなど時価総額の大きい主力株が下落し、指数を押し下げた。
 
セクター別では、消費者・サービスや運輸が上昇する一方で素材や食品・飲料・タバコが下落した。
 
個別では、1ドルストアのダラー・ゼネラル(DG)が大幅に上昇した。四半期決算と併せて発表した通期の業績見通しが市場予想を上回り、買いが膨らんだ。中国の証券取引所への上場を計画中と伝わった中国の電子商取引最大手アリババ集団の米預託証券(ADR)が上げた。半導体のブロードコム(AVGO)は、バンク・オブ・アメリカがトップ推奨銘柄に指定し堅調推移となった。
 
一方、玩具メーカーのハズブロ(HAS)やマテル(MAT)は、9月に破産した玩具小売のトイザラスが再建を断念し、米国内の全店舗の閉鎖を検討しているほか、商品納入業者への支払いを一時停止していることが報じられ下落。小売大手のウォルマート(WMT)は、オンライン事業部門の元幹部から内部告発を受け売られた。
 
VIX指数は16.59と4日ぶりに低下(前営業日17.23)。米政治不安や貿易摩擦への懸念を背景としたリスクオフの動きが一段落し、ダウ平均が反発した。
NASDAQとS&Pは伸び悩むも、小安い水準で下げ渋り、VIX指数は低下した。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,873.66+115.54
S&P500種2,747.33−2.15
ナスダック7,481.742−15.069
 
米10年債利回り(%)
2.828 +0.011
米2年債利回り(%)
2.2867 +0.025
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,317.80−7.80
NY原油(ドル/バレル)
61.16−0.03
円・ドル
106.32 - 106.33   +0.24
 

【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は反発した。6月物は前日比100円高の2万1655円で終え、大阪取引所の終値を15円上回った。
米経済指標などを手がかりにNYダウ平均が4営業日ぶりに反発し、相場を支えた。市場にはトランプ米政権の通商・外交政策の先行き不透明感が根強い。
この日の6月物の高値は2万1700円、安値は2万1365円。
 

シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
21655 ( +15 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
21705 ( +65 )
( )は大阪取引所終値比



【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7139.76(+7.07)
FTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反発した。前日14日の終値に比べ7.07ポイント高の7139.76で引けた。構成銘柄の約6割が上昇した。
昼ごろにはポンド相場の戻りを眺めてマイナス圏に沈む場面もあったが、午後遅くには米国株の上げ幅拡大に伴い再び上昇した。
金融株の上げが株価指数を押し上げる一方で、石油株と時価総額の大きい食品・日用品のユニリーバの下げが上値を抑えた。
 
個別では、セント・ジェームズ・プレイスなど保険株が買われた。銀行のHSBCホールディングスとスタンダードチャータード銀行も上がった。アストラゼネカなど医薬品株も高くなった。
信用調査のエクスペリアンも上昇した。英国の金融関連ハイテク会社を買収すると発表したことが買い材料となった。
 
半面、金と銅の相場下落を受けて、鉱業株は売られた。フレスニージョとランドゴールド・リソーシズの下げが大きくなった。食品・日用品のユニリーバの下げも目立った。同社は英国の本社を閉鎖し、オランダに本社を一本化すると発表した。
不動産投資信託(REIT)のハマーソンは、アナリストによる投資判断と株価目標の引き下げが響いたほか、配当権利落ちで5%近く下落した。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12345.56(+107.82)
ドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日14日と比べて107.82ポイント高の12345.56だった。米国株の上げ幅拡大に伴い、ドイツ株も一段高となった。
 
個別では、ミュンヘン再保険は、2018年の利益見通しを小幅に引き上げたことを受けて上昇した。通期利益が市場予想を上回った航空のルフトハンザも買われた。前日に急伸したアディダスは、複数のアナリストが投資評価を引き上げたことなどが好感され、この日も上がった。
一方で、電力のエーオンとRWE、医薬・農薬大手のバイエルは下落した。
 
  
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5267.26(+33.90)