兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。

OCN版はコチラ

452円高と反発、米ハイテク株高追い風
東京株式(前引け)=452円高と反発、米ハイテク株高追い風

 
7日午前の日経平均株価は反発し、連休前の前営業日に比べ452円59銭(1.18%)高の3万8688円66銭だった。
 
きょう前場はリスクオンの地合いが鮮明となり、日経平均株価は急反発し一時600円超の上昇で3万8800円台まで上値を伸ばす場面があった。大型連休明けとなった東京株式市場だが、この間に米国株市場がNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに大幅に水準を切り上げたことから、これに追随する動きとなった。
一時急速に円高が進んだ外国為替市場でも、足もとでドルが買い戻され円安方向に押し戻されていることで、ハイテク株などにマイナス材料とはなっていない。一方、米株市場で半導体関連が人気となったことを受け、東京株式市場でも同関連株に買いが誘導され全体指数を押し上げた。半面、日経平均が節目の3万9000円に接近する場面では利益確定の売りも出やすかった。
 
日経平均は朝方に上げ幅を630円ほどまで広げた。6日の米市場ではハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は1.19%高、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.21%高とそれぞれ上昇した。3日発表の4月の米雇用統計で雇用者数や平均時給の伸びが市場予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始が一段と先送りになるとの観測が後退。米雇用統計発表後の米長期金利の低下を受けて、ハイテク株への買いが活発化する流れとなった。きょうの東京市場でも東エレクやレーザーテク、アドテスト、ディスコ、スクリンの上昇が目立った。
 
朝方の買い一巡後は上値の重さもみられた。利益確定売りが相場の上値を抑えたほか、今週控えるトヨタや東エレクなどの決算発表を見極めたいとのムードも広がりやすくなっている。
 

 
為替は1ドル154円50銭台と寄付き時点から30銭ほど円安ドル高が進行している。政府・日本銀行は4月下旬から5月上旬にかけて2回、合計8兆円規模の円買い介入を実施したとの観測。為替は、5月3日の米雇用統計発表後に1ドル151円台に入る場面も見られたが、足元じりじりとした円安推移が見られる。後場も為替を睨んだ展開とはなりそうだが、明日8日にトヨタ自の決算発表を控えていることから様子見ムードが強まりそうだ。後場の日経平均やTOPIXは前場終値水準での横ばい推移となろう。なお、後場は14時台にプリマハム、東京鉄などの決算発表が予定されている。
 
東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引けは7.66ポイント(0.28%)高の2736.19だった。JPXプライム150指数は続伸で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆3868億円、売買高は8億3336万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1061、値下がりは545、横ばいは44だった。
 
業種別株価指数(33業種)は証券・商品先物取引業、その他製品、機械などが上昇。医薬品、ゴム製品、電気・ガス業は下落。
 
個別では、レーザーテックが大きく買われ、ディスコ、東京エレクトロンなども上げ足を強めた。ファーストリテイリング、ソフトバンクグループ(SBG)、TDK、リクルートも高い。さくらインターネットが値を飛ばし、TOWAも物色人気。ラクスが急伸をみせ、ユナイテッドアローズも大幅高だった。
 
半面、ソシオネクストが冴えず、三菱商事も売り優勢。信越化、ソニーグループも軟調。曙ブレーキ工業が売られ、山崎製パンも売られた。第一三共、中外薬、日本酸素ホールディングスなども売りに押された。